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「マジックアバルド」  作者: 偽物
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一章 第一話 「人間22022年目」

アバルドと人間が共存する国で、主人公かつ探偵事務所の所長であるバル・アバルドルフと、特殊課刑事で、助手の雨森ようが今回は事件を解決する。

 『人間って、どんな存在だろう?』と考えたことはあるだろうか。


 俺は人間の事をつまらないと思っている。


 こういう変なことを発言すると理由を教えてくれと懇願する助手がいる。

 懇願という表現は誇張しすぎたかもしれない。

 しかし、『つまらない』と思う理由はある。


 多くの人間がある程度、自身に歯止めをつけている。

 それが、悪いわけではない。

 だが、それがどうしてもつまらなく見てしまう。


 けれど、歯止めがきかない人間ほど、犯罪や金使いが荒く、暴走しやすい。


 それらを本当の人間らしく思ってしまう。


 人間は欲望である事こそ面白い。

 歯止めをつけている人間ほど、安定や安心を求め、つまらない。

 そして、そんな様子がとてもつまらない。


『このような思考に至るのも、俺たちの性なのかも知れない』


 なぜコイツは、偉そうに人間について語っているのかと、尋ねるだろう。


 それは、この俺が22022年間、生きているからである。

 2万歳も生きているというのは、盛りに盛りすぎた。


 正確には、記憶が今の時代まで受け継がれているという表現のほうが正しい。


 普通に、70か80そこらで死んでしまう普通の人間ではある。

 しかし、何か人と違うところがあると、自分と同じ人間について、語ってみたくなるものである。

(およそ300回の人生経験)


 でもまあ、こんな嫌味な野郎でも、記憶が受け継がれるということは、今まであった出来事を覚えているから超天才で、羨ましいと思うだろう。


 しかし、全然そんなことはなく、悲しいことに俺が覚えているのは、主に必要な情報だけ。


 それすらも欲しい人には、羨ましいと思われるだろう。


 だが、自分の脳のキャパシティがあまりにも小さいことが原因で、すべてを覚えているわけではない。


 仮に、よかった事を上げるなら、高校2年の学力ならついていくことができるレベルである。


 昔の記憶はとびとびで覚えている。

 俺は常に、新しいものを好む方で、世代がバレないようにするために、必死である。


 当初、この力に気づいた時は、俺は昔の記憶があるから大丈夫だと安心しきっていた。


 けれど、そんなことはなかった。俺の学力が上がるに比例して、学問自体も日々レベルアップしている。

 一生超えらない学問の壁にぶつかっている。


 この力も己のキャパと日々ます情報社会の前では、無力。


だが、俺は諦めない。俺にだって人より優れている部分があるはず。 『たぶん』


           〜バル・アバルドルフ〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「バルさん、またこんな日記を書いてたのか?」

「バルさんは精神年齢だったら、誰よりも神クラスのレベルなのに」


《22022年前》


 時代で言うと、おそらく縄文時代よりもさらに前の時代である。当時の人類では、異質な力を持つ者の事を異人と呼んでいた。


 別の場所では、暴れる()で、アバルドとも呼ばれていた。


 異人やアバルドといった存在は、魔結晶という魔力のこもった結晶のエネルギーによって誕生した。


 『魔力』なんて存在を信じるほど、非現実的な思考は、持っていない。

 だが、アバルドがいたことは、事実。信じるしかない。


 現代に至るまでに、彼らのことを異人よりもアバルドという呼ばれ方が多くなった。


 この理由は、魔結晶によって力を得た最初の人間の事を、ある村の長が『0番目のアバルド』と、名付けたからである。


 本当は、『0番目のアバルド』が最初から存在しないとも言われている。


 それは1番目から、いま発見されているアバルドまでしか、その実態はわかってないためである。


 0番目のアバルドの実態を知るものは、俺がいる限り存在しない。


 人間とアバルド、元は同じ人間。

 けれど、彼らは特別だった。

 だから、人間を弱者として見る。

 ある時、アバルドと人間の戦いが始まった。


 人にとって、壊滅的な被害はなかった。

 それは、アバルドの数が少ないこと。


 そして、一部のアバルドが人間と共に生きる道を選んだためである。


 これ以降、人間とアバルドの国とアバルドだけの国どうしの争いが続く。


 自らの力を誇示したいアバルド達によって、争いは続いた。


 その後、アバルド同士の戦いは、その数を減らすだけだった。


 当時の人間側にいた1番目のアバルドが人間との共存を全てのアバルドに告げた。


 終わりの見えなかった戦いも、全アバルドと人間の共存によって、終結する。


 1番目のアバルドに対して、反感を持った者もいたが、半数は一掃され、刃向かう事をやめた。


 そして、多くの歴史が続く中で、この国が誕生し、今もこの国には、アバルドが存在する。

 普通の人間と共に平穏無事に現代でも、共に暮らしている。


「ハァ〜。………平穏無事なわけねぇだろ!」

「ビックリしましたよ。バルさん、帰ってきたなら言ってくださいよ」


「人の日記を勝手に見るやつに言われたくねぇ〜よ」

「それに平穏どころか、アバルドの事件は、今でも多い……」


「けどまぁ〜お前には、わざわざ仕事をもらってきてくれるし、経済的にも助かってるから、許してやるよ」


「でぇ、今日の依頼は?」


「やっぱり怒ってる?えっ〜と、『サンペリーア近くの工場で、暴れている巨漢を速やかに討伐しろ』との依頼です」

「男の写真、見ますか?」


「ああ、確かに巨漢だな」


「この男は【強化のアバルド】だと、情報をうけています」


 名前は『リック・バルガン』

 強化のアバルドで、80番目のアバルドでもある。


 ギャンブルで多額の借金をしてしまい、偶然、魔結晶を手にした。

 彼をバカにした連中への復讐と借金返済のために、魔結晶を手に入れようとしていた。


「あの〜雨森くん、うちの探偵事務所はアバルド退治専門じゃないからな」

「あと、毎回どっからこんな情報をもらってきているんだよ」


「この探偵事務所にいるアバルドを黙認しているんですよ」


「本当なら、狂人対策特殊課に所属している僕からしたら、『即バラせ』って命令出されてもおかしくないですから」


「今まで、バルさんを捕まえたり、射殺したりしてないので、頑張ってください」


「……頑張ってかぁ〜てか、俺の問いは無視かよ」


 ここの探偵事務所の所長、バル・アバルドルフは昔の記憶を引き継ぐことができる

【記憶のアバルド】である。


 第13番目のアバルドと本人は、言っているが、アバルド自体の寿命は、早くて1年、長くて、10年の生涯である。


 また、番号が判明しているアバルドの情報は、特殊課に全てある。

 だが、13番目のアバルドについての情報は、無い。


 現代のアバルドにも、番号の低い順にによって強さや権力が決まっている。


 だから13番はそこそこ高いはずなのに、この暮らし。


 ちなみに、アバルドの力を人間も受け継ぐことも可能。


 アバルドの子供も、その力を受け継げくことはできず、アバルド自体が死ぬと魔結晶化する。

 その結晶を取り込めば、アバルドの力を誰でも、得ることができる。


「今、俺のことをバカにしたか?」

「違います。バルさんのことを憐れんでいたんです」


「嘘だな。だがまずは、この男について早急に知る必要がある」


「こいつもまた、『エンブレム』の仕業か?」


「いえ、エンブレムとは、まったく関係ありません」

「偶然、魔結晶を取り込んだ人のようです」


 エンブレムとは、アバルド本来の本能を取り戻すために、殺人 、破壊 、恐怖を人々に与えている組織である。


 エンブレムは、『管理 解放 暴走』の理念を掲げている。エンブレムの最大の目的は、この国の王を殺すことにある。

 また、エンブレムの情報は、緻密に隠されている。


 そして、エンブレムが暗殺しようとしているこの国の王の名は『アルビッツ』という。


 王は、エンブレムに対抗するため、俺の所属している異人対策特殊科をつくった。


 だが、エンブレムが最も警戒しているのは、アルビッツ直属の5人の騎士。


 この騎士達は、上位番号のアバルドで構成されているため、王に歯向かう者は彼らに殺される。


 エンブレムは、王の騎士に脅威を感じ、騎士との戦いを避けているようだ。

 俺も味方であるはずの騎士について、詳しい詳細は、わかっていない。


 現在でも、魔結晶を使った犯罪は多く存在するため、今も人々を悩ませている。

 騎士が動けば、早いのだが、俺達が人々を守るしかない。


「この事件がエンブレムじゃなくて、よかったと、喜ぶべきだな」


「バルさんも上位アバルドなんだから、エンブレムくらい怖くないでしょ」


「俺の能力を知ったうえで、話してる?」


 バルさんは、【記憶のアバルド】だが、実践で戦えるような能力を見たことがない。

 バルさん自身も『人生経験なら俺は、誰にも負けない』という始末。


 バルさんも俺と同様に銃で戦う。


 時たま、バルさんの経験が生きる場面もあるけど、バルさん自体は、特殊課も脅威にすら思っていないザコ扱いの存在。

 けど、一緒に戦っていると知られたらヤバイ。


「そんなことありませんよ」

「バルさんの人生経験はいつも役に立っていますから。今回も、頼りにしてますから!」


「強化のアバルドなら、頭が弱点だな。場所は、サンペリーアだったな……」

「すぐに行くぞ」


「バルさん、どうして弱点がわかるんですか?」

「それは現場に向かう途中で話すわ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


[午前10時25分]


 この事務所のモットーは、『時間かけず、依頼を速やかに遂行し、無事に帰る』こと。


 ただ、この事務所には、もう一つ決まりみたいなことが存在する。

 それは、決して管理人さんに迷惑をかけないことである。


「準備はできたか、助手。いくぞ」


 低い声から発せられるその声は、自然と俺をやる気にさせる。

 バルさんが俺のことを『助手』と呼ぶ時は、たいてい仕事の時だけだ。


「バルさん、参りましょう!」


 2階の探偵事務所から1階に降り、玄関を開けて、仕事に向かう瞬間。


「ケーキが焼けたので、ごっ一緒にいかがですか〜」


「はい、喜んで。ディナさん」

俺は、心良くディナさんの誘いに応える。


「おい、助手。今は、そんな状況じゃ」


「バルさん。ここは、俺に任せてください!!」

「ディナさんとのお茶会は、俺一人で完璧にこなしてみせます」


「そんなかっこつけて言われても」


「だから、早く現場に向かってください」


「ディナさん、あなたの手作りケーキをいただいてもよろしいですか?」

「はい、どうぞ〜」


 このお美しい女性のお名前は、ディナ・カーナベルさん。


 2階にあるバルさんの探偵事務所と1階の住まいを所有している管理人さんである。


 ディナさんは、髪の毛がブロンドヘアーで、目はサファイアのように輝き、手先がとても綺麗だ。


 こんなにも素晴らしい女性に会えたことに、心からバルさんに感謝する。


「助手、ほんとうに行かないのか?」


「人には、適材適所ってのがあります」

「ディナさんとの時間は、俺にしかつとまりません。だから早く現場に(!!)」


「お前なぁ〜。依頼料は9対1でいいか?」


「ここは俺に任せて」

「話を聞いてないだろお前!!」


「それじゃディナさん。行ってくる」

「気をつけてねぇ〜、バルくん」


 俺は愛車に乗って、現場に向かった。


 ここからは、この俺、バル・アバルドルフの視点だ。


 いろいろと思うところはあると思う。

 だがまず最初に思うのは、助手の雨森陽一が早々に仕事を放棄し、ディナさんのお茶を楽しんでいることだ。


 まったく職務怠慢だぞ雨森の奴。


 事務所では、俺が勝手にあいつのことを助手と呼んでいるが、本当は協力してもらっている関係である。


 現状、俺が【強化のアバルド】に勝てる有効な策はない。

 雨森のやつが来るまで、粘ることが俺にできる精一杯だ。


 【強化のアバルド】は、80番目のアバルドと同じ能力だと思われる。


 奴の弱点は、頭だった。

 強化の能力は、一部の身体を強化できる。

 瞬時に強化できる場所を変えるため、不意打ちが一番有効。


 しかし、俺一人で、不意打ちは難しい。

 以前に、強化のアバルドと戦った時、聴覚を極限まで、強化されて、すぐに足音でバレた経験がある。


「相手がバカなら、一人でも勝てるんだけどなぁ〜。けど、現状、俺がなんとかするしかない」


 サンペリーア近くの工場に到着。


「近くで騒音が聞こえるな」


「まだだ、俺はまだ強くなれる……」

「この力で、俺を見下した連中をミンチにしてやるだ」


「おい!お前ら、早く魔結晶を掘り起こせ!」


 この近くで、魔結晶が見つかったのか?だがまずは、人質になりそうな人達の救助が優先。


 銃で奴の注意を引く。

 移動しながら四方八方から打てば、さすがに俺のことに気づくかもしれない。


 だが、場所さえ特定されなければ、大丈夫なはず。


 その隙に、人質を逃げてくれると助かる。


 リボルバーに手をかけ、そして、放つ。そこからは、作戦通りに動いた。

 だが、巨漢の男は、周りを見て、俺の居場所を探している。


 俺の場所がわからないのか?

 以前に戦った奴なら、これくらいの撹乱も、簡単に気づいていた。

 前の持ち主が有能だっただけか?


「意外とバカで、助かったぁ〜」

「助手に助けてもらうなんて、そんな恥ずかしい状況嫌だしな、さっさと終わらせる」


 俺の弾丸は、【強化のアバルド】の脳天めがけて、放たれた。

 弾は簡単に脳天に命中した。拍子抜けした。


「意外と簡単だったな。早く助手に報告しないとなぁ〜」


 俺はそのまま男に近づく。

 だが、巨漢は起き上がり、周りに散らばっていた工具や瓦礫を俺に向かって投げてきやがった。


「はあー!生きてやがった。ちょっと待て、確かに脳天をブチ抜いたぞ」


 あのやろう。俺を誘いやがったな。

 あの姿が強化した姿じゃないのかよ。

 元々、いい筋肉してたのね。


「まぁ、でも逃げるわけにもいかないし〜。ここで、あいつとの対マン勝負といくか」


 けど、やつの投擲がマジで邪魔。

 だが、あいつが俺に注意を向けくれたおかげで、人質は、逃げることができたか。


「おいおい、そんなに投げちゃ。まともに顔を合わせられないぜ」


「心配するな。俺があとで見るお前の顔面は、見るに値しねぇ、ガラクタ面になってるからよ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


[11時05分]


 時間を確認する。

 助手も、そろそろディナさんとのお茶を終わる頃だろう。

 あと10分くらいは、時間かせぎ。

 ああ〜ツラ。


「ならこの際、お互いの顔を見ない遠距離戦を楽しむうぜ」


「いいねぇ。俺の力を試す実験体にしてやるよ」


[11時15分]10分経過。


「なぁー!アンタ。この戦いもそろそろ終わりにしねぇ~か?」


「同感だ。オレもこの力をダイタイ使いこなせるようになった。お前とのお遊びも飽きてきた」


 俺は、男の前に姿を現した。


「この面倒な隠れんぼも、早めに終焉にしよう。えっ〜と名前は、確認してないから、教えてもらえるかな?」


「ハッァ、教えてやるよ。ただし、お前の体をバラバラのミンチにしてからなー!!」


「ミンチになるのは嫌だから、早く死んでくれると助かります」


 弾丸を男に向けて、再び放つ。

 当然、意味はない。

 これは、注意を引きつけるためのフェイク。


 あっ、そういえば、コイツの名前、資料に載ってたな。


「そんな鉛玉が効かないことを理解してねぇーのか」


「いや、この銃は俺の武器で、アンタとやり合うには、必要だが、殺るのはこれじゃない」


「リック・バルガン、アンタのトドメはうちの助手だ」


 後ろから放たれた弾丸に気づかず、リック・バルガンの脳天を綺麗に撃ち抜いた。

『ブシュー!!』


「ナイス、ショットってところかな」


「ですね……これで報酬は、半々ってことで、いいですよね」

「ああ、仕方ねぇ。今回ばかりは助かった相棒……なんて言うか!!」


「俺は結構、ピンチだったからな(!!)」


「それは本当に謝りますから、ごめんなさい…」

「許さない……」

 これは当分、根に持たれるな……


「雨森、魔結晶ってそんなに高値がつくのか?」

「裏サイトだと、1グラムでも、100万円はしますよ」


「『100万!!』そんなにするのか。いざとなれば俺の中の魔結晶を売れば、一生安泰だな」


「魔結晶を一度取り込んだ人間って、死ぬまで、取り出せないですよ」

「それに、バルさんの能力的に、魔結晶は一生、取れませんね」


「残念だ。けど、報酬は払えよ」

「わかってますって」


「軽いヤツめ、もっと早く助けに来い」

「助けたから、いいじゃないですか」


 そんな口喧嘩をしつつ、俺達は家に帰えった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


[次の日]


「そういえば、どうして、強化のアバルドの弱点が頭だったんですか?」

「あの後、そのまま帰ってしまって、聞きそびれていたので、教えてくれませんか」


「そうだったな。単純だ。頭を強化しても、意味がないからだ」


「いやでも、普通に考えて、頭自体を強化すれば、弾丸くらい防げたと思います」


「けれど、リック・バルカンは、頭を強化する様子は、俺が見ている限り、なかったですよ」


「お前、遅れて助けきに来たのに、アイツが頭を強化してないこと、よくわかったな」


「一瞬でわかったのか。それとも、実は俺がピンチな時に、安全な場所から傍観してたか?」


「やだなぁ。傍観は、してませんよ」


 バルさんがピンチからの逆転をするだろうと願いつつ、チャンスを狙っていた。

(なんて、言えるわけがない)


「本当かぁ〜」


 こいつ、取り分を半々にするために、わざとすぐに俺を助けなかったな。


「それよりも、さっきの続きを教えてください」


「そもそも、強化のアバルドは、肉体の一部を強化することができるアバルドだ」


「皮膚や毛根が硬くなり、血液の流れ、細胞の活動、強化した箇所全てが強くなる」


「だが、デメリットとして、全身を強化することはできない」


「どういうことですか?」


「魔結晶を取り込んだ人間は、心臓の部分に魔結晶の力が宿る」


「その力を使う時、心臓の部分から身体の隅々に魔結晶の力を送り込む」


「その時、【強化のアバルド】の場合、頭、胴体、左右の手足に力を送り込むと、心臓の部分から外側のを方向に引っ張られてしまう」


「そのため、全身に能力を使えば、心臓なんて、『ブシャー』的な音をだして、破裂するだろう」


「だから、引っ張る力が強いほど、心臓に対する負担もでかくなるといことだ」


「つまり、【強化のアバルド】は、全体を強化すると、死ぬ可能性があったということですか」


「そして、リック・バルカンは、一部だけしか強化できなかった」


「でも、俺が欲しい解答じゃないです。リックは頭だけの強化は可能だったはずです」


「さっきも話したように、強化できるのは一部」


「でも、そのかわり、皮膚を鋼鉄にするだけじゃない。他も強化される」


「だから、万が一、頭に能力を使った場合、脳の以上な働きに他がついてこられない」


「おそらく、pcみたいに、オーバーフローするかもな」


「だから、頭だけは強化できなかったんですね。戦闘中に、そんなことをしたら、弱点になりますもんね」


「この事件も、記憶の能力で助かったですか?」


「ああ、昔、別の強化のアバルドと戦ったことがあってな」

「それで、今回もその経験がいきたというわけだ。褒めてもいいぞ、何もでないが」


「これも年の功ですね」


「そうだな、年の功だ。それで、今日の依頼はなんだ」


「簡単に受け流しますね」

「今回の依頼は【水泡のアバルド】を退治です」


 この国で起こっている事件を解決するのが俺の『探偵事務所ガロン』だ。

別の投稿サイトで、投稿してた作品を持ってきました。

 バトルと会話でやってます。

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