chapter43 別れ
赤毛の女の子が、オレに鋭い視線を向けて言った。
「なんで……魔人の魔法を知ってるのかしら?」
怒っている、というより――警戒している、という感じだ。
「本で……読んだんだよ」
オレが正直に答えると、彼女は首をかしげた。
「本? 古い文献か何か……かしら?」
文献?
そんな大層なものは読んだことがない。
「オレたちの世界には、魔法がなかったからね。 想像で描いた物語の本が、たくさん出回ってるんだよ。 内容は……まあ、色々だけどさ」
そう言うと、今度はウォルアさんが興味深そうに食いついてきた。
「例えば……どんな話があるのかな?」
「んー……多かったのは、転生ものと転移ものかな」
「転移はわかるけど……テンセイっていうのは?」
「一度死んだ人間や生き物が、別の肉体に宿って蘇る話だよ」
「そんなことが……あるんだね」
そんな他愛ない会話を銀狼と交わしていると――
「あのー……」
受付嬢さんの、控えめな声が割って入った。
あ、そうだ。
完全に忘れてた。
「すいません。そろそろ……」
オレはそう言って、受付嬢さんの方を向き、話を切り上げる。
「ああ……そうだったね。 また今度、ゆっくり話そう」
ウォルアさんはそう言って、パーティメンバーを連れ、ギルドを後にした。
「すみません、お待たせしました」
オレは受付嬢さんに向かって、軽く頭を下げる。
「まぁ、相手はAランクパーティだ。 無下にはできねぇさ。 ギルドとしても、あいつらにヘソを曲げられたら困るからな」
ギルドマスターは、苦笑しながらそう言った。
「では、行きましょうか」
受付嬢さんに促され、オレたちはギルドの裏へと向かうのだった。
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