プロローグ
神高翔は、たぐいまれな才能を持つ大学生です。
目付きが少々鋭いですが整った顔をしていて、幼少より野球をしていたのでなかなか筋肉質で引き締まった身体をしています。
口数は多い方ではないですが聞き上手なので男女共に人気があるようです。
現在フリーで、恋人募集中であるようですが、鈍感であるために周りの好意に気付いていないです。
趣味は神話や歴史書の文献を読む事と、RPGゲーム。
弱きを助け、悪を許さない正義感に溢れた好青年です。
総評。 Sランク
100年に一度といえる勇者の適合者だと思います。
魔法適性も最高水準であり、歴代最強の勇者になれると私は判断しました。
つきましては、私、【大天使ミカエル】の名において、彼、【カミタカ ショウ】の異世界への転移と勇者の証の発行の許可をお願いいたします。
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「以上が勇者ショウについてのミカエル様からの推薦文の内容になります。ガブリエル様。」
ここは天界にある行政機関の一室。【大天使ガブリエル】の執務室であり、部屋の主であるガブリエルは、秘書である【天使サナキエル】からの報告を苦い顔で聴いていた。
彼女の視線は、壁の大型スクリーンに注がれており、その美しい顔が歪むほどの怒気を放っている。
「なぜ、このような偽りの推薦状が発行されるのだ!」
ドン!と机を強く叩いたガブリエルは、サナキエルへ説明するよう視線を向けた。
「おそらく何らかの手段を用いてミカエル様に推薦状を書かせたのでしょう。あれは、ミカエル様直筆の書類であるという鑑定結果がでていますので。」
サナキエルの報告を聞きながら改めてスクリーンに視線を向ける。
スクリーンにはセレズィニア大陸、ボロストレ王国の玉座の間の様子が写されている。
きらびやかな装飾品で室内は豪華に彩られており、壮年の王と王妃の肖像画が飾られている。
部屋を横断するように赤い高級そうな絨毯がひかれており、扉の前では兵士達が険しい顔で槍を構えている。
王妃は床に投げ出された格好のまま首筋にナイフを突き付けられ、玉座に座っている顔面蒼白な王には銃口が向けられている。
ナイフを握っているのは、真紅の髪をポニーテールに纏めた活発なふいんきを持つ12才くらいの見覚えのない少女であり、銃口を王に向けているのは、整った顔に少々鋭い目、引き締まった身体をもつ、大天使ミカエルからの推薦のあった勇者。神高翔である。