武器のお披露目
鍛冶場を後にした一行は、庭へと集まっていた。夜明けの光が差し込み、露に濡れた芝生がきらめく。ここに集まったのは仲間全員と、ブリューナ、ファエリアの両師匠。誰もが緊張と期待の入り混じった視線をミナへと向けていた。
ミナは深呼吸をひとつ。両手に抱いた《魔導銃アルキメイア》を高く掲げる。淡い青光が銃口から脈動し、仲間の顔を照らした。
「いきます……!」
木製の人形が庭の端に立てられる。ミナは狙いを定め、引き金を引いた。青白い閃光が走り、人形は一瞬にして粉砕された。まるで雷に打たれたかのような衝撃が残り、芝の上に焦げ跡が散った。
「おおっ!」ジークが豪快に声を上げる。「すげえ威力だな!」
ミナは次に小瓶を取り出し、中の液体に銃口を向けて撃ち込む。弾丸が触れた瞬間、瓶の中に淡い光の膜が広がり、液体が澄んだ輝きに変わっていった。リュシアが目を見開き、思わず声を漏らす。「……回復の術式まで弾丸に?」
「便利でしょ?」ミナが照れ笑いを浮かべる。「まだまだ試作だけど、応急なら任せて」
最後に、銃口を空へと向け、特殊な魔力を込める。弾丸が放たれると、空中で光の粒が弾け、淡い膜のようなものが仲間の周囲を覆った。アルトが驚きに声を上げる。「これは……防御結界……!」
仲間たちの視線が一斉にミナへと注がれる。アマネが一歩近づき、優しく微笑んだ。「ミナだからこそ、この銃が完成して、ここにあるんだよ」
ブリューナが腕を組み、深く頷いた。「立派な出来だ。これでお前も堂々と一人前だ」
ファエリアも微笑む。「今日からは技師として、そして戦士として胸を張りなさい」
ミナの目に涙が滲む。銃を胸に抱き、震える声で言った。「……これからは、この銃と一緒に、皆と並んで戦います!」
その宣言に、仲間たちから大きな拍手と笑い声が湧き起こる。青空の下、祝福に包まれながら、武器作りの日々はひとつの区切りを迎えた。
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