プロローグ
「ねえ、今日はどうしたの?」
隣の幼馴染に尋ねる。
「今日は朝美は部活で、美佳は生徒会で、……」
八人ほど聞き覚えのある名前がでてくる。
「それで、今日は僕と帰ろうってわけだ」
「まあ、そうゆうことだな」
つまり、いつも一緒に帰っている人達は皆用事があったので、僕を誘ったらしい。
「でもさー、僕らが二人で帰るのってひさしぶりじゃない?」
「小学生の時いらいだな」
いつも八人の内の誰かと一緒だったしね。
「まっ、たまには男だけで帰るのもいいんじゃないか?」
「そりゃー四六時中一緒にいればそう思うかもね」
そう、そうなのだ、この男はモテる。
この男の名は秋水。義経 秋水という名だ。言っておくがカッコいいのは名前だけではない。
顔はぞくに言うイケメン。成績はつねにトップ5、運動神経抜群で、一年生でありながら全国べスト8というつわものだ。その上優しくて性格がいい。人望もあつく、頼まれたことを断ったりすることない。ラブコメの主人公みたいなやつだ。
それも人柄だけではない。学校の美少女のみに好意をもたれている。女子に、ではない、美少女に、だ。美少女だけに好意を受けているのだ。さらに過激なアプローチを受けているにもかかわらず、まったく気が付かない。色事にとうとい僕ですらあからさまなのに、まったくもって気が付かない超鈍感なのだ。どこのハーレムラブコメの主人公かと問いただしたいくらいだ。
「しっかし、なんであいつらはいつも俺なんかと毎日一緒に帰ってんだろうな?」
「どーだろーねー」
前途多難だね、八人とも。
「なんでお前はこの話になると投げやりになるんだ?って、ん?」
「どうしたの?」
「ほら、これ」
なんか穴がある。
「まんほーる?」
「ちょっとそれっぽくないな」
ほんとになんだ?
「んっ?」
なんか穴から手がでてきた。
「なっ、ちょっ、うあっ」
あっ、イケメン君が手に足引っ張られてる。
「お前は見てないで助けろ!」
そんなこと言ったって、ねえ。
「あっ、足引っ張んないでよ」
「放したら引きずり込まれる」
バランスがっ。
「も、もうもたないっ!」
「えっ?なんだって、うわーっ」
こうして、僕らはこの世界から姿をけした。
誤字、脱字などと思われるような所があったらご報告願います。なにぶんまだ慣れておらず、見苦しい表現などもあるでしょうが、どうかご指摘いただければと思います。