物語の始まり。つまりプロローグ
初めての投稿です…。前書きってこれでいいのか…?地道にやっていくつもりです。
「こんのおおおぉ!!待ちやがれくそ王女ぉー!!」
朝。まだ太陽が上りはじめたばかりの肌寒い時間帯。そんな時刻にアルティア大陸きっての大帝国、ヴィスラー帝国に点在するシーキンツ城の廊下を二人の少女が駆け抜けていた。声の持ち主の名前はレント。一見男子に見える、空色の髪を後ろで結った、白いフードのついたマントを羽織った少女である。そんな彼女の前を全力で走り抜けるのは
「嫌よ!どうせまた、茶道やらダンスやらしなきゃいけないんでしょ!?てか、今くそ王女って言ったわね!?」
長い金髪を両サイドで結ったレントに『くそ王女』と呼ばれたもう一人の少女。名前をセシル・ヴィリンゲラー。れっきとしたヴィスラー帝国の王女様である。
「嫌って言ったって、戦がないときくらい王女としての仕事もこなしてもらわないと!めんどくさいのはわかるけれど!」
「あんたどっちの味方なのよ!」
レントの曖昧な発言に思わず返答しながらもセシルは走り続ける。
最悪だ。なんでよりによって今日は平和なのかしら…!!
「とりあえず捕まれ!王女!」
「断じて断らせて頂くわ!!」
戦乱が続くこの時代。今日もヴィスラー帝国では元気な声が響いている。