恋の話題は尽きなくて
女子寮の一室。
春風に揺れるカーテンの下、アマネ・ミナ・リュシアは机を囲んでティーカップを傾けていた。
「で、ジークとのこと、もっと聞きたい?」
ミナがニヤリと笑う。
「うん!」とアマネは身を乗り出した。
「……私も、少し」リュシアは照れ隠しに視線を落とす。
ミナは胸を張って語る。
「ほんと誠実なのよ。逃げ道なく真正面から来るんだから。こっちが恥ずかしくなるくらい」
「ジークらしいね」アマネは頬を緩める。
「……そういう人なら、信じられる」リュシアも微笑んだ。
そこでミナは、わざとらしく首を傾ける。
「で、リュシアはどうなの?カイルのこと」
「っ……!」
リュシアの耳まで赤く染まる。
アマネは小さく笑って頷いた。
「やっぱりそうなんだ。前にも言ってたけど……また聞けて、ちょっと嬉しい」
「アマネ……」
リュシアは俯き、言葉を探しながら小さく続ける。
「……カイルは、特別……なのかもしれない」
「ふふっ、決まりね!」ミナが断言する。
リュシアは慌てて両手で顔を隠し、アマネは二人のやりとりを見て胸の奥に温かい揺らぎを覚える。
(恋って……こういう気持ちなのかな)
◇
夜が更けても尽きないおしゃべり。
「ジークって夜食も食べそう」「カイルは規律正しいから朝型でしょ」なんて笑い合う。
アマネも「アルトは……どうなんだろう」と小さく呟き、友人たちにからかわれて真っ赤になるのだった。
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