甘えてみる
フェリーク様と一緒にリビングで、読書タイム。
静かなリビングにページをめくる音だけが響く。
そういえば、フェリーク様はもっと甘えて欲しいって言ってたなとふと思い出す。
「…フェリーク様っ」
「どうしたの?リーシュ」
「甘えたいです!」
「ん?…いーよ、おいで」
ふにゃっと嬉しそうに笑うフェリーク様。
フェリーク様って可愛いよね。
ソファーに座るフェリーク様の足の間に座る。
ラッコさん座りをしてもらって、小説の続きを読む。
私は小説を読んでるんだけど、フェリーク様はその気配がない。
「…フェリーク様は読まないんですか?」
「リーシュを甘やかすのに忙しい」
「えー?」
フェリーク様は嬉しそうな顔でそんなことを言うから、なんだか胸がムズムズする。
でも嫌な感じじゃなくて、幸せすぎてムズムズする感じ。
「ふふ、幸せですね」
「ん、幸せだねぇ。リーシュをずっとこうして抱きしめていたいな」
「ぜひぜひお願いしたいですね」
「本当に?やった!」
抱きしめてくれる腕をぎゅっとされる。
「ふふ、リーシュ」
「なんですか?」
「なんでもない、呼んでみただけ」
なんでもないこんな時間が、ただただ幸せだなぁ。




