表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/6

六日目



 今日は久しぶりに早めに起きることができた。

 それにアイツも部活は休みだし、今日は一緒に行くか。


「さむ」


 五月だというのに、少し肌寒い。

 朝だからか?


 今日の俺は少し厚手だ。

 まあいつもなんだがな。

 俺はかなりの冷え性なんだ。


「お・は・yoo!」


 と、いきなり登場したこいつ。

 イカした髪型に爽やか系の顔、身長は高く、身体も筋肉はなさそうに見えるが意外とある。

 この男が俺の友達、浅野拓人だ。


「うるせえ」

「ひでぇな。親友に辛辣すぎないか?」

「誰が親友だ」

「俺」

「ただの腐れ縁だろ」

「それを親友と言う」


 こいつには何を言っても無駄だ。


「ん? んん?」

「なんだよ」

「なんかお前、顔色良くね?」


 じーっ、と人の顔を覗き込む拓人。

 やめろ気持ち悪い。


「なんだろうな、この感じ。いつものヒデと違う気がする」

「気のせいだろ」

「いーや、気のせいじゃないね。親友歴十年の俺が言うんだから間違いない」


 なんだよ親友歴って。

 まあ、拓人とは小学五年生からの付き合いだ。

 それなりに長いとは思う。


「例えるなら【カップラーメンやコンビニ弁当ばっかり食べてた奴がお隣さんから健康で栄養たっぷりなお裾分けを貰った】っていう顔をしてるぞ」

「ぶっ……!」


 なんだこいつエスパーか!?


「おっ、その反応はまさかの図星か?」

「なわけねえだろ!」

「ますます怪しいなぁ……」


 くっ、声を荒げたのが間違いだった。

 怪しそうな目でじーっと見てくる。


 うざいから歩く速度を上げた。


「あっ、おい! 俺を置いてくなよ!」


 さらに歩くスピードを上げた。

 拓人は慌てて追いかけて来た。







 しばらくして、校門まで着いた。


「きゃー!拓人様ー!」

「おはようございまーすっ!」

「今日は朝練ないんですかー?」


 すると黄色い歓声が俺を、というか拓人を包む。


 俺のしん、友達の浅野拓人はかなりのイケメンだ。それこそ、犬塚狛子と並ぶほど。

 そして運動神経は抜群で、バスケ部でキャプテンとしてチームを引っ張っている。この前は一人で四十得点したらしい。

 化け物かよ、って言ったら、化け物さ。ってドヤ顔だった。蹴りを入れてやった。


「ねえ、なんでオタクが拓人様と歩いてるの?」

「さあ? 拓人様は優しいから、お願いして一緒に登校してるんじゃない?」

「「僕ボッチだから一緒に登校してくださ〜い」って?」

「うわ、気持ち悪〜い」


 ……憂鬱だ。拓人と登校すると、毎日これがある。

 面倒この上ない。


 拓人と一緒に遊ぶのはいいんだが、こいつの隣だといつも比較されたりするからな。


 まあ、いいや。


 俺と拓人は別の教室だから、廊下で別れた。

 自分の席に座り、イヤホンをして《RED TALE》を流す。

 うん。至福の時だ。


「またオタク音楽してるけど何聞いてるのかな」

「どうせアニソンでしょ」

「まあそれしか無いかwwオタクだしww」


 こんな声も、いつもなら無視して過ごしていた。

 別に気にならなかった。

 けど、そんな日は突然終わる。


「ねえ。なんで影野のことをそんな風に言うの?」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

「犬塚さん可愛い!」「ゴールデンレトリバーだひゃっほー!」「わんっ!」という方はブックマークや評価(★★★★★)などよろしくお願いします。


是非読んでみてください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ