第14話 魔王城の茶会
スミレは馬車の中で手紙を書いた。
今日は魔王城の一つ手前の街であるブラックローズタウンにいること。仲良くなった友達アルベルトとベンジャミンの話、茶会をすることなどをしたためた。
そして次の日に魔王城に着くことも書いておいた。
翌日スミレは朝早くに起きてアルベルト達と軽く手合わせをしてみた。結果はやはりスミレ優勝。ただ2人とも剣が凄く上手いことがわかった。
数分後朝ご飯を食べ、馬車で魔王城へ向かう。
さて、魔王城に着くとスミレは、アルベルト達と別れ、四天王に挨拶に行った。アルベルト達は魔王に会うためとりあえず大広間に行こうとしていた。
「ただいま。みんなのおかげで特進クラスの中でも強いほうだったよー。勇者サトシも殴り勝った」
スミレが嬉しそうに言った。
「やるな。また、稽古をつけてやろう。ま、こっちがつけられる側かもな。で、茶会をするそうじゃ無いか。俺たちも参加していいのか?」
ブレイズが豪快な声で言った。
「はい。アクア姉さんにブレイズニキ、グランドさんとライトさんもどうぞ」
スミレが喜んで言った。
「本当に私達までよろしいのですか」
ライトが聞いた。
「はい。是非」
スミレが言った。凄く嬉しそうだ。
「では、私も参ります」
姉的ポジションのアクアが言った。翌日、茶会が開かれた。魔王領の一般人も呼ばれ、魔物も人間も関係なく楽しんでいる。
外には梅が咲き乱れ、赤の絨毯、青い空、そして皆の笑顔も咲き乱れている。
火の四天王であるブレイズや水の四天王アクアは早々に酒で酔っている。そんな茶会もとい、宴会が盛り上がってきた頃、誰からともなく魔王領で一番強いのは誰かという疑問を魔王にぶつけ始めた。
「それはやはり、わしじゃろう。でも、試してみるのも良いな。よし、魔界一武道会を開こう。勇者アルベルトに勇者ベンジャミンも参加せよ。ライトよ、準備を頼む」
魔王が提案する。
「はっ。承知いたしました。日程や場所、賞品はどういたしますか?」
ライトが段取りを進める。
「そうだな。では一週間後に魔王城の広間で、一対一のトーナメントにするか。賞品は上位2組に好きなものを取らせる。」
魔王がそう言った。のちに御触れが出された。それを聞いて民衆も四天王も勇者でさえもワクワクしていた。さて、勝者は誰だ。