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美しき妖獣の花嫁となった  作者: 下菊みこと


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おれってそんなに邪悪なのかな

別に気にしてないつもりだったんだけど。


餌を殺して保存魔法を掛けると、なんだか途轍もなく悪いことをした気分になる。


邪悪とかなんとか、聖女に言われたのを気にしてたのかな。


でも、こうしないとおれが飢えるし。


おれが飢えると結果的にこの山の麓の村にも、国にも影響が出る。


「…邪悪だと自覚したから食べない、なんて言い出すのもそれはそれでわがままだし。たくさんの人が困ることにもなるし」


食べないわけにいかない。


人間のことを考えろと言うのなら、余計に。


おれは人を喰うべきなのだ。


「それに…リーシュを泣かせるわけにいかない」


もしおれが断食をすれば。


もしおれが飢えて瘦せ細ったら。


最悪それで死というものを経験するのなら。


リーシュは、確実に泣く。


おれを思って泣いてしまう。


「…どうしてだろう。悲しませたくも泣かせたくもないけど、おれのために泣くのは可愛いんだよな」


この間泣きじゃくる姿も、焦ったけど可愛くて仕方なかった。


とはいえ、本当に。


悲しませたくはない。泣かせたくもない。


どうせなら嬉し泣きの方が見たい。


だから。


「やっぱり絶食は、ダメだよね」


とはいえ、これが罪だというのなら。


おれなんかのそばに、リーシュを置くのは…。


でも、今更手放してはあげられない。


どうしたらリーシュのためになるのかわからない。


今まで、人を喰うのは罪ではあるとは思っていたがそれでも仕方がないと思ってきた。


「でも、それでもなお罪深いというのなら」


リーシュは絶対手放せない。


断食も許されない。


他のものは食べられない。


…どうしろと?


「無理ぃ…」


リーシュがお風呂に入ってる間に頭をひねったが無理。


解決策なんて思いつかない。


無理。


「…うん、せめてリーシュのことは本当に大事にしよう。それでリーシュをおれのそばに繫ぎ止めることの罪滅ぼしとしよう」


それしかないよもう…。

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