chapter41 パーティ勧誘されました
岡崎さんと倉石さんが、ギルド登録の用紙を書き終えるのを待っていると――
酒場の方から、複数人の男女がこちらに向かって歩いてきた。
「君、面白いね」
先頭を歩いていた、リーダーらしき男が声をかけてくる。
「僕はこのパーティのリーダーをしている、ウォルアさ。
君たちがこのギルドに入ってきてから、ずっと見てたけど……あの人たちを、ああも簡単に転がすとはね。ふふ」
ウォルアと名乗った男は、銀髪の整った顔立ちをした青年だった。
身長は175センチくらいだろうか。
どこか余裕のある雰囲気が漂っている。
「知り合いだったんですか?」
オレがそう尋ねると、ウォルアさんは肩をすくめた。
「まぁね。仕事柄……顔を合わせることは多々あるよ。
とはいえ、彼らも冒険者だ。酔っぱらっていたとはいえ、あの程度の魔法で転がされるような連中じゃないはずなんだけどね」
そう話していると、酒場の方がさらに騒がしくなった。
「おい、あれ……」
「ああ……間違いねぇ。
銀狼のウォルアだ。
なんで……Aランク様が、あんなヒョロいのと話してるんだ?」
――Aランク?
内心で首をかしげつつ、オレはウォルアさんに向き直る。
「それで……オレになにか用ですか?」
「うん。僕たちのパーティに――入ってくれないかい?」
……watts!?
「どうしてです?」
Aランクの冒険者なんて、化物の集まりだと聞く。
正直、足手まといにしかならないと思うんだが……。
「んー……君がいたら、色々と楽しくなるかな?って思ってね」
その言葉に、後ろにいた赤毛の少女が反応した。
「なに?
私たちと一緒じゃ……楽しくないって言いたいの?」
……あ、これ地雷だ。
「そ、そういう意味じゃないよ。
もっと……こう……効率的に狩りができたり、仲間が危ない目に遭うのを防げるかな、って思っただけだよ」
ウォルアさんは慌てて身ぶり手振りをしているが、声色自体は終始冷静だった。
「それに……見ただろ?
あのゴブリンの死体を。
“あんなに綺麗な状態”で仕留めるなんて、僕にも無理だよ」
その言葉に、
「確かに……私にも難しいですわね」
金髪で長髪の女性が静かに同意する。
「オレにも無理だな。
普通は腹を斬り裂くか、魔法で体の一部が吹き飛ぶ」
大剣を背負った茶髪の大男も、そう続けた。
なるほど……。
この世界じゃ、それが“普通”の倒し方なのか。
――敵を殺すのに躊躇したら、足をすくわれる。
だったら、最初から脳天をぶち抜いた方が早い。
……魔法を試してみたかったから。
「それで……僕たちのパーティに入ってくれるかい?」
……うーん。
「質問いいですか?
それって、“オレだけ”を誘ってます?
それとも、“オレたち”を?」
……まぁ、後者はないよな。
「“君だけ”だね。
その子たちと親しいのかい?」
ですよねぇ。
「ゆう以外は、親しいってほどじゃないですね」
知り合ったのは、昨日今日だ。
……ただ、放っておけないだけで。
「ゆう?」
ウォルアさんが首を傾げると、
「僕だよ」
オレの隣にいたゆうが答えた。
「職業を聞いてもいいかな?」
「魔術師だよ」
「使える魔法の種類は?」
「えーと……確か、十二種類くらいあったかな?」
「全属性持ちか……珍しいね」
そんなやり取りを、オレは横で聞いていた。
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