chapter28 魔法の使い方
「へぇ、勇者くんって物知りなのね」
笹村さんはそう言って笑った。
「勇者さんよ、異世界人のあんたがなんでそんなに詳しいんだよ。おかしいと思うんだが?」
ルークさんが口を挟んできた。
「ルーク…様、オレたちがいた世界ではそういった本が多く出回っているのですよ。つまり、全て想像の産物です」
オレは息を整えながら答えた。
「様はつけなくていいぜ。さっきも言ったが公爵家ではあるが、偉いのはオレの父親だからな。あんた…あんな難しいもの読むのかよ。そりゃ…博識なわけだ。それで…勇者さんは何をしようとしてたんだ?」
ルークさんがさらに聞いてきた。
「魔法を教えようかと思いましてね」
オレはそう答える。
「使ったことあるのか?
あるわけないとは思うが…」
ルークさんが意地悪そうに言ってきた。
「ないですよ。まぁ、やり方はなんとなくわかりますが…」
「試してもらえるか?」
実践しろということだな。オレは復唱しながら説明しつつ実行する。
「まず、自分の中の魔力を感じ取ります。魔法を使う為には、精神を落ち着かせないと上手く操作できないと言われているので、ゆっくり気持ちを落ち着かせながら、体の中にあるエネルギーを体内で循環させるイメージをします。それから魔法を放ちたい場所――掌や指先など――に出すイメージをします。そして放ちたい魔法を想像して詠唱します」
オレは使える属性から無魔法を選択した。
胸から体にぐるぐると魔力を循環させ、指先に集中させる。イメージするのは“魔力の弾丸”。大きくはなく、銃弾くらいの小さなものだ。手の形を拳銃のように整える。
「…いきます。魔力弾丸」
指先に12mmほどの紫色の円形の魔法が現れる。放つのは危険なので指先に留めたまま。
「こんな感じですね」
オレが言うと、笹村さんは驚いたように頷いた。
「へぇ、そんな感じなのね」
「が…頑張ります」
笹村さんと岡崎さんがそう言う。
「精神を…気持ちを落ち着かせる…」
倉石さんはブツブツと呟く。
「本当に…魔法使ったことないんだよな? 異世界人は…魔法を使えるようになるのに…苦労すると聞いたんだがなぁ…」
ルークさんは遠い目をしながらつぶやいた。
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