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月夜譚 【No.1~No.100】

女優 【月夜譚No.50】

作者: 夏月七葉

 舞台上では、私であって私でなくなる。その瞬間が言いようもなく気持ちが良い。

 役を演じる私は役そのものであり、私という存在はその間だけこの世から消える。正確には、私の中から私はいなくなるのだ。

 キャラクターの性格によっては、自分の考えと相容れない場合もある。だが、一度その人物に成り代わってしまえば、すとんとその思考が腑に落ちてしまう。

 例えとしてよく「キャラクターの魂が入り込む」と言うが、私はそうは思わない。私の魂がその人物のものになる――そう言った方が正しいように感じるのだ。

 舞台の上では身も心もその人物のもの。私自身の入る余地など微塵もない。

 しかし、役を通して見る様々な世界は必ず私自身の成長の糧となる。彼等の目は、思考は、姿は、私の知らなかったものを教えてくれる。

 だから――だからこそ、私はこれをやめることができない。


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