俺って彼女に惚れてるんだ
オヴェストが帰ったあとはまたいつも通り過ごした。
今はリーシュがミネットの手伝いでお風呂に入っているところ。
一人でゆっくり考えられるタイミングは今しかない。
「そっかぁ…俺って彼女に惚れてるんだ…」
彼女への愛がとっくに芽生えてるのには気づいていた。
ただ、恋愛感情を含むものだとは思っていなかった。
なんせおれにとっては初恋だから。
義父さんの持ってきた小説に書いてあったことには、初恋というのは叶わぬものらしい。
その意味では、リーシュは最初からおれのお嫁さんだからラッキーだったよね。初恋なのに叶っちゃった。
「…あの程度でヤキモチ妬くなんて、たしかにオヴェストの言う通り狭量だよね」
でも、そんな狭量になっちゃうくらいリーシュが好き。
そう思うとそんな自分も嫌ではなくて、むしろリーシュみたいな素敵な子を好きになれたという実感が湧くとすごく胸が温かくなる。
「ふふ、リーシュにはどうやって伝えよう。ああ、それとリーシュにもおれをもっともっと好きになってもらわなきゃ」
一応、義父さんのくれた本で多少の知識はある。
経験が圧倒的に足りないけど、うん。
当たって砕けろじゃないけど、怖気付いてないでアプローチを頑張ってみよう。




