春名:行ってみたい!
「春名さん、遅くなってしまってすみません。お時間大丈夫ですか?」
「うん。調べてくれてありがとう」
「pinkydreamなのですが──」
「うんっ」
「……まずは、こちらのカードなのですが、プラチナ会員特典を受けられるものだそうです」
春臣が、話し始める。
プラチナ会員……って、凄いよね?
お姉ちゃん、pinkydreamでそんなに買い物してるんだ。
「会員特典はいくつかあるのですが……予約ができるようになるとのことです」
「そこの?」
「……はい」
予約って、──え、それ、貸切ってこと?
買い物するのにお店を貸切とか、凄くない?
確かに、混雑してる時とか試着室開くのも、レジも待ったりするもんね。
お店貸切に出来ちゃうとか、……プラチナ会員って凄いんだ。
「それから、カードを提示すると10パーセントの割引があるそうです」
「予約できるだけじゃなくて、割引も!?」
「はい」
「凄いねー!」
お店を貸切にできて、ゆっくり買い物ができて、それなのにさらに割引があるって、凄くない?
お姉ちゃんそんな特別なカードくれたんだ。
後でお礼言っておかなくちゃ。
「それから、ウエルカムドリンクがつくそうです」
「ほんとに!?」
すごすぎじゃない!?
ドリンク飲みながら色々選べて、貸し切りで、割引……
そんな世界があるんだ! 映画とかで見るセレブとか王族みたい!
「はい、それで、……」
「すごーい! そんなカードあるんだ! それなら夏休み中に行ってみよう?」
「えっ!?」
「春名、そろそろご飯行くってさ」
──あ、お姉ちゃん来た。
春臣にちょっと待ってて、って言うと、お姉ちゃんに笑顔で手を振る。
こんな凄いカードくれたんだもんね。
「わかった。お姉ちゃんありがと、このカード凄いんだね」
「彼氏に聞いた?」
にやりと笑うお姉ちゃん。
うん、と頷くと満足そうに大きく頷いてくれた。
「だから今、夏休み中に行ってみようって話してたんだ」
「あらー、いいじゃない? それじゃやっぱりさっきの本も読んでおくといいわよ」
「それはいらないっ!」
「そう? まあ、もうすぐ出かけるから来てね?」
わかった、って言うと、彼氏に頑張れって伝えてねと笑ってお姉ちゃんが部屋から出て行った。
良くわからないけど、とりあえず春臣に伝える事にしよう。
「もしもし、ごめんね」
「大丈夫です。晩御飯ですか?」
「あ、聞こえた? お姉ちゃんが春臣に頑張れって」
「──あ、あのそれはっ……」
ん? って聞こうとしたら、下から今度はママの声がした。
そろそろ行かないとまずいかな。
また部屋に来て、電話の相手が春臣だってわかったら、変わってくれって言われそうだしちょっと怖い。




