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六人の連携

黒き巨体が咆哮を放ち、瘴気が波のように押し寄せた。

封印地の空は赤黒く染まり、地は震え続ける。

「結界じゃ抑えきれない……!」リュシアが杖を握り締め、必死に陣を維持する。

「だったら俺が前に出る!」ジークが吼え、剣を大上段に振り下ろす。

火花が散り、甲殻がひび割れる。

「今だ、隙ができた!」アルトが即座に追撃し、剣を突き立てた。

二人の連撃で怪物の片腕が一瞬止まる。

「まだ動きが速い……! ミナ!」

アマネの声に応え、ミナは腰の装置を起動させる。

「行くよ、《磁束網射出》!」

金属のワイヤーが弾丸のように放たれ、怪物の脚部を絡め取る。

「よし……! カイル、援護を!」

「任せろ!」

カイルの祈りがワイヤーを光で強化し、瘴気に焼き切られず保持する。

巨体が膝を落とし、重々しい衝撃音が大地を揺らした。

「アマネ!」リュシアが叫ぶ。

「今なら行ける!」

「うん!」アマネは 《星映刀》 を握り、全身に魔力を巡らせた。

「――《星閃一刀》!」

光を纏った斬撃が放たれ、怪物の甲殻を大きく切り裂く。

黒い血と瘴気が飛び散り、怪物が耳を裂くような絶叫をあげる。

「効いてる!」ジークが吼える。

「このまま押すぞ!」

怪物は反撃の腕を振り上げたが、リュシアが即座に大陣を展開する。

「《光律聖陣》!」

仲間を覆う光の紋様が発動し、瘴気の刃を防ぎながら同時に傷を癒す。

「ありがとよ、リュシア!」ジークが笑い、再び剣を握り直す。

「まだ終わっちゃいない!」

アルトも隣に立ち、冷静に声を飛ばす。

「全員の力を噛み合わせろ! 奴は止められる!」

「……そうだ」カイルの瞳が光を帯びる。

「勇者と聖女だけじゃない。俺たち全員の力で!」

その言葉に、六人の息が自然と重なる。

アマネとリュシアを中心に、ジークとアルトが前衛を支え、ミナが道具で隙を作り、カイルが祈りで全員を繋ぐ。

六人の連携が、初めて完璧な形を見せ始めていた。

怪物の咆哮が空を揺らす。

だが六人は怯まず、光をまとって立ち向かう。

「行こう!」

アマネの声に、仲間の声が重なった。

「「おおッ!」」

六人の戦いは、いよいよ決着の時を迎えようとしていた。


お読みいただきありがとうございます。いけるところまで連続投稿!(不定期ですが毎日目標)。

面白かったらブクマ&感想で応援いただけると嬉しいです。


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