第16話 魔界一武道会決勝
いよいよ決着です。
さて、ここまで唯一戦っていないのが地の四天王グランドだ。
彼は戦いをあまり好まないが、欲しいものはあったのでシードにしてもらっていたのだ。ちなみにコムギは身籠っていたので次があれば参加する事になった。
さて、誰が彼と戦うのかだが、もちろんスミレだろう。
グランドとスミレが戦うのは本当にスミレが幼かった時以来なので7年ぐらいは戦っていない。
つまり、最初から分が悪かったのだ。ただ四天王だけあって、強さで頑張ってスミレに食らいついていった。
スミレも応戦する。結果スミレが水魔法を使ってグランドを動けないようにして、火魔法で乾かして崩れさせた。もちろん蘇生魔法で蘇らせた。
「本当に強いですね。」
スミレがグランドの能力を称えた。
「姫さまも強いですよ。私はもう勝てる未来が見えません」
グランドもスミレの能力を認めた。
さて、準決勝も終わり、いよいよ最強の3人の戦いが始まる。
まずはベンジャミンvsアルベルトだ。互いに勇者であるので、実力は拮抗している。ただ魔法の才能ではアルベルトが上回っている。だからアルベルトは地属性の魔法で視界を奪い、剣で攻撃するという方法に出た。しかし、気配でベンジャミンは剣を受け流した。
だがアルベルトの連撃を気配だけで受け切れるわけもなく、アルベルトが勝利を収めた。さて、最後の戦いはスミレとアルベルトである。
スミレはいままで全力を出すほどでもなく勝っていたが、アルベルトには本気でかかるつもりだった。最初に動いたのはアルベルト。地属性魔法で視界を奪おうと魔法を放った。しかし、水魔法であっさりと解除され、スミレのブレイズボールを受けた。ブレイズボール自体は解除できたが、麻痺効果を付与されていたので、アルベルトは麻痺した。速度では勝てないと判断したアルベルトは光属性と火属性を合わせたシャイニングブレイズを放った。しかし、スミレは
闇属性と水属性を合わせたダークネスアクアで簡単に無効化した。次はスミレが闇属性と光属性を合わせた、ダークネスライトセイバーを使った。これは闇と光の2属性の魔法の剣で相手を斬りつける技だ。さすがにこれを食らっては勇者でさえかなわない。
こうして、1位スミレ、2位にアルベルト、3位ベンジャミンとなった。そして、1位と2位のスミレとアルベルトは魔王から褒美を貰うことになった。
スミレは魔王から魔王の衣を、アルベルトは魔剣を貰った。2人でもよかったのだが、切り悪くね?というアルベルトの意見でベンジャミンも剣をもらった。
この魔界一武道会は翌年から毎年開かれる事になる。そして、後の世では世界三大武道会の一つに数えられる。