プロローグ
目の前の光景を見て頭が痛い。何故すんなりと受け入れてるのか、我が親ながら理解が出来ない。
「は~い、マオタンあ~~ん」
タン!?親父~~~~なんだそのデレっぷりは普段と全然違うじゃねぇか!
「あ~ん。ん!?旨いのぅ!!」
「ほら、口にクリームが付いちゃってるからね」
お袋はハンカチを取り出し優しく口元を吹いてニコニコしてる。かなり上機嫌の様だ。
「うむ、苦しゅうない!」
なんでお前は偉そうなんだよ、この魔王が!
あの日俺が異世界に呼ばれて女神に魔王を何とかしてくれと言われ魔王退治を引き受けてしまった事が発端だ。
まぁ、細かい事は省くとして何とか魔王の城にたどり着いた俺と仲間達は魔王の元へと向かう先に四天王が表れるが仲間達が引き受けて俺一人が魔王の元にたどり着き玉座に座っている人物を見上げる。
そこで見たのは5~6歳位の女の子がいた。
「えっ?」
辺りを見回してもその子しかいない。俺が混乱していると玉座から声が聞こえてくる。
「よく来たのぅ、勇者よ。我こそが偉大なる魔王ことマオだ」
女の子が自分が魔王だと言うが俺の頭の中では?しか浮かばなかった。
「さ~て何して遊ぶかのぅ?勇者よお主は何がしたい?」
魔王の言葉にハッとして聖剣を構えると首を横に倒してキョトンとするが気を抜かないように見ているとその目がウルウルと潤み出したと思ったらまさかの魔王のギャン泣きが始まった。
「うわ~~~~ん、我を、い、いじめるのか。わ~~~~ん」
魔王のギャン泣きに唖然としていると其処に俺を呼んだ女神が表れたんだ。
「だ、大丈夫よ、マオちゃんをいじめる別けないでしょ?ほら、いい子だから泣き止んでね、ね?そうだ。飴ちゃん嘗める?美味しいよ。はい」
必死に魔王慰める女神が其処にいた。
「本当か?本当にいじめないか?」
ウルウルと女神を見上げる魔王。
「……くっ、可愛いすぎる。本当よ。マオちゃんをいじめる奴がいたら私が何とかしてあげるからね♪」
前半の呟きは後ろを向いてたから魔王には聴こえなかったみたいだがその前にいた俺にはハッキリと聞こえてしまった。
鼻血を垂らしながらデレデレの模様。
「おい、この駄女神。どういうことだ?魔王退治じゃなかったのか」
「あっ、マオちゃんを、いじめようとしたのは祐介さんですか!こんなに可愛い子をいじめるなんて……イッタ~イ。何するんですか!」
「ごめん。何かイラッとしたからつい」
「イラッとしたからって女神である私を殴るなんてヒドイです。て言うかさっき駄女神って呼びましたよね!?」
「いやいや、呼んでないって気のせいじゃないか?ほら、鼻血が出てるぞ」
「あっ、すみません。ありがとうございって誤魔化されませんよ!絶対駄女神って言った!」
「ハイハイ、それは置いといて魔王退治じゃないのか?何で俺を呼んだんだよ?」
「え~とですね。この世界にいる魔王のマオちゃんなんですが余りにも可愛い過ぎるので世界の国々が困ってしまったんです」
イマイチ要領を得ない説明に首を傾げるとはぁ~と溜め息をついてやれやれ見たいな動きをしてから更なる説明が始まった。駄女神の顔見て殴りてぇと想いをグッと我慢して話を聴くことにする。
「いいですか?この可愛いマオちゃんが人間の国に行き欲しい物を強請と断れきれなくって困ってしまうんです」
「はっ?いやいや断ればいいじゃねぇか?」
分かってない分かってないよ、この人は見たいに首を横に振る駄女神。
「それが出来ないから祐介さんを呼んだんですよ?こんなに可愛いマオちゃんのお願い事を断れる訳が無いんです!と言う訳でマオちゃんの事お願いしますね」
マジで意味が分からない。て言うかマジ殴りてぇコイツ殴ってもいいよな?
この時、駄女神を殴ろと考えていた時に魔王に話し掛けて分かったと返事をしている魔王に気付かなかった。
「じゃあ、お願いしますね。マオちゃんの事頼みましたよ」
声を掛けられると同時に魔王を俺に押し付けて来たので慌てて抱き上げると足元に魔方陣が浮かぶと呼ばれた日と同じ様に目が開けてられないほど光が俺と魔王を包み込んだ。
光が治まり目を開けると自分の部屋にいた。俺があの世界に呼ばれて三年が経っていた筈なんだが、俺の部屋はあの日ままだった。
『呼んだ日に戻しておきましたよ。見た目も元に戻しておきましたから大丈夫ですからね。後、勇者の力はそのままなのでマオちゃん事頼みましたよ』
頭の中で駄女神の声が聞こえてきた。目線を下に下げるとワクワク下顔で俺を見ているマオがいた。
ぼちぼち書いていきますのでよろしくお願いします