彼の身の上話を聞く
「今日もリーシュと過ごしたおかげで楽しい一日だったよ」
「私もフェリーク様とミネットちゃんのおかげで楽しい一日でした」
フェリーク様とお風呂上がり、添い寝の前のおしゃべりタイム。
今日はちょっと込み入ったことを聞いてみようと思う。
「フェリーク様」
「うん?」
「フェリーク様の身の上話とか聞いてもいいですか?」
フェリーク様は突然降って湧いた話題に驚くが、そのあと笑ってくれた。
「あはは、リーシュって本当に率直だよねー。いいよ、話してあげる。前にリーシュの身の上話も教えてもらったからね」
「ありがとうございます!気になってたんですよね」
「そうなの?聞かれればいつでも話すのに。でも、初めて会った日にも軽く話したような内容だけど」
「ん、神さまに創られたこととか賢者様が育ての親なこととか」
「そうそう。神さまが粘土捏ねて作ったのがおれ。生まれた時にはまだ幼い姿だったんだけど、このまんまちびっこにしたような」
それを聞いて思わず反応してしまう。
「え、ちびっこフェリーク様とか絶対可愛い」
「まあ、絶世の美少年とか言われてたよねぇ」
「えー、みたーい!」
「家には絵とか残ってないんだよなぁ。義父さんに聞けばなんかしら持ってるかもしれないけど」
「賢者様来てー!近いうちに来てー!」
欲望まみれな私にフェリーク様は笑う。
「あはは。素直だなぁ、リーシュは」
「だって見たいんですもん」
「ふふ、まあいつかね。ただ、加護増し増しな存在なのと神さまの作った存在なのはもちろん人を喰うのも最初から知らされていたから。この家を魔法で建てられて即行でここに連れてこられてね。幼いおれには寂しかったな」
「よしよし」
落ち込むフェリーク様の頭を撫でる。
「ありがとう。でも、そんなおれは当然生活能力なんてなくて。赤ちゃんではないにせよ幼い子供の姿、それに合わせた程度の頭脳と知識だったから。それを育ててくれたのが旅の賢者である義父さん」
「賢者様が居なかったら大変でしたね」
「いや本当に。さすがに食べ方はね、いくらなんでも教えてくれなかったけど…それ以外の全てを教えて、育ててくれた。おれが大人の姿になるまではそばにいてくれた。残念ながら寝かしつけとか抱っことかナデナデとか全っ然してくれない人だったけど。非人間め」
「あはは。賢者様が大好きなんですね」
「大好きだよー?文句たらたらだけどね」
そういうフェリーク様の表情が柔らかくて、どれだけ義父である賢者様が好きか伝わってくる。
神さまに関してはさらっと流していたから本当になんの感情もなさそうだったのに、素直だなぁ。




