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姑ですもの!  作者: K
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異世界に来たら王妃と言われた

初めての投稿です。御手柔らかにお願いします。



 急がないと。あと少しでママが帰ってくる。おやつなんてのんびり買ってる場合じゃなかった。通りから見えるコンビニの時計はちょうど十分前。今日はどうしてもママを一人にしてはいけない日なのだ。

 駅の改札をくぐってすぐに望実は走りだした。ここから家まではかなりの距離がある。紅茶でもいれてのんびり待っているのが理想だったのにそううまくはいかない。


『どうしてうちにはパパがいないの?』


 小さい頃何度も尋ねたその問いにママは「いつか必ず帰ってくるから」と笑いながら答えてくれた。しばらくしてからそれが優しい嘘だと知った。自分ではどうにもできないことばかりだと気づいたのは小学生の時。

 道行く親子が羨ましくないといったら嘘になる。

 それでも数年前の夜、一人で呑みなれないお酒を片手に静かに泣いている母親を見てしまった望実は見たこともない父の影を探すことはやめた。

 そして毎年来るその日は一緒に疲れて寝るまで楽しく過ごす日にしようと心の奥に誓ったのだ。今、生きているかもどこにいるかもわからない父より頑張って働いて育ててくれる母が大事だった。


 よかった間に合った。もうすぐだ。

 あの角さえ曲がれば、もうアパートが見えてくる。これならママが帰ってくるまで少し余裕がある。ふうと安堵ゆえのため息がこぼれた。息を整えてゆっくりと歩き出す。

 その時、突然バックしてくるトラックが視界に入る。避けようにも身体が動かない。誰かが手を伸ばして叫んでいる。望実が無我夢中でその手にしがみつくと目の前が真っ暗になり、そして次に真っ白になった。何も見えない。ただ溢れるような光の中で意識がシャットダウンし力が全て抜けていく。

 誰かがしっかりと腕を握ってくれている気がしたが望実の薄れ行く記憶の中ではわからなかった。




「貴女方はあの方が頼むと言われたことを忘れたのですか? 目を離すなと言っておいたはずですが。それにこの服はいったいどこで……まあ、そんなことはどうでもいい。今、彼女が外に出ることがどれだけ危険か全員がわかっているはずだ。そうでしょう?」


 目を開けると耳に心地よい声で男性が何かイライラしながら言っているのが聞こえてくる。こんなにもふかふかのベッドなんて今まで一度も寝たことはない。母と二人使い古したせんべい布団で仲良く寝ていた望実はその感触に驚きながら起き上がる。

 いったいなぜ、起きたら知らない家で寝ているんだろう?


「姫様」

「姫様、ご無事で」

「ああ、よかった。なかなか目を覚まされないから心配しておりました」


 泣きそうになりながらハンカチで目元を押さえ、一斉に身を屈めるメイド服のような衣装を着た綺麗な女の人達に望実の頭はクエッションマークでいっぱいになった。部屋にいる人物を見渡すが一人として知っている顔がない。


「聡明な妃殿下におきましては現在の危機的状態をわかっていらっしゃると思っておりました。それなのにどうして部屋を出てあげくゲートになど……反対派から見れば格好の的ではないですか」


 今まで見たこともない整った顔立ちをした青年が小難しいことをいやみっぽくいいながら睨み付けてくる。

 美形が怒ると倍怖いとは本当なのだなと身を縮こませながら銀色の長髪をかきあげている男性をちらっと見る。どうみてもあの長さでは邪魔そうだ。少し髪を長くするだけでも自分は大変だったのにシャンプとかどうしてるんだろう。乾くのに何時間かかるんだか。日本じゃ目立ってしょうがないだろう。ぴくっと頬が動いた気がして背中まで伸びている銀髪から視線をはずす。

 頭を下げたままの女性達も藍色、紫色、緑色となんとも言えない髪の色だった。これが演劇だとしてもこうも派手な色にわざわざ染めるとかなかなか勇気がいるだろう。コスプレだとしたら何の茶番に自分は巻き込まれているのか?


「聞いていらっしゃいますか? ポメロ様」

「どうしてって……ポメロ!?」


 私、そんな名前じゃない。そう叫ぼうとして望実は言葉を飲み込む。どこかで聞いたことがある名前だったから。つい最近だったはず。力が思わず手にはいる。


「まさかご自分のお名前まで忘れたとおっしゃりませんよね?今まで聞いたことのない楽しいジョークかと」


 にっこりと笑む青年の雰囲気がブリザードに包まれる。

 恐ろしい。背中がぞくっとして思わず望実は勢いよく頭を下げていた。


「ひっ……いや、え、その……すいません。ごめんなさい。ううう、ほら頭がいたくて、くらくらするんです。体調がよくなったら話を聞きます。怒ってもいいです。だから今だけはもう少し寝かせてください」

「ティエラ卿。姫様まで今、もしお倒れになったらどうするのですか? それこそ反対派を喜ばせる事になるのでは?」

「そうです。グルナード様。姫様は見つかりましたし当分無茶はなさらないでしょう。私もおりますしどうぞ宰相にご報告なさってくださいませ」


 体格のいい見るからに頼もしい女性が前に出て青年と望実の間に入る。優しそうな笑顔に望実はほっとする。目の前の青年はグルナード・ティエラと言うらしい。

 宰相って大臣のトップでいいんだよね?

 もしかしてこの人も凄い偉い人なのでは?

 じっと見ているとため息をまたついてグルナードと呼ばれていた美青年は望実に氷りそうなほど冷たい視線を向けた。


「わかっている。そなたのいう通りだな。妃殿下、今後はけっして護衛を撒いて外に出たり城を飛び出すなどの勝手な行動はされませんよう。城内の散歩も当分禁止させていただきます」


 それでは、と優雅に両手を広げ深々と一礼するとグルナードは出ていく。姿が見えなくなった途端、部屋が少し温かく感じる気がしてなんだったんだと望実は目を擦る。


「ありがとう」

「ポメロ様、目をそんなに擦っては赤くなってしまいます。体調が整わないのでしたら医師に来ていただきますので相談なさってください。国中が混乱しており、怖いのもわかります。ですからグルナード様がおっしゃられたようにいましばらく部屋からは出ませんよう。不自由ないように精一杯私たちも勤めます」

「は、はい。でません。静かにしてます。何かあったら呼びます」


 勢いよく返事をするとにっこりと微笑み女性が手を叩く。あっという間にカラフルな女性陣が部屋から退出し望実は一人取り残された。


「ポメロ、ポメロ……うーん、ポメロ?」


 窓から外を眺めると城壁と山々が見える。テレビで見たヨーロッパの景色に似ているがなぜか言葉は通じているようので海外にきたわけではなさそうだ。


「あーあ。結局ママを一人にしちゃったな」


 自分までいなくなってしまったらママは一人でどうやって今日を過ごしているのだろう。しかもこんな日に。

 きっと父と母は自分の誕生日に何らかの理由があって別れたのだと望実は思っている。一人で泣く母の姿が浮かんできて胸が苦しくなる。

 ぽたっと布団にシミができて望実は自分を抱き締める。

 ママは天然でちょっと抜けていて、世間知らずすぎると隣のおばあちゃんによく怒られていた。どこかのお嬢様とバカが勢いで駆け落ちでもしたんだろうかねえ、なんておばあちゃんは言っていたけど。


「駆け落ちエンド」


 桃色のくるくるとした髪の女の子とオレンジ色の髪の優しい笑顔の男の子が手を取り合って走り出す一枚の絵が望実の脳裏に急に浮かんだ。


『新作なんだけどさらっとでいいからまた感想書いてくれる? 若い子も大人の女性も楽しめる作品が今回のテーマなんだけど』

『うん、いいけど。どういう内容なの? 現代ものよりファンタジー系がいい』

『今回はファンタジーで出来ればシリーズ化したいの。主人公は二人。最初はこの転生者の聖女のルートのみ。二週目からライバルの悪役令嬢のルートも選べるようになるから。今は悪役令嬢が人気なんでしょう?』

『あー、そうみたい。小説とか漫画売ってるのよくみるしクラスの子もお気に入りの漫画貸してくれたよ。えーっ、なにこれ、ラスボスのステタース高すぎない? むりだって。乙女ゲーにRPG要素入れなくても…この人って継母なの? 違うか義母? あれ姑? まあいいや。このステータスを越えるように育成とか結構無茶なんじゃ』

『だから周回プレーが肝なのよ。それに全部のステータスを越える必要はないから。育成とRPGをほどよく入れ込んだやりこみがいのあるゲームにしたいの』


 そう。まだ一周ずつしかプレーできていない試作の乙女ゲーム。今日発売のあれの名前は、たしか…………。



「ママ、遅刻する」


 勢いよく望実は飛び起きる。見なれない天井が目に入る。トラックとぶつかって運ばれにしては病院っぽい雰囲気もなければ、薬の匂いもしなかった。人の気配もない。昨日のあれは夢ではなかったのだ。

 ここはどこなんだろう?

 本当にゲームの世界なんだろうか?

 どうやらあのまま泣きながら眠ってしまったらしく、まだ外は暗く静まり返っている。部屋の暖炉からパチパチと音がして温かくしておいてくれたんだと絨毯に足を下ろす。


「暖炉なんて始めて見た」


 もしこれが夢でないなら転生して記憶が甦ったんだろうか。望実は今の自分を見るために鏡を探す。見回したが鏡はなかったので窓ガラスに自分を映してみる。どこからどうみても、髪型も目の色も変わっていない。制服を着ていないだけでいつも通りの少女がそこには映っていた。


「まさかだけどポメロと私って瓜二つなの?」


 思い出してみようと数日前の記憶を辿るが、望実にはどうしてもポメロのスチルの記憶がない。きつそうな女性だなというイメージだけだ。一枚でもいいから肖像画とかないかなと住んでいるアパート三部屋分はありそうな部屋をゆっくり歩いてみる。

 ドアをいくつか開けてみるとひとつはトイレと洗面台。もうひとつはお風呂。最後のひとつは衣装部屋に続いていた。制服がきちんとかけられていて、良かったと望実は手にとる。高級感溢れる艶々としているドレスにも触ってみたいが手を引っ込めて衣装部屋を出る。ベットの側に制服をおいて眺める。

 どうしたら戻れるのか?

 そもそも戻れるんだろうか?

 ゲートといっていたがそこへいけば日本と繋がるんだろうか?


「入れ替わりみたいにポメロが私の家にいるのかな? それとも偶然ポメロが家出したところに私がいるんだろうか? もしくは私が彼女を乗っ取っ……あー、もう考えてもわかんない。もし本物のポメロが出てきたらそのときはその時ってことで上手く説明できるかな」


 問題は、もし代わりに生活しなければいけないとすると、王族としての生活が始まる。本でしか見たことがない華やかな世界。憧れはするけど突然、はい、王妃です。と言われて納得できるわけがない。貧乏なアパートぐらしの平凡な女子高校生に何ができると言うのだ。

 そもそもポメロはゲーム内では屈指の政治力を持つチートキャラである。社交性を備え貴族として完璧な悪役令嬢でも、努力家の天才少女と呼ばれる聖女でも、一筋縄ではいかない越えるべき最後の壁なのだ。

 そんなチート王妃にどうやってなればいいんだろう?

 容姿は普通、成績も好き嫌いが激しくて結局平均、身体を動かすのは好きだけど取り立て上手いスポーツもない。そんな自分にポメロの役は重すぎる。


「試作品だったから、出たら買うだろうって思って一周しかしてなかったんだよね。もっとやりこんでおけばよかった」


 望実は、はあと長いため息をつく。倒されるために頑張るのは何となく後ろ向きでらしくない気がする。


「とりあえず物語はどうやって始まったんだっけ」


 メインヒロインのペッシュは流行り病で熱にうなされながら前世を思い出す。これはとりあえずおいておく。

 必要な知識はその前のところだと望実は手を振る。ヒロイン達は今の時点でまだ生まれて間もないしさらっとチュートリアルでやっていた所。もう、なんで二回目から飛ばしてたんだろう。そこが重要なのに。

 チュートリアルで説明される十二の国の物語の始まり部分を必死で思い出そうと望実は目を閉じる。

 十二の女神と十三の国、その十二の国の中央に位置し人々が行き交うゲートを管理するリヤンという王国がゲームの舞台だ。リヤンは裕福ではないが貧しくもない十三の国の中では一番小さな国。けれどこの世界では特別な国だった……はず。なぜ特別だったのか肝心なところが思い出せない。

 覚えているのは戦争で前の王様が拾ってきた子供がポメロだったはず。彼女を守るためにポメロは次代の王と5歳で婚約する。10歳で王が亡くなり彼女は次代の王の王妃として城に上がる。そして15歳で結婚。20も年が上の王とは夫婦というより仲は良いが兄と年の離れた妹のような関係だった。王にはすでに若い時から寄り添う長年の恋人がいて、ポメロと結婚した時には既に息子もいた。物語によくある政略結婚だ。

 そしてその息子が攻略対象であるオランジュだ。メインヒーローらしく聖女とも悪役令嬢ともルートがある。

 ある年に流行り病で王族が次々と亡くなってしまう。そのためポメロは十六才でオランジュが王位につくまで国を治め、実権を握っていた。王にオランジュが付いてからもほとんど政治はポメロが行い……。


「いや無理でしょ! 社会科のテスト65点だった私に国政とか無理、無茶」


 ともかくポメロは国政を立派に行い、放置しつつも一流の教育を側にいる貴族達に任せ王になるようにオランジュを育てた。

 しかしオランジュの視点からみると国を牛耳る血の繋がらない王妃は厄介な目の上のたんこぶ。母が愛されながらも王妃になれなかったのは、前王の遺言のせいと側近から聞かされて育ったので恨みもある。それでも賢い王妃を尊敬もしており、愛情にもうえている。そのせいで複雑な感情を制御しきれず、時折一人で誰もいない庭に入り泣いたり、叫んだりしていた。

 個別ルートに入ると王子から出来すぎな義母のようにはなれない、王になりたくないと泣かれるシーンがある。オランジュは可愛いんだけど、もっとしっかりしろと叱咤したくなったシーンだ。聖女様は優しく寄り添い、悪役令嬢は強烈なビンタをして一緒に泣く。どちらもスチルのある重要なイベントだ。

 恐ろしいことを思い出してしまった。

 つまり、望実はこれからその出来すぎな義母にこれからならねばいけないのだ。この国の知識も王族としての知識もないまま。


「無理っ!!!」


 窓ガラスにこつんと頭を当てる。


「こういうのってアラサーの経理のお姉さんとか、二十歳以上で事務員さんが書類管理無双とか、料理得意で胃袋人身掌握とかじゃないの? なんで私なの? 私、まだ高校生なんだよ。しかもピカピカのなりたてでバイトすら始めてない無力な女の子じゃない! いや男子にはその握力女じゃねえとか言われたことあるけど腕相撲が強くて異世界で何の役に立つんだ。それなら格闘技が強い方が身を守れそうだけどもうそれ王妃じゃないよね?」


 一気に呟いて、止めると泣きそうになってくる。

 それをぐっとこらえ望実は頬を両手で叩く。とりあえず息子になる王子と、真っ先に会わなければいけないだろう。子育ての子の字もわかっていない小娘がと言われるかもしれないが、国政よりは子育ての方がほんの少しハードルが下がる気がする。教育は周囲が選んだ教師にお任せできそうだし。

 下に住んでいたシングルマザーのお母さんとお隣のおばあちゃんに言われたことを思い出しながら立派な王子を王に育て、取り巻きと王子に国政を押し付ける。

 ヒロインはどっちを選んでもポメロと戦うことになるからその前に降参するか逃亡できるかも考えよう。他国にいくためのゲートを守るのが一番大事な王族の勤め、つまりオランジュが育つまでは王妃の仕事でもある。

 根が楽天的なせいかずっとは落ち込めない性格の望実は拳を天井に突き上げる。

 なんとかなる。いやせねばと気合いをいれた。


「でもさ、何が悲しくて花の乙女時代を国と子育てに費やさないといけないんだろ。自分の子でもないのにポメロってば結構偉いなあ。そこだけ見るといい人だよね」


 関わらないようにしながらも王になるように王子を見守っていたし、危険な目にあわせたわけでもない。聖女であるペッシュが勉学をできるようにとりはかるのも、暴走しがちな悪役令嬢を勇めるのもポメロだった。結構ちらちら出てくるなとは思ったけどそう考えると重要なポジションだとも言える。

 ポメロの恋愛等については脇役なので語られていなかったが、彼女にとって王様は初恋の人だったのかもしれない。

ゲームではポメロに勝利すると結婚式になり二人は幸せに暮らしました。で、終わりなので、その後ポメロがどうなったかはわからない。

 ただ刑罰を受けるようなことはしていないと思う。ヒロインいじめに見える場面も王妃としての特訓で厳しくしていただけと言えなくもない。暴力はしていないし、陰謀もたくらんでいない。なのでヒロインに負けたしても、よくある国外追放か、軟禁状態で田舎で隠居ですむと思う。

 その前に逃げ出すのも考えておかないといけないだろうけど。

 異世界に興味はある。多いにある。ファンタジーの世界は親子で大好きだったのだ。せっかくなので魔法とか魔物とかと戦かったり、あちらこちら冒険もしてみたい。もちろん帰る方法も考える。


「やるっきゃないならやるしかない」


 悩むぐらいならやった方がいいのよとは下の階のスナックのママ、明美さん談だ。


「すいません」


 気合いを入れて開けたドアの横には兵士が立っていて驚いたようにこちらを見て何か呟いた。

 思わず望実は扉を閉めて一歩下がった。



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