表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された怪力ぽちゃ令嬢は、それでも婚活を諦めない  作者: からふるろく
二章 怪力ぽちゃ令嬢、さっそく【暗黒騎士】に狙われる
11/16

11話 二人で一つだったから、地元でもどこでも負け知らずです

 アンにとって、婚活とは、


 婚約破棄された瞬間に、より自分より強い者を探すこと、という意味になった。


「……ふうっ、女二人だからって舐めたら痛い目に合いますよ」

「ああ、またわたくし、力が……」


 ガラの悪そうな男たちが、倒れて積み重なって山のようになっているのを、二人で眺める。


「おとなしく、村の人たちに盗んだものを返しなさい。外道盗賊め」

「わたくし、これ以上あなた方を傷つけたくないんです!」


 盗賊の頭らしき男の両手をアンは握った。

 バキバキバキバキ! とすごい音がした。


「ぎゃああああああああ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、返しますから、命だけは」

「わかってくれたならいいのです」


 ふっくらとした頬に笑みを浮かべる。

 男は、泣きながらコクコクとすごい勢いで頷いた。



 旅に出て二日目。


 2人がいわゆる、悪いやつらをぶちのめしたのはこれで五回目である。



☆ ☆ ☆



 たびに出でまだ数日も立っていないのだが、アンとモモ、女ふたりの旅であるからかーー当然のように、いわゆる悪い奴らに絡まれることが多々あった。


 たとえば盗賊の輩にしてもこれでアンたちに絡んでくるのはもう四回目で、そのたびに


①絡まれる

②オーバーキルする

③ついでに組織ごと壊滅させる


というループを続けていたので、知らない間に街の人や村人からすごい感謝と待遇を受ける始末。


壊滅させた盗賊団が悪事を働いていたという被害者村で、アンとモモはお世話になっていた。


「本当になんとお礼申し上げていいのやら……女神様やぁ、」

「大切なわたしたちの食べ物や金類を取り返してくれてありがとうございます……」

「息子にまた会えた……………アン様とモモ様のおかげで、」


 もはや聖母に拝むかって勢いの村人たちに、アンはたじたじする。


「いえ、わたくしたちは目の前にはびこる悪を掃除しただけですわ……! でも、みなさまが救われたなら良かった」

「お嬢さま、パワーが炸裂してましたもんね、大の男何十人にも向かって」

「お腹からガトリングぶっぱなしてたモモに言われたくないわ」


 嘆息すると、毒舌なメイドはフフと微笑んだ。


「よかったら今日は泊まっていってください、ごちそうを用意しますので」


 村長の言葉にアンの目がきらりと光る。


「ごちそう! ごちそうですって! モモ!」

「お嬢さま、デブキャラが板につきすぎです」

「いいじゃないの、いただきましょうっ!」


 るんるんで村人たちと談笑し始めたアンに、モモは「……まあ、いいか」と聞こえないようにつぶやいた。



(なんだかんだ……貴族界で猫かぶってた頃より楽しそうな気がする……お嬢さま)



 それが、たとえ目的地であるユズハの最強ギルドにて『最近、でぶ怪力のお嬢さまとイカれたメイドロボの二人組がヤバイ』という噂で持ちきりであってもだ。


 二人がたどり着くまで、あと数日。

 

すみません少し投稿遅れました

( ;ᵕ; )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ