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最終決戦②—勇者の刃

※軽度の戦闘・流血描写あり(R15想定の範囲)。


影に覆われた広場。

紅い瞳のラインハルトが、異形めいた腕を振り下ろすたび、大地が軋み、黒い裂け目から瘴気が吹き出した。

「止めろッ!」

ジークが吠え、全身で衝撃を受け止める。鋼のような剣筋が、影の拳とぶつかり合った。

「防御結界、展開!」

カイルの詠唱が走り、淡い光の壁が仲間を包み込む。ひびが刻まれても、彼は歯を食いしばって維持する。

「光よ――爆ぜろ!」

ミナが錬金の魔法陣を叩き込み、閃光が広場を覆った。影の化け物たちが怯み、わずかな隙が生まれる。

「援護します!」

リュシアが両手を胸に重ね、必死に呼びかける。祈りの光が仲間の傷を癒し、心を奮い立たせる。

「アルト!」

仲間の声が重なった。

アルトは剣を握りしめ、一歩前に出る。

「俺が……勇者として、終わらせる!」

その瞬間。

横を駆け抜けた小柄な影――アマネの刀が、疾風のように閃いた。

彼女の刃は核の輝きにわずかな亀裂を刻む。

「今だ、アルト!」

カイルの叫びが響く。

アルトが渾身の突きを放つ。

仲間たちの力を背負った剣が、アマネの一閃に続くように核へ突き込まれた。

「ぐああああああああああッ!」

ラインハルトの絶叫が広場を震わせる。

紅い瞳が砕け散り、影の魔物たちが霧となって消え去った。

轟音とともに結界が崩れ落ち、静寂の中に朝の光が差し込む。

「やった……! 本当に倒したんだ!」

ミナが涙ぐみ、ジークが大剣を肩に担ぎながら笑った。

「さすがだな、アルト!」

リュシアは両手を胸に当て、祈るように囁く。

「勇者の御業……学院を救いました」

カイルも眼鏡の奥で頷き、淡々と告げる。

「……今の一撃、間違いなく“勇者の刃”だった」

仲間たちの視線がアルトに集まる。

彼は深く息を吐き、剣を下ろした。

その姿に歓声が広がり、学院を救った勇者としての名が、確かなものとなった。

そして、崩れ落ちた瓦礫の影に、小さな刀の痕が残されていることを――

この場で誰一人、まだ気づいてはいなかった。


お読みいただきありがとうございます。

いけるところまで連続投稿! 準備でき次第どんどん載せます(更新は不定期ですが毎日目標)。

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