表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

お姉さんの思惑?


案内図を片手に店内探索。

お姉さんは外してもらった。元々店員がついて回る店は苦手だ。何か買わないといけない感じになるから。


「2000魄…多いほう、か」


それでも値段表示を見る限り結構吟味する必要がありそうだ。

もうちょっと良い事しとくんだったな……なんて、後の祭り。

来世の私のためにも厳選しなくては。

転生して記憶なんてあるわけがないから、私は消える。だから最後に一仕事って感じで。

せめて次の私が私のようでありますように。

普通を愛する性格だったりしたら謝罪しかなくなるからだ。

少なくとも、私は異常に憧れいたので。


「にしても、疲れた!広すぎ!」


さっきからほとんど歩きっぱなし。現在地点は体質エリア。

『液状化体質』 『犬猫体質』 『異常な影の薄さ』 『色彩の感情連動』

……すごいとしか言いようのないラインナップ。他のエリアもすごいけどね!


「所々ベンチが点在設置……広いって自覚あるんだ」

「はいそれは勿論!」

「……取り合えず、何時からいたのか教えてください」


なんだろうね。私って順応力高いのかな?

とんでもなく驚いたのに言っても無駄だって思って反応できなかったよ。

期待してたらごめんなさいお姉さん。でもきっとお姉さんには一生敵わない気がするんだ。


「自覚あるんだとお客様がおっしゃられる一つ前の台詞からいました」

「結構前じゃないですか。それで、何用ですか」

「順応力が高すぎてつまりませんね」

「諦めただけです。あと反応が鈍いだけ」

「際ですか。とりあえず、わざわざ追いかけた理由は伝えることがあるからです」


伝えること?さっき言わなかったのは、わざとじゃないですよね?

なんだかさっき思い出してたけど面倒だったとかありえそうなんですけど……でもだったら追いかけたりしないか。


「伝えるかどうか迷ってしまってちょっと遅れたんですけど、教えた方が面白いかと思いまして」

「畜生!大当たりだよ私!」

「女性が畜生なんでいっちゃいけませんよ?」

「原因は貴女です!」

「それで伝え忘れたことなんですがよろしいですか?」

「……はいよろしいです」


転生前に一回殴ってからいこうかな?

なんなのこの人。天然は最強なの?そもそも天然じゃなくて確信犯だろうけどさ!


「転生する際に魄の残量に応じて、サービスでオプションがつくんですよ」

「サービスオプション?ボーナスみたいな感じですか?」

「まあサービスという制度上は一緒ですね」


サービス、ね。集めたポイントに応じて割引しますって感じ?

それって結構重要なのになんで言い忘れてたんだろう……思い出してくれたのでいいんだけど。


「具体的にお話しますと1500で『頭脳強化・記憶保持』。2000で『デパート出入り自由権』となっております」

「ふーん。割引じゃなくてプレゼントって感じなんだ……ん?今、2000の方何て言いました?」

「『デパート出入り自由権』ですか?」


お姉さんが一層笑みを深めて繰り返す。

『デパート出入り自由権』

デパートとは当然ここ。転生デパートのことだろう。

そして転生後のオプションとしてそれがあるということは、そういうことだ。


「転生してもここに来れるって事ですか?」

「転生する時に2000魄以上お持ちなら可能です。例え一度それを手にしても転生後2000魄切ってしまえば剥奪されますが」

「魄って持ち越せるの?」

「持ち越せますよ?死んだ時点で1000魄以上残っていて、買い物後も500魄以上残っている魂は」


それってかなり重要な情報だと思うんですけど?

本当、思い出してくれてよかった……私って運いいのかもしれない。

いやでも通り魔にあって死んだ時点で良くはないな。言ってて悲しくなってくるけど。


「アレ?でも2000魄特典って、ことは……」

「はい。何か一つでも購入してしまえば特典は失われます」


嗚呼、つまりこういうことか。

2000魄を今この場で使いきれば来世の私は少なくとも天才と呼ばれるくらいはたやすい。

しかし逆になにも購入せずに来世で魄を稼いでそれ以上になりこともできると。そういうことですか。

言った方が面白そうっていうのは、そういうことですね?お姉さん。

確信犯。きっとこの先もこのお姉さん程敵に回してはいけない人には会わない気がする。

少なくとも、このデパートに関しては最強なのではないだろうか。

従業員と客。現世では後者の方が立場が上に思えるが、ここでは明らかにわたしが下手に出るべきじゃないか。

まったく、とんだ腹黒だ。……でもまだ天然じゃないと断言も出来ないのが怖い。私ですら疑いきれない言動だからね、この人。


「さて―――どういたしますか?お客様」


此方の反応を窺うお姉さん。きっと答えなんて既に出ているのに。

予測した上で懇切丁寧に、対して聡くもない私が確実に気付くように説明したんでしょう?

しかしそれに感謝して、思考を切り上げ俯いていた顔を上げる。

答えなんて決まっていた。


「このまま転生させてもらいます」


記憶をなくした来世なんて既に私じゃない。

私を保ったまま可能だというのなら、それを求めなくてはどうする。

だから私はお姉さんの予測を裏切ることもないのだろう答えを口にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ