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仲間の決意

秋風が吹き抜ける学園の中庭。

落ち葉を踏む音を背景に、アマネたちは集まっていた。

「……やっぱり、リュシアがおかしい」

アマネが小さな声で切り出した。

「笑ってるけど、心がそこにない感じがするんだ。まるで――」

「“人形”みてぇだな」ジークが苦々しげに呟く。

アルトは唇を結んだまま、木の枝をじっと見つめていた。

「彼女は……教会に囚われているのかもしれない」

皆の視線が自然とカイルに集まる。

彼は少し考え込んでから、眼鏡を押し上げた。

「……僕の家は、教会と深い繋がりがある。

父は司法卿。僕なら、内部の記録や動きを探れるかもしれない」

「危なくない?」ミナが眉をひそめる。

「向こうだって、下手な真似をすればすぐ気づくはずだよ」

カイルはわずかに苦笑した。

「危険は承知だ。でも……僕だけが入れる場所がある。

リュシアをこのままにしておくのは、僕自身が許せない」

アマネが力強く頷いた。

「じゃあ、私たちは信じて待つ。カイルを1人にはしないよ」

ジークも拳を握りしめる。

「おう。やれることは全部やる」

アルトは静かにカイルを見つめ、短く言った。

「……頼む」

夕暮れ。

仲間の輪を背に、カイルは深く息を吐いた。

胸の奥で、小さな炎が灯る。

(形式に囚われた教会の中で……僕は僕の声を届ける)

彼の決意は、静かに強さを増していった。


お読みいただきありがとうございます。いけるところまで連続投稿!(不定期ですが毎日目標)。

面白かったらブクマ&感想で応援いただけると嬉しいです。


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