詩 彼とアイス
掲載日:2026/05/12
「アイス、美味しいね」
暑い日だったので、2人でアイスを食べながら歩く。
私はチョコレート味で、彼はソーダ味だった。
「ちょっと、ちょうだい」
「え」
彼が私の持つアイスを齧ってきた。
「確かに美味しい」
感想を言うのはいいのだが、私の顔が真っ赤になっていく。
足をぴたりと止めると、
「…どうした?」
彼が顔をのぞきこんでくる。
見ないで、もう!!
更に真っ赤になりながら、彼に小声で言う。
「間接キス…」
「あ」
彼もようやく気がついたらしく、首まで真っ赤に染める。
2人でもじもじしていると、アイスが溶けて手を濡らしていく。
彼が急いで指を舐めると、ますますドキドキしてくる。
「もう色っぽいんだから」
「は?」
彼は意味が分からないようなので、自分も真似して教えてあげる。
チェリーのような舌で、指をくるりと舐める。
その仕草に、彼が動きを止める。
ようやく意味が通じたらしい。
「一口、ちょうだい」
そう言うと、アイスが差し出されたので、小さく齧りつく。
全く、2人で何をしているんだか。
アイス越しのキスは、甘くて優しくて、色っぽくて、少しだけ苦い。
でも、これキスのうちに入るよね?




