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美しき妖獣の花嫁となった  作者: 下菊みこと


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花嫁を愛おしく思うたびに、彼女の家族と元婚約者が許せなくなる

「リーシュ、今日もパウロから実家のお話聞いたの?」


パウロが帰った後、リビングで二人でのんびりしている時にリーシュに聞く。


ソファーでおれの隣に座るリーシュは、困ったような顔をして答えてくれた。


「聞きましたよー。なんか、実家の方は今更後悔してるみたいですね。元婚約者の方は…なんか、妹への気持ちが冷めてるみたいですし」


「うわぁ、ドン引き」


「ですよねー」


遠い目をするリーシュの頭を撫でる。


可哀想に、そんなクズにリーシュが傷つけられていたなんて信じられないほどムカつく。


「…まあ、そんな人たちの側から離れられたのはラッキーだったと思っておきます」


「うん、本当にラッキーだよ。おれとも出会えたしね?」


冗談めかしてそう言えば、リーシュは満面の笑みになる。


え、可愛すぎる。


「ですね!」


「ふふ、リーシュは素直だね」


「長所であり短所です」


たしかに。


おれにとっては長所でしかないけれど。


リーシュはおれに甘えるように、腕を絡めて身体をおれに預けてくる。


「リーシュ?」


「甘えたい気分です」


「ふふ、どーぞ甘えて?おれ、こんな風に腕を絡めてもらうのも甘えられるのも初めて」


おれがそう言えば何故かぎょっとするリーシュ。


「え、なに?」


「私フェリーク様に甘えまくってますけど…」


「え」


「めちゃくちゃ甘やかしてもらってますけど…」


そうだろうか。


リーシュ的にはそうなのだというのだとしたら甘え方が控えめすぎるし、甘やかされるのラインが低すぎないだろうか。


おれ的には全然、もっともっとベタベタに甘えてくれていいのに。


「リーシュ、もっとたくさんベタベタに甘えていいんだよ」


「してますって」


「足りない足りない。もっと積極的に甘えてきて。おれリーシュのことたくさん甘やかしてあげたいし、もっともっとリーシュの可愛いところめちゃくちゃみたいし」


「えー…」


絡めた腕に身体を預けるのはそのままに、なんとなく照れたのか真っ赤になった顔をおれの腕に埋める。


えー、可愛すぎる。


なにこの子。


「よしよし、リーシュは可愛いね」


「きゅぅ…」


ナデナデしたら、リーシュがないはずの犬耳を垂らして尻尾を振る幻覚が見えた。


そのくらい嬉しそうで、そのくらい照れてくれてる。


可愛い、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い。


こんなに愛おしい子を虐げるとか裏切るとか、本当に信じられない。


リーシュを愛おしく思うたびに、リーシュの家族と元婚約者が許せなくなる。


「…天罰、降ってくれないかなぁ」


「え?ごめんなさい、よく聞こえなかったです」


「んー?…独り言、それよりリーシュは可愛いねぇ」


「むきゅぅ…」


今日のリーシュは珍しくめちゃくちゃ照れ屋さんだ。


本当に可愛い。


こんな可愛い子、おれが守ってあげなくちゃ。

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