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お姉様に会いたい
やはり。
お姉様のいない日々は空虚だ。
元々、お姉様のことは頭の中に全部叩き込んである。
いつだって鮮明に思い出せる。
声も匂いも、私への憎しみに燃える目も。
「けれどやっぱり、本物のお姉様にも会いたい」
きっと妖獣のせいで泣き暮らしているのだろう。
人を喰うような生き物に嫁いで、怖い思いをしているのだろう。
その泣き顔は綺麗なのだろう。
けれど、それは私に向けられたものではない。
妖獣に嫉妬してしまう。
「会いに行ければいいのに」
妖獣にむやみに近寄ることは禁じられている。
私は生存本能だけは強いから、固く禁じられていることまでやる気は起きない。
けれどお姉様に会いたい気持ちは本物。
ああ、愛おしいお姉様。
その歪んだ表情をみたいのに。
「お姉様…愛しています」
心から愛している。
たとえのこの想いが、人から非難される類のものだとしても。
綺麗な貴女が、ただただ愛おしいのです。




