chapter33 魔法の試し撃ち
オレがルークさんに意見を伝えると、彼は腕を組んでうなずいた。
「なるほどな。
現状戦えるのは二人だけ、ってわけか。
まぁ……魔法ってのは焦って覚えるもんじゃねぇし、使えるようになるまで待つしかねぇな」
ルークさんは頭を掻きながらそう言った。
「んー……じゃあ、そうだな。
魔術師の坊っちゃん、試しに何でもいい。
使える魔法をひとつ、見せてくれないか?」
ゆうは軽く頷くと、前に出て構えた。
「わかりました」
そう言って、彼は森林の方へ手を突き出す。
目を閉じ、静かに集中を始めた。
そして数秒後――。
「《ウォーターボール》!」
詠唱の声と同時に、ゆうの掌に水球が現れた。
……でかい。
直径、六十センチはある。
出発前は、たしか七センチくらいじゃなかったか?
オレがそう思った瞬間、水球が一直線に飛んだ。
轟音。
地面がはじけ、砂ぼこりが舞い上がる。
視界が晴れたとき、そこには――直径二メートルほどのクレーターがあった。
ルークさんをはじめ、全員の顔が引きつっている。
「できました!」
満面の笑みで振り返るゆう。
……その笑顔が、逆に怖ぇ。
圧、すげぇな。
「お、おう……。
戦闘できる二人の確認は……十分だな。
よし、帰るか」
ルークさんは引きつった笑みを浮かべながら、街へ戻ることを提案したのだった。
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