彼女を苦しめた者に天罰が下る
「…ということだそうです」
「なるほどねぇ」
今日もリビングで、リーシュと隣り合って座ってパウロと何を話したかを聞いた。
今日は久しぶりに実家と元婚約者の話になったらしい。
その末路は、まだまだ甘い気はするがそれなりにきちんと破滅したらしかった。
貴族という甘い環境で生きてきた彼らにとっては、十分すぎる罰だと言えよう。
それでもおれにとってはまだまだ甘いと思うけど、これ以上は望んでも仕方がないのだろう。
「リーシュはすっきりした?」
「えー、どうかなぁ。正直を言えば、ざまぁみろとは思いますけど…これからは心を入れ替えて、幸せになってほしいですね」
「えー、リーシュ優しい」
可愛いリーシュをナデナデする。
「えへへ…まあでも、ざまぁみろとは思ってますから優しいかはわからないですけど」
「十分優しいよ。おれなんてまだまだ甘いと思ってるのに」
「えー、十分ご愁傷さまですよー」
「ほらやっぱり優しい」
リーシュはこんなに優しいのに、自覚がないのがまた可愛いなぁ。
「ところで元婚約者くんへの感想聞いていい?」
「え、いいですけどなんでそこピンポイントで?」
「おれはリーシュの旦那様だからね、気になるんだよ」
旦那様だと気になるの?ときょとんとするリーシュも可愛い。
リーシュは話し始めてくれた。




