表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/471

交差する影—偶然の合流

森の湿気は肌にまとわりつき、葉の匂いが濃く漂っていた。班ごとに散ったはずの道は、やがて一本に収束する。

ジークが先頭で斧を担ぎ、獣道を踏み割っていたが、唐突に足を止めた。

「……塞がれてるな」

前方の道は、大木が根こそぎ倒れて塞いでいた。苔むした土がまだ湿り、落ちたばかりだと分かる。自然に崩れたにしては不自然に整いすぎている。

「進めませんね」カイルが冷静に見上げる。「枝の切り口……鋭い。誰かが意図的に」

アマネは胸の奥がざわつくのを感じた。庵の裏山で風倒木を見たことがあるが、これは違う。まるで“待ち伏せの扉”だ。

――その時。

別方向から人影が近づいた。草を分けて現れたのは、アルトたち第一班だった。リュシアが慎重に裾を押さえ、アルトが前を護るように歩いてくる。

「……道が途切れていた。こちらも進路を変えるしかなかった」アルトの額には汗が光っていた。

「偶然だな」ジークが腕を組む。だが声に棘はなく、むしろ安堵が混じっていた。

ミナが明るく割って入る。「効率的に考えれば、合流して一緒に進むのが正解! ね、二班合同で!」

「……確かに」リュシアは静かに頷いた。「今は任務より、安全を優先すべきです」

アルトも短く同意する。「不自然な倒木だ。罠か、仕組まれたか……何者かの思惑がある」

カイルの瞳が細く光る。「……ラインハルト、かもしれませんね」

アマネは唇を噛んだ。狙いはきっと“孤立”。でも、こうして一緒になれたのは偶然の救いだった。

森は次第に静まり返っていった。鳥の声が途絶え、風さえも止む。

「……感じるか?」ジークが低く呟く。

土の匂いに混ざって、鉄錆のような獣臭が漂う。耳を澄ますと、重い唸りがいくつも重なっていた。

アルトが剣を抜き、前へ出る。リュシアは即座に祈りの構え。ミナが発明具を構え、カイルは魔法陣を描き始める。

アマネも深呼吸し、掌に小さな光を集めた。

――闇の中、赤い目がいくつも灯る。

「来る……!」

枝を裂き、黒い影が飛び出した。


お読みいただきありがとうございます。しばらくは連続更新で駆け抜けます。ブクマ&感想ぜひ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ