世界と神様
夕食を食べ、暫くテレビを見てから二階の自分の部屋へ戻った
机の上には、黒くなった消しゴムのカスとシャープペンがあった
引き出しを開けて、中にしまっておいた愛用のナイフを取り出す
そして暖かい洋服に包まれた腕を空気に出した
ヒンヤリとした鉄の温度が伝わる
ゾクゾクと、腹の奥が少し煮立つ
何個もある意気地無しの証拠が、鼓膜に焼き付く
グッとナイフを持っ手に力を籠めて、静かに動かす
最初はブチっという皮の切れる音がした
その後に、肉が裂ける感覚と、小さな音がする
痛いのと、気持ち悪いのと、悲しいのと、色々あって我慢できなくなったら、ナイフを離す
そして作った傷を見る
大体2センチの深さ、血は結構出そう
フム、また深くなった
暫く出てくるその血で遊んでから、僕はまた傷を服の下に隠して、ベットに寝転がった
自然と、頭が世界のコトに結びつく
NO.0=危険区域で戦国時代の様な場所
NO.1=現代、中間
NO.2=未来
神様が決めた秩序
三つの世界があるこの世界
生まれた場所が帰る場所
神隠しでは何処の世界にもいける
それぞれは近いだけで別々
僕が生まれはこの世界は、世界評価の基準の世界
最も危険と安全の混ざり合った世界で、NO.1、別名では中間や現代とも言われる
この世界は常に動いていた
現代の通った道を辿る0と、未来に通った道を辿る1と、何処かへ進む2
どうせなら僕も、未来の世界に生まれたかった
神隠しがなくて、世界の内の他の二つの存在を無視した世界
発達しすぎた人類の世界
新しい場所を開けて
どうなるか分からない危険な世界
そういえば、最近3の空間破壊は尋常じゃない
上に行ったから、今度は下に落ちるのかな?
「本当に、ゲームみたいな世界」
ボソッと呟いた自分の声が、誰かの耳に拾われているようだった
神様?
ねぇ神様、この世界ってゲームなの?
あなたの作ったゲームなの?
僕は、どんな役なの?
ねぇ、神様
全身に文字化けが出る
もう何回も経験したこの感覚
足下が消えて、自分の存在も消える
温度も空気も何もない世界に行く
ねぇ神様、今度は何処につれてってくれるの?
腕を伝う血の感触が、もう無くなっていて
ポタリと指の先をぬらして落ちた赤い滴が、僕の部屋に残された