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5-1 姫と護衛

フィアが帰ってきたのは、その日の明け方近く。

通りを窓から見張っていると、フィアの宿の前で馬車が止まるのが見えた。

ヴァロはそれを確認すると急いでその馬車に向かった。

セージと呼ばれる魔女はフィアを下すと一礼し、その場を去った。

フィアはヴァロを見ると安心したのか、倒れこむように寝てしまう。

どうやら一晩中結界の装置をチェックしていたようだ。

結界の装置は、このミイドリイクを囲うように設置されているという。

つまり彼女は一晩で、この遺跡都市ミイドリイクを一回りしてきたことになるのだ。

しかもフィアは昨日から歩き詰めのはずだ。

この小さな体のどこにそんな力があるのだろう。

ヴァロはフィアを背負って、彼女の部屋へとむかった、

フィアの部屋はヴァロたちの部屋よりも数ランク上の部屋になっている。

この建物の最上階に位置し、その階にもその部屋しか存在していない。

部屋は豪華な装飾を凝らした家具であふれかえっていたし、一人を迎えるにしては異様なまでに広かった。

安宿、時には野宿も当たり前のヴァロには、ある種の眩暈すら覚える。

まるで国賓を迎えるような待遇。

立場を考えれば、当然と言えば当然だろう。

仮にヴァロがこんな部屋をあてがわれても、ソファーで過ごす羽目になるだろうとぼんやりと考える。

ヴァロはフィアが起きるまで、彼女の寝室の外の絨毯の上で座り込むように待機していた。

もともとは彼女の護衛である。

彼女を守るのがその義務であり、それ以上の価値は無い。

ドーラのように好き勝手動くことなど考えられるわけもなかった。


昼を過ぎたころに部屋の中で物音が聞こえてくる、

どうやら目覚めたようだ。

しばらくして寝室のドアが開く。

「フィア」

「ヴァロ、今どれぐらい?」

目をこすりながら寝間着姿のフィアが部屋から顔を出す。

「半日ぐらいだよ。今は昼過ぎだ」

「そっか。ずいぶん寝ちゃったなぁ」

フィアはヴァロの背中に抱き着いてきた。

フゲンガルデンではよくある日常の光景。

ヴァロは少し懐かしく思い、フィアにされるがままになる。

「それで結界の綻びの原因は見つかったのか?」

「…みつからない。結界はこれ以上ないぐらいに完全に、完璧に機能してた。

どうして結界が機能しない今の状況になってるのかわからない」

顔を背中に埋めながらつぶやく。フィアには珍しくお手上げのようだ。

どこか投げやり気味になっている。

あの手紙に書いてあった刻限は明日の朝。

明日の朝までに結界を再び機能させなくてはならない。

「魔軍の奴らが何らかの手段をつかっているとか?」

「結界を物理的手段以外で無効化する方法はいくつかあるけど、それはしてこないと思う。

あまりにもリスキーな方法だし、使ったら向こうにも危害がおよぶ。

もし連中が何らかの結界を無効化する私たちの知らない技術をもっているのなら、

その時点でお手上げなのだけれど」

フィアはヴァロの背中でつぶやく。

「今日はどうする?」

「ミイドリイク中を歩き回って、結界の綻びを直で見てみるつもり」

「綻びを捉えることができるのか?」

「うん。綻びを特定する魔道具がある。昨日のうちに貸してもらうように

一緒にいたセージさんに話してある」

セージというのは昨日フィアを案内したエルナの弟子である。

フィアの手際の良さにヴァロは思わず唸る。

「その綻びは何か所あるんだ?」

「綻びは一か所らしい。しかも移動しているって。今までにそんな事例聞いたことがない」

「ドーラに聞いてみるか?」

あの男ならば、すぐに答えを出してしまう、そんな気がする。

ただし、ドーラは今朝から再び観光にお出かけ中だ。本当に自由な奴である。

「…最悪は。ただ、この件は私が任されていること。彼の力をあてにはしたくない。

というかあてにしちゃいけないと思うの」

フィアはフィアなりにちゃんと考えているらしい。

「そうか」

ヴァロは少女の成長を喜ぶ半面、少し寂しくも感じた。

「それじゃ、何か食うか?」

「そこの水とパンの切れ端もらえる?」

フィアの指さした先には食べかけのパンと水筒があった。

フィアがいつ起きてくるかわからないため、腹の足しにと、

余った常備食から引っ張りだしてきたものだ。

「…これは俺の食いかけだぞ。食堂ならこの宿を出たすぐわきに…」

「別にいい」

ヴァロがパンを手渡すと、フィアはヴァロの背中越しに食べ始めた。

普段なら行儀を注意するところだが、ヴァロは今回だけは大目にみることにした。

「…それで、いつまで俺はこうしていればいい?」

「もうちょっと。やる気の補充してるから」

ヴァロはもうしばらく、フィアのされるがままにされることになった。

個人的な話ですが。

先日漫画でブルージャイアントという作品を読みました。

主人公のひたむきさにびっくりした。

夢というものをただ真っ直ぐ、ひたすらにあきらめない姿勢に感動しました。

一握りの人間しか行くことを許されない、一歩間違えれば狂気にすら届く世界。

それがプロってもんなんでしょう。

そう言う意味では自分はアマなんでしょうね(笑)

ただ小説を書くことは好きであり続けたいな。

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