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美しき妖獣の花嫁となった  作者: 下菊みこと


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天の罰を管理する者からみて

神さまは案外と気まぐれで、かつ仕事が適当である。


そんな神さまは割と適当に世界を作ったマジモンのやる気ゼロ野郎だが、そんな神さまも満足のいく出来の創造物がいくつか。


草花は思った通り可愛らしいし、小動物は思ったより可愛くなった。肉食獣はそれはそれで何故かかっこよくなったし、魚も鱗がキラキラしていて思ったより悪くない。鳥も空を懸命に飛ぶ姿は愛おしいし。


つまりは命あるものの創造は割と満足している神さまである。


でも、最近ちょっと落ち込んでいた。一番の自信作だった「ニンゲン」が思ったよりなんか…なんか違ったらしい。もっと純粋な感じを期待してたら、結構俗物になったと落ち込んでいた。姿形を自分に寄せて作ったのが失敗だったかとマジで落ち込んでいた。


「そんな神さまが気合を入れて作ったのが、妖獣」


めちゃくちゃ見た目に気合を入れて作ったのは、もしかしてそうすれば心も美しくなるのではという打算ありき。加護増し増しにしたのもそう。


結果、神さまのおかげではなくあの育ての親の賢者のおかげが九割だと思うが妖獣の心は綺麗に育った。…賢者が居てよかったね。


ちなみにヒトの姿に作ったのにニンゲンしか食べられなくしたのは、嫌がらせではない。ニンゲンに適度な恐怖とストレスを与えて、ニンゲンの方も鍛え直したいという神さまなりの考えだ。


うまくいくわけねーだろというツッコミは野暮である。


まあ、実際上手くいかず妖獣の加護に胡座をかいたクソどもが誕生したのだが。


「でも、そこに心ある神官という存在や妖獣を気にかける女の子という存在が生まれた」


予想外も予想外。ちゃんと妖獣に感謝したり敬意を払う神官や、妖獣を心配したり可哀想に思う女の子が生まれた。


神さまも適当野郎とはいえ、さすがに彼や彼女には興味を示した。ちなみに神さまが賢者に対してはノータッチなのは、死ねない賢者のことをニンゲンカウントしていないからである。


彼には気付かれない程度のちょっとした加護をくれてやったり、彼女に対しては家族と元婚約者から離れられるよう妖獣の花嫁という立場を与えたりした。


結果彼は地元教会の中では上の立場の神官になった。地元から離れる気は本人にはないので、彼の希望する範囲で一番出世出来ただろう。その割に偉そうにならないところも神さまのお気に入りポイント。


結果彼女はクソみたいな家族と元婚約者から離れられて、妖獣との相性も良いらしく色々上手くいっているらしい。よかったね、と祝福してしまうのは許してほしい。


「で、神さまの最近作った中ではもっとも自信作な妖獣は彼女の家族と元婚約者に天罰を望んだと」


つい最近、妖獣がそう望んだらしい。


神さまは目敏くそれに気付いたらしい、心が読めるとかクソすぎる。


で、神さまに仕える…天使とでもいうのかなぁ。僕にお鉢が回ってきたわけだ。


僕は天使の中でもニンゲン担当、その中でも天罰担当。


とはいえ実際、あんまりやりすぎも良くないと考えている穏健派なため積極的に仕事はしないんだけど…。


「今回は神さま直々の命令もあるし、個人的に思うところもあるし仕方ないかぁ」


あんまり僕がやりすぎると可哀想になるんだけどなぁ。


心の綺麗な子を虐めたのが運のつき、かな。

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