第15話 魔界一武道会
四天王vs勇者。果たして勝つのはどちらだろうか。
茶会もとい宴会から一週間の間それぞれが鍛錬を重ねていた。
そして、今日こそその日。そう、魔界一武道会の始まりである。
もちろん一般の人々も見られるようにしてある。優勝予想はスミレ、ベンジャミン、アルベルトという3人に集中していたが、一番勝って欲しいと言われているのは側近である。
さて、一回戦が始まろうとしている。第一回戦はアルベルトと一般の魔族だ。危なげなくアルベルトが勝ち、ベンジャミンも一回戦は簡単に勝ち、スミレも余裕で勝っていた。
さて、二回戦からは四天王も出てくるので、なかなかに強いものが揃っている。初戦はアルベルトvsブレイズ。勇者と四天王の戦いだ。
さすがに実力が拮抗しており、なかなか勝負がつかない。ブレイズが炎の剣で攻撃すると水魔法と己の剣技でアルベルトが受け流し、逆に水の剣をブレイズが受け流したりしていた。しかし、アルベルトが泥人形を作り、それに水の剣を持たせることにより趨勢は決した。ブレイズは多人数を倒すこともできるが、勇者の実力2人分を受け流すのは辛かったのだ。結果アルベルトの勝利で終わった。
その戦いが終わると次はベンジャミンvsアクアだ。これもどちらが勝つのかわからない戦いだ。まずアクアが麻痺を付与する水の玉を出してきた。ベンジャミンはそれが危険だと知らず、切ってしまった。結果麻痺してしまったベンジャミンであったが、流石は勇者である。麻痺をものともしない速さでアクアに斬りかかり、あっさりアクアを破った。
本日最後はスミレvsライトだ。最初は1日で終わる予定だったのだが、強さが拮抗していたので長引いたのだ。さて、ライトvsスミレの戦いを実況しよう。まず先に動いたのはスミレだった。
スミレはライトのシャイニングピラーは強いのでそれをさせないために魔封じの呪文をかけたのだ。それを見ていたライトは自慢のメイスで殴りかかった。
しかしそれはスミレも同じでライトのメイスを受け流し、闇属性を付与しながら殴りかかった。流石に倒せはしなかったがライトが負けを認めスミレも勝利した。
観客は沸き立っている。16歳の人間の子供が四天王と張り合い、勝利を収めているのだ。興奮しないわけがないであろう。
その後ライトはスミレに駆け寄り、スミレが強くなった事を素直に喜んだ。