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青春漫才。

作者: ますたーからす

 楽屋には同期、先輩、後輩、知っている人、知らない人、金髪の奴、黒髪の奴、見た感じは非常にバラエティに富んでいるが、ほとんどの芸人はスーツに身を包んでいる。


 それは俺も例外ではなかった。


 隅っこの椅子に座って震えている俺はもうセリフを暗記しているにも関わらず台本を本番直前まで離せないでいた。


 三十までにテレビに出られなかったら解散しようというのは俺から提案した。


 だからまだバイトがやめられないままでいる俺たち「陰陽五行」がM-1に出場できるのは今年が最後だ。

 今年は過去最大に予選を進んでいる。実に準々決勝まで来ることができた。


 特にM-1で決勝まで行くとか、そういう高い目標はすでに売れている芸人を見ていれば雲をつかむようなことである事くらい馬鹿な俺にも理解できる。


 せめてお笑いで食っていけるようになるというのが当面の目標だった。


 先輩には制限時間を決めておけと言われた。


 いついつまでに芽が出なかったらきっぱりお笑いから足を洗えと。


 だから俺は三十歳というタイムリミットを決めた。


 すでにリタイアした同期や先輩、逆に売れた後輩なんかも何人も見てきた。


 相方は何も駄々をこねず、俺に任せると一言だけ返してきた。

 相方も今回が最大のチャンスでありピンチでもあることは理解しているはずなのだ。


 俺たちの出番は三組目。三回戦までは他の芸人のネタを見ていたのだが、とてもじゃないけど俺たちより先にやる奴らのネタを見る自信が無い。


 一組目のネタが始まるということで芸人たちが会場の方へと楽屋を出て行った。


 俺は一人で楽屋に取り残される。


 そのおかげで殺伐とした空気が消えたが、緊張の鼓動は高まってしまった。


 すると今芸人たちが出て行った扉が開き相方がやってきた。


「ネタ、見ないのか」


「見たいなら見てきていいぞ」


「緊張してんのは分かるけど、あいつらの見たらほぐれるかもだぞ」


 相方は励ましてくれてるのか分からないけどそんなことを言ってくる。


「俺はいい」


「そうか」


 そう残すと相方は静かに楽屋を出て行った。


 ムカつくほどさわやかな声は耳に張り付いていた。


 昔からイケメンで明るくてさわやかな相方はなんでお笑い芸人なんかやってるのか俺にも分からない。

 モデルとか俳優とかの方が絶対向いてるだろうとコンビを組む前から思っている。


 まともな稼ぎもない癖に彼女も途切れないのだ。

 羨ましいとかいう感想はもうすでに通り越して尊敬の域だ。


 準々決勝のネタ見せは制限時間四分だ。

 だから十五分もしないうちに俺たちの番がやって来る。


 台本片手に目をつむって視界を遮るがセリフが飛んだらどうしようとか時間以内に収まらなかったらどうしようとかそういうネガティブな感情ばかりが渦巻いて、胃の中がぎゅるぎゅると鳴る。


 キャパ百もない劇場でしかやったことないのにグランド花月のキャパは約九百だという。

 もうすでにテレビに出て売れている芸人たちも今年のM-1に出場していて、今日はその先輩たちが数組出演するのだ。

 だからおそらくその人たち目当てのファンの人達で埋まっているのかもしれない。


 緊張という一言で片づけるのは無理なくらいに俺の心臓は脈打っている。


 もうそろそろ二組目のネタが終わるだろう。


 俺は楽屋の隅っこで立ち上がり台本を座っていた椅子の上に置いた。


 俺は漫才を見せるこの直前の緊張感に十年経っても慣れない。


 慣れるどころか年々タイムリミットが迫っているので、その緊張感にはプレッシャーが覆いかぶさって俺の心臓を常に握っている。


 深呼吸をして水を飲む。


 そんなことは気休め程度だが、しないで舞台に上がるのは考えられない。


 いつもやってきたルーティンみたいなものだ。


 その行為自体が動悸を緩めるわけではないが、それによるかすかな安心が徐々に動悸の振幅を沈ませていくのだ。


 楽屋を出る。


 ネタを終えた一組目のコンビが楽屋に戻ってきていた。


 彼らの表情を見ればうまく行ったのか行かなかったのかは一目瞭然であった。


 下を向いてとぼとぼと歩く背の高い男と小太りでスキンヘッドのコンビを見れば、ウケなかったという残酷な事実が伝わってきた。


 彼らは俺たちの一年後に入ってきた後輩だ。


 だから先輩の俺が何か励ますようなことを一言だけでも言ってやれればよかったのだがそんなものは売れている人間のすることだ。


 彼らのタイムリミットはいつなのか俺には分からない。


 そもそも言葉なんか出てこなかった。


 だから俺は下を向いている彼らに見つからないようにするっと横を通り抜けた。


 スタンバイするために舞台裏に向かう。


 相方は胸を張ってすでに待機していた。


「顔色悪くないか」


「いつものことだ」


 漫才前に気分が悪くなることは俺にとって当たり前だ。


 だから漫才前に相方が「大丈夫か」とか一言くれるのは恒例で、もやは漫才の一部みたいなものだ。


 その一言で別に緊張や動悸が収まるわけではない。

 おびえて足がすくんでしまいそうなのは治らない。


 そういうのを繰り返してきた。今回も同じだ。あと数か月ちょっとでそういうのからもおさらばだ。


 二組目のネタが終わったようだ。


 さっきの後輩たちとは違いそこそこウケたようだった。


 その笑い声をきっかけに舞台裏で待機していた俺たちは別れる。


 上手側が相方、下手側が俺で入場するためだ。


 舞台袖に到着する。


 三段ほどの階段を上り覚悟を決める。


 すぐに合図が出されて俺は小走りで駆けていく。


 反対側からも同じタイミングで相方が走ってくる。


 客席の方に目を移そうとしたその時。


 スポットライトの光に目をやられ視界が白く染まる。


「っ……」


 それを機に身体が何かに吸い込まれる感覚が全身を走った。


 便器の渦に呑まれるような感覚だ。


 その回転するイメージにだんだん目が回ってくる。


「あっ。もう終わりか」


 白に染まった視界はだんだんと黒くなっていき、便器の吸い込みが終わると同時に真っ黒になった。


 次の瞬間気づけば、なんとなく懐かしい感じのオレンジ色の光が俺の身体を照らしていた。


 窓から夕焼けの光がさしている。


「起きた?」


 また懐かしい声が聞こえる。女の子の声だ。


「ここは……?」


「学校だけど??」


 少女はくりんとした瞳で俺を見つめている。


「学校?!!! 漫才はどうなった?!」


 そうだ。M-1の準々決勝で舞台に上がったはずだった。


「漫才? 寝ぼけてるの?」


「君は……誰だっけ……」


「ほんとに寝ぼけてるみたいだね、矢板(やいた)君は。私は夕暮カエデ(ゆうぐれかえで)。君の隣の席の」


 その名前を聞いて思い出した。


 俺の初恋の相手。


 忘れもしない。彼女に出会ったのは高三の春。

 一目惚れだった。


「今って何月?」


「五月。ついでに言うと五月十日の月曜日」


「そうじゃなくて…… 下に下がるんじゃなくて上に上がってほしい」


 いや、そんなことがあり得るなんて昔読んだ小説みたいだ。まぎれもないフィクション。


「何言ってるの? まだ寝ぼけてる?」


「今って何年?」


 もしかしてと思って聞いてみた。


「二〇〇九年」


 彼女の声はすっと耳に入ってきて、今俺に何が起きてるのか理解できた。


 自分の服装を確認してみるとスーツではなく学ラン。


 ずばり十一年前にタイムスリップしたということだ。


「今ので完全に起きた」


「それは良かった」


「俺が起きるまで待ってたの?」


「矢板君って実は自意識過剰?」


 状況判断で聞いてみたがそういうことではないらしい。


「文化祭の準備」


「え?」


 文化祭なんて言う響きもまた懐かしかった。


「こ・く・ば・ん」


 彼女に言われて黒板の方を見てみると、屋台やら劇やらミュージカルやらの案がいくつも書かれていた。


 おそらくさっきまで文化祭の出し物を議論していたのだろう。


「次からは寝てないでちゃんと案、出してよね。じゃ」


 そう言うと彼女はバッグを持って教室を出て行った。


 俺は誰もいなくなった教室を歩き回ってみた。


 珍しい木製の床や風にそよぐ長いカーテン、時間割表、その全てが懐かしかった。


 なぜ俺がタイムスリップしたのかは全く分からなかった。


 俺の人生、一世一代のタイミングで過去に戻ってきたのだ。


 元の時代へ帰り方も分からない。


 こういう時は過去で何かを成し遂げるというのが条件になっているというのは何となく分かる。


 だがこの時代で何をするべききなのかは皆目見当もつかなかった。


「そうだ」


 過去に来てからの光景を見ていて思いつく。


 学校という舞台をテーマにネタを書いてみることにした。


 いつもネタを書くときはパソコンでそのテーマを検索しながら書く。

 どうしてもイメージがわかないときは実際にその場所へと足を運ぶことがある。


 でも「学校」という場所だけは三十手前のおっさんが足を踏み入れることはできない。

 だから教室の光景や、初恋の相手と話したことで漫才のインスピレーションが次々に浮かんだ。


 時間も忘れてノートにそのアイデアたちを書きなぐった。


 アイデアを箇条書きで並べた後はそれを組み立てていく作業。その組み立て作業中に新たなアイデアが生まれてくることもある。

 その作業に移ろうとした途端、教室の扉ががらと開く。


「まだいたの? 矢板君。そろそろ下校時間よ」


 懐かしいいいいいい。その姿は夕暮さんや教室の感じの数倍懐かしさ指数が高い。


 「高校時代、印象の強い先生誰だった?」という質問を同級生たちにすれば間違いなくこの先生の名前があがるだろう。


 高三のときの俺の担任の先生。弘子(ひろこ)先生だ。


 高校生と言われても疑わないような顔立ちから発される色気があるその声音は俺の頭の中に漫才のアイデアをさらに浮かばせた。


 弘子先生は少し不機嫌になって俺に歩み寄ってくる。


「ちょっと。私、君の事叱っているんだけれど」


「先生、今俺、すごく調子よくて」


「何を言っているかよく分かりませんが、早く帰る準備をしなさい」


 言われて俺は、最新のページだけネタ帳になっていた古文のノートをバッグにしまう。


「先生、また明日」


「はい。さようなら」


 挨拶をして教室を出た。


 教室を出てから昇降口に至るまで、学校の光景が新たな感動となりそれがアイデアとなって思い浮かぶ。


 さっきしまったはずのノートを取り出して歩きながらそれを書いた。


 自宅への道は体が覚えていた。

 気の向くままにその帰路を歩んだ。

 気付けば家に帰っていた。


「まだ実家暮らしだったなぁ。そういえば」


 中に入ると母さんがいた。


「あら、今日は遅かったわね」


「ああ、ちょっとね」


 両親はまだ健在だが、漫才師になるといって家を出てからは顔を合わせていない。

 数年に一度生存確認の電話をするくらいだ。


 だから今よりも若いだろう母さんの顔を見ると不思議な気持ちになった。


 自室に戻って古文のノートを開く。


 この一文だけテキストに起こすと勉強を始めそうな気がするが、今から俺がすることはそうではない。


 帰るまでに出たアイデアを形にしていく作業だ。


 つまり、漫才として成立するネタに構成するのだ。


 青春学園ものというテーマでネタを書いていく。


 夕飯を食べた後も机に向かった。


 その成果もあり日付を跨ぐちょうどくらいにそれは完成した。


 実際に合わせてみないと分からないが、おそらく五分程度の漫才が出来上がった。


 俺は満足してその日はぐっすりと寝た。


 翌日の朝、俺はスーツの代わりに学ランに袖を通していた。

 サイズはスーツとそれほど変わらない。


 学校の始業時間は分からなかったが、自然に目が覚めて着替えて朝飯食って家を出て学校に着くと時間通りだった。


 自分の席に座って昨日書いたネタを眺めてみた。


 昨日の夜は最高の漫才だ、M-1優勝できるわ、ぐらいに誇る完成度だと思っていたのだが、改めて読み返してみると何かが足りなかった。


 その日の授業中、ずっとその足りない何かを考えていたのだが分からなかった。


 授業を終えてホームルーム。


「そういえば昨日、夕暮さんが明日もって言ってたな」


 文化祭の出し物決めの時間らしい。


 どうやら昨日の時間で決まらなかったため今日で決定して生徒会に書類を提出する必要があるらしい。

 夕暮さんは学級委員長のようだ。そういえばそうだったな。


 案出しの時間に一番初めに手を挙げたのは、俺がよく知る男だった。


「はいはーい!! お化け屋敷とかいいんじゃね?」


「それはC組と被る」


 後ろの席の男に否定されたその男は「現在」で俺がコンビを組んでいる土田(つちだ)だ。


 それを見て俺の手は勝手に上がっていた。


「はい、矢板君」


 司会をしていた夕暮さんに指名されて俺は答える。


「漫才」


 しかしその一言に教室はシーンと音を消した。

 舞台の上からは決して見たくない光景だ。


 しかし土田だけは違った。


「みんなでできるやつの方がよくね?」


 それを機にクラスの雑談は再開されて「そうだよね」とか「難しそう」とかいう声が所々で聞こえた。


 今でこそお笑いということをやっているので多少は改善されているが、俺は高校時代は人見知りの陰キャだったのだ。

 ひそひそと話す声が耳に響いた。


 そんな奴がいきなり「漫才」なんて言い出したらクラス中から不審に思われるのは普通だろう。


 結局、出し物は焼き鳥の屋台ということに決まってホームルームは終結した。


 クラスメイトは解散の合図をきっかけに教室から出て行った。

 夕暮さんは俺の隣の席に戻ってきて提出する書類を書くようだ。


「矢板君、ナイストライだったよ!」


 親指を立てながら俺に微笑む。


「いや、ラグビー部じゃないから」


 普段の感じでツッコんでみたのだが夕暮さんはきょとんとしてしまう。

 ラグビーネタが分からないのだろうか。


「ラグビー部?」


「ああ、ええと、ラグビーで点数を取る方法の一つっていうか……」


「ふふふ、矢板君って面白い人だったんだね」


 いやネタ分からなかったくせに。


「いやあ、それほどでも」


「やっぱり自意識過剰もホントみたい」


 乗ってみたのだけど帰ってきたのは少々棘が鋭い言葉。


「あれ? カエデとええっと……誰だっけ? さっきの漫才野郎」


 俺たち以外教室に残っていないのだと思っていたけど土田が残っていたようだ。


「うっせえよ」


 誰だっけ?までは耐えたのだけど、最後の「漫才野郎」の一言にムカッと来てしまった。


「こらこら喧嘩しない」


「なにこれ?」


 土田は俺の机の上に広げてあった古文のノートもといネタ帳を手に取る。


「ちょ、勝手に読むなよ」


 俺の制止も甲斐なく土田は何やら真剣な目つきになってそのノートを読んでいた。


 一、二分だろうか、食い入るようにそのネタを読んで土田はこんなことを言ってきた。


「これ、お前が作ったのか?」


「そうだけど」


「面白いけど、ここはツッコミ役がボケてボケ役がそれにノリツッコミする方が面白いと思う」


 どこだと思い、ノートを取り返して見てみる。


 確かに土田が言った通りにした方が面白いかもしれない。


「あと、この『松潤かよ』っていうツッコミは後々同じようなボケをして被せたらそこでも笑いとれるはず」


 改めて確認してみると確かにそうだ。


「松潤?」


 夕暮さんは首をかしげるが、ネタ見せ前にバラすわけにはいかない。


 土田の的確な指摘に俺は驚いていた。


 「現在」でのネタ合わせもこんな感じだった。


 俺がネタを書いて持っていき相方がアレンジを加える。


 夕暮さんには知られるわけにはいかないから俺は土田の肩に手を回し、夕暮さんから距離を取った。


「土田。俺とこの漫才やらないか?」


「お前と? お前、大勢の前に立つとかできる感じじゃないだろ」


「俺のことはいいんだよ。お前はどうなんだ。やりたいのかやりたくないのか」


 土田は少しだけ間を開けたが答える。


「……やりたい……かも」


「よし、決まりだな」


「ちょ、待て待て。まだやるとは言ってない」


「んだよ。金玉ついてんならはっきりしろよ!」


「お前みたいなやつに言われる筋合いねーよ!」


 その男前な面で言われると意外とダメージがでかいからダメだ。いつもはこんなこと気にしてなかったのだが、この学校という環境がそうさせるのだろうか。


「……分かった。やろう」


 土田は逡巡したのち頷いた。


「流石俺が見込んだ男」


「気持ちわりーこと言ってんじゃねーよ」


「じゃあ、台本書いて明日持ってくるから」


 俺は土田の肩から手を離し夕暮さんにも手を振る。


「じゃあ、夕暮さん。また明日」


「うん。またね」


「ちょっと、待てって!」


 教室を出る寸前に土田が俺を引き留めてくる。


「なんだよ。まだなんかあんのか?」


「お前の名前聞いてない」


「……矢板だ」


 俺は一言だけ残して教室を去った。


 帰ってから土田用の台本を作った。


 もちろんボケ役は土田でツッコミ役が俺だ。

 陰キャがボケてもスベるだけだ。


 さっき土田に指摘されたとこは修正しつつセリフを書いていく。


 出来上がった台本を見ると昨日完成させたネタより数段面白い感じがした。


 翌日の朝、学校へ向かっていると何やら女子の集団が俺の前を歩いていた。

 しかし、中心にいるのは男のようだ。


 あろうことかその男は俺に話しかけ来た。


「お! 矢板おはよう。台本できたか?」


 そうだった……


 こいつ、高校時代引くぐらいモテていたんだった。バレンタインのチョコなんて三十個は下らなかったはずだ。


「おう、できたけど……」


 その女子集団に気圧されて声が小さくなってしまう。派手な女性は三十手前のおっさんになっても苦手だ。


 俺は鞄から台本を取り出して土田に渡す。


「あとで読んどくよ」


「おう。分ったから早く行け」


 女子集団を俺から遠ざけるべく吐き捨てるように言った。


 その日の放課後。クラスでは焼き鳥屋の屋台のシフトを決めて解散となった。


 そのあと、空き教室で土田とネタ合わせをしてみた。


 二人ともセリフはまだ覚えていないがいい感じな気がする。


「これ、結構いけそうだな」


 土田は満足顔でそんなことを言ってくる。

 俺もそれは土田に同意だった。


 それと同時にこの感覚が久しぶりだったことに気付く。

 ネタを書いて合わせて、こんなに満足のいく感覚は「現在」ではほとんどなかった。


 その原因の一旦になっている出来事は他にもあったのだが、このみなぎる自信は俺たちを気持ちよくさせた。


「お前なんか機嫌いいな」


 土田にそんなことを言われる。


「まあな」


 頭の後ろに手を当てて答えるが、土田は核心をついてくる。


「お前、カエデのこと好きだろ」


「はあ?!!!!!!!」


 廊下に響き渡る声が出た。


 こういう声が漫才でも出ればいいのだが。


「いや、さっきカエデとシフト同じになってめっちゃ喜んでたろ」


「なッ?! 見てたのか?!」


「その話も入れたら面白くなりそうだな……」


 俺がめちゃくちゃテンパっていると土田は一人で考察し始めた。


「俺は結構人気者っていうか知り合い多いからこういうのもありっちゃあり」


「いや、それは俺がやっても大丈夫なのか……?」


「絶対いける」


「分かった。お前が言うならやる」


 土田の提案に乗っかりそのくだりも台本の中に書き込んだ。


 その後一週間、放課後に同じ空き教室で土田と俺は漫才の練習をした。

 すでにセリフは覚えて、観客がいなければ余裕と言っても過言ではなかった。


 文化祭前日、つまり俺たちが漫才を披露する二日前になった。


 文化祭は二日間行われる。


 一日目は文化部の発表会という名目で体育館がステージになる。屋台なんかは中庭で行われる。

 二日目の体育館のステージは発表会ではなくエンターテイメント性の強いものだ。バンドの演奏、ミュージカル、劇、漫才、コントなんかもありのなんでもありのステージだ。


 土田はステージにおける順番を決めるくじで悪運を発揮して俺たちは大トリを務めることになってしまった。


「うわ。お前やったな」


「いや俺たちなら大ウケだから安心しろ」


「その自信はどこから来るんだよ」


「お前、これ終わったらカエデに告るのか?」


 土田は脈絡もなくそんなことを言いだす。しかし俺も男だ。


「……ああ。ウケたら告る」


 心に決めていた。俺の作った漫才がうまく行けば夕暮さんに告白するんだ。

 いや、俺と土田で作った漫才だな。


「じゃあ、がんばらないとな」


 土田にケツを蹴られたので蹴り返した。


「コンビ名どうする?」


 土田に言われて気づく。コンビ名を決めるのをすっかり忘れていた。

 「現在」でのコンビ名を言うのは簡単だけど、それでいいのか疑問だった。


 だから俺は黙り込んでしまう。


「陰陽五行ってどうだ?」


 土田はあろうことか「現在」での俺たちのコンビ名を提案してきた。コンビ名を決めたのはどっちだっただろうか。


 それと同時になぜ陰陽五行になったのかその由来も思い出せない。


「なんで陰陽五行になったんだ?」


「お前は陰キャだろ? で、俺はそれに対しては明るくて友達も多い。陰の反対は陽だから、陰陽。でそのあとに続く言葉といえば五行だろ?」


 コンビ名の由来さえ馬鹿にされていたことに気付きムカついた。

 だけど、それを否定する理由など一つもなかった。


 文化祭一日目。


 クラスの方の焼き鳥屋のシフトは今日の午後だ。

 土田のシフトは今日の午前中らしい。


 だから午前中は暇になった。

 仕方なく一人でふらふらとあてもなく屋台を回った。友達いないのかとかいうツッコミは受け付けていない。


 クラスの方の焼き鳥屋だけは同じ極の磁石かの様に避けた。


 体育館の方へも行ってみたけど文化部の発表は思いのほかつまらなくて飽きて出てきた。


 午後になった。


 夕暮さんと同じ焼鳥屋のシフトに心が躍る。


 屋台に着けば、思っていた以上に盛況のようだった。


「あ、矢板君! 早く!! 来るの遅い!」


 エプロンと三角巾を身に着けた夕暮さんが俺の名前を呼ぶ。


「ごめん、遅れた?」


「時間通りだけど、お客さん多いからみんなで人手増やしてるの!」


「そうだったのか! 急いで準備するよ!」


 俺もエプロンを付けて屋台に入る。


「とりあえずボックスに入ってる焼き鳥、網の上に乗せていって」


 夕暮さんに言われて、それに従う。


「わ、分かった」


 外の方を見ると屋台の列はどんどん伸びていきお客さんの数はどんどん増えていく。


 串に刺さった鶏肉を網に乗せ、程よいタイミングでひっくり返すという作業を繰り返す。

 お客さんに焼き鳥を手渡す夕暮さんの背中を見ながら焼き鳥をひたすら焼いた。


 午後四時を回るくらいで用意していた焼き鳥がすべて無くなり完売となった。


 夕暮さんといい感じになるのを期待していたけれど、まるでそんな暇はなかった。


 五月半ばに雲一つない晴天の下、火の近くにいたため汗だくだったこともあり、額の汗をぬぐい一息ついた。


「冷たっ!!」


 突然後頭部に良く冷えた何かが当てられてびっくりしてしまう。


 振り向くと雫がついたペットボトルを俺に差し出す夕暮さんが微笑んでいた。


「お疲れ様、暑かったでしょ?」


「あ、ありがと」


 屋台を出て一階の渡り廊下のちょっとした段差に二人で腰掛けた。

 お尻にコンクリートのひんやりとした感触が伝わってきて、日陰になっているこの場所は良く風が吹いた。


「いや~、大盛況だったね」


「夕暮さんの接客のおかげじゃない??」


 夕暮さんは手に持ったビニール袋から透明なフードパックに入った焼き鳥を取り出す。


「はいこれ、まだ食べてなかったでしょ?」


「取っててくれたの?」


「まあ、私の分もだけどね」


 そういうと夕暮さんは一本を取り出してぱくりと一口。

 それを見て俺もパックから取り出して一口かじる。


 焼きたての皮を噛むと口の中でとぅるんとぅるんの油が広がる。


「うめえ!」


「ほんとだ!」


 おいしそうに食べる夕暮さんの表情は子供の様だ。


 やはり小食の女子よりよく食べる女子の方がいいよな。


「文化祭、結構楽しみにしてたんだけどね。期待以上だよ」


「まだ一日目も終わってないじゃん」


 そんな会話をして二人して笑い合った。


 ほんの数分間の二人の時間にはすぐに終わりが来てしまう。

 タイミング的にここしかないだろうと思って切り出した。


「夕暮さん」


「どしたの?」


「明日の体育館のステージ、土田とコンビで漫才やるんだ。だからそれ見に来てほしくて」


「漫才? なんかこの間言ってたよね」


「夕暮さんに見てほしいんだ」


「……うん。もちろん見に行くよ」


「あ、あと! それ見て面白いと思ったら俺たちが漫才した後、屋上に来てほしい」


 俺は夕暮さんの目を見つめて、それとなく俺の意思を伝える。


「分かった」


 一言だけ残すと夕暮さんは俺を置いてその場を去っていった。


「はぁ……」


 なんか手ごたえが無かった気がするけど、まあ、はぐらかされなかっただけましか。

 俺にできることは全力でネタをやるだけ。


 そう思って夕暮さんにもらったペットボトルを飲み干した。


 文化祭二日目の翌日、午前中に最終チェックとして土田と最後のネタ合わせをした。

 セリフはばっちりだ。アドリブも少しくらい入れてみたが、コレも行けそう。


「よし、完璧だな」


「ばっちし決めてカエデを惚れさせるぞおおおおお」


 土田が大声でこぶしを天に掲げる。

 俺は本気で土田の頭を叩いていた。漫才で叩く五十倍の強さで。


「ちょ、お前! 声でけえよ!!!」


「なあ、矢板」


 突然、真顔になって俺の名前を呟く。


「なんだ?」


「カエデがもし俺の事好きだったとしても恨みっこ無しな」


 俺は無言で土田のみぞおちに正拳を喰らわせた。


 そして、もうすぐ俺たちの出番だ。


 これまでのバンド演奏、ミュージカル、劇どれもこれも、完成度が高い。


「緊張してるか」


「あたりまえだろ」


「ん」


 土田に水の入ったペットボトルを渡される。もうあと一口くらいしか残っていない。


「それ飲んだ後に一回深呼吸しろ」


「おう」


 俺はそれを飲んで言われた通り深呼吸をする。


「なおったか」


「いや、ぜんぜん」


 今やっている他のクラスの人気者同士で組んだらしいコンビの漫才もネタが面白くないのを除けば結構ウケていた。

 やはり人気者のキャラクターが名札として貼られているというのは強い。


 漫才をやるのはこのコンビと俺たちだけだ。

 だからもうほとんど一騎打ちみたいな雰囲気が客席に流れていた。


 俺たちは二手に分かれてそれぞれ待機する。


「「もうええわ。どうも、ありがとうございました~」」


 人気者コンビの最後の挨拶をきっかけに自分のほっぺたをはたいた。

 そして音声アナウンスが流れる。


「次が文化祭最後の出し物になります。皆さん拍手で彼らを迎え入れましょう! 陰陽五行のお二人です!」


 反対側の相方とアイコンタクトを交わし、俺たちはタイミングを合わせて中央のマイクに駆け寄る。


「はいどうも~。陰陽五行という名前で今日は漫才やらせていただきます」


 俺はいつものようにコンビ名を名乗る。


 客席を見るとステージの最後ということでほぼ全校生徒かってくらいのお客さんの入りだ。


「土田と」


「矢板でやらせてもらいます」


「僕たちね、文化祭直前まで名前も知らなかったんですよ」


「そうなんですね。こいつがネタ書いてきて俺に頼みに来たんです。『相棒』って言って」


「そんなこと言ってないわ! 名前も知らん奴の事、相棒なんか言わないでしょ」


 最初のツッコミはまずまずといった感じだ。

 客席の笑いが引くまで数秒間だけ待つ。


「んで、こいつが書いてきたネタ、濃厚ボーイズラブのネタだったんです」


 土田が自分の肩を抱くようなジェスチャーで怖がってみせる。


「なんでや! 確かにお前男前やけど俺はちゃんと女の子が好きです!」


「僕の事狙ってるんです! こわっ」


「だから違うって言ってるでしょ!」


 こちらも結構ウケている。土田がイケメンであることを利用したネタだ。


 次の一言は俺から話を広げる。


「やっぱり文化祭といえばね? 土田さん?」


「まあ、そうですよね」


「じゃ、せーので言おう」


「分かった」


「「せーの」」


「恋愛ですよね」「焼き鳥」


「「え?」」


「今なんて言ったお前?」


 俺が土田に問いかける。


「焼き鳥」


「なんで焼き鳥やねん! 今の流れからして男女の恋愛でしょ!」


「三年B組、焼き鳥の屋台やってるのでまだ来てない人はまだやってますよ~」


 土田が客席に向かって手を振る。


「いや、ほんとに。昨日はもう四時くらいで完売となってね。ほんとにありがとうございます」


 二人で客席に向かって軽く頭を下げる。


 そして湧き上がる拍手。今日になって追加したくだりもいい感じだ。


「いや、宣伝すな!! 焼き鳥の宣伝じゃないの! 恋愛の話してるの、今!」


「みなさん、やっぱり文化祭の後に告白する人いるんじゃないですか?」


 土田が客席に問いかける。


「そうですね。もしかしたらすでに新たなカップルできてたりしててね」


「こいつも好きな女の子おりよるんです」


 土田が指をさして俺をいじる。


「おりよるってなんやねん! 僕も好きな女の子くらいいますよ。そりゃ」


「キモっ」


「キモって言うな。傷付くから。僕、告白する男の子やるから、お前、告白される女の子やって」


「えらい無理やりやな」


 土田の小声のツッコミに軽い笑いが起きる。


 二人で位置に着いて観客にシチュエーションを想像させる。


「ちょっと待って。体育館裏か放課後の教室かだけ教えてくれる?」


 位置に着いた後に土田が聞いてくる。


「どっちでもええわ!」


 土田の一挙手一投足がおもしろくて俺のツッコミにも声が出てきた。


「屋上もありやなぁ」


「分かった。屋上な」


「ごめん、桜の木の下にしよ」


「だからシチュエーションはどうでもええねん!」


 いい感じにウケている。このままいけばさっきのコンビも目じゃないくらいだ。


 改めて俺たちは告白のシーンを再現するために位置に着く。


「京子。俺、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに? 道明寺」


「いや! 松潤か! どうみょうじ?! そんな名字の奴一人しかおらんわ!」


 ツッコんで、また同じシチュエーションを再現する。


「京子。俺、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに? 矢板君」


「ずっと前から好きでした! 俺と付き合ってください!」


「私にじゃんけんで勝ったらいいよ」


「じゃんけん?! そんな運で恋人決めたらあかんあかん」


「あいこは友達以上恋人未満」


「うるさいねん!」


 土田の頭を叩くたびに観客の笑い声は大きくなっていく。


「京子。俺、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに? 矢板君」


「ずっと前から好きでした! 俺と付き合ってください!」


「ごめんなさい。私、好きな人がいるの」


「え、それって……」


「弘子先生」


「それマジのやつ!!! 弘子先生逃げて~」


 客席の端っこには先生たちが並んでいて、その中に弘子先生を見つけてそっちの方に向けて言った。


 照明が完ぺきなタイミングで弘子先生にスポットライトを当てて、体育館に笑い声が充満する。ナイス、照明さん!


 その収まりを待って改めて告白シーンを再現する俺と土田。


「京子。俺、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに? 矢板君」


「ずっと前から好きでした! 俺と付き合ってください!」


「ごめんなさい。私、好きな人がいるの」


「え、それって……」


「嵐の松本君」


「また松潤! どんだけ松潤好きやねん!」


 同じツッコミをかぶせる土田のアドバイスの部分だ。


 今までで一番笑い声が大きい。


「京子。俺、お前に言いたいことがあるんだ」


「なに? 矢板君」


「ずっと前から好きでした! 俺と付き合ってください!」


「うん。私も好きです!」


「じゃあ!」


「うん」


 俺に唇を差し出す土田。


 それをきっかけに考えられないくらいの歓声が沸き上がる。


 俺はいやいやと手を振って拒否をする姿勢を取ったり、腕でばってんを作ってNGと口パクをする。


 しかし歓声は鳴りやまない。


 しぶしぶ俺も唇を突き出して土田を見据える。


 どんどん二人の唇は近づいていき、すんでのところで俺は大きな声でツッコミを入れる。


「するわけないやろ!!!」


 体育館には黄色い声が飛び交った。

 笑い声が収まるのを数秒間待つ。

 すると土田が一言。


「ボーイズラブやん……」


「お前や!」


 ばっちんと音を立てた土田の額はすっかり赤い。


「「どうもありがとうございました~」」


 二人で舞台袖に走った。


 最後のは文化祭という環境と土田がイケメンであることを最大限に生かしたくだりだ。

 土田と同等かそれ以上の人気者じゃないと成立しない諸刃の剣。


 だが俺の期待以上の観客の声が今も耳に残っていた。


「すげえええ! 俺こんなにウケたの初めてだよ!」


「え? お前漫才初めてじゃなかったのか?」


 そうだ。あまりの感動に「現在」の俺の感想が出てしまった。


「あ、そうだった…… 初めて初めて! 初めてでこんなにウケたのはお前のおかげだ。ありがとな土田」


 俺は手を差し出すが、土田はそれを握らない。


「行くんだろ」


 そして俺の背中を押し出す。


 その手は漫才で俺が行った土田へのツッコミすべてを合わせても足りないくらい心強かった。


「おう」


 俺は体育館を出て校舎の屋上へと走った。


 もうすでに陽も沈みかけていて、空では茜色と紫色が混ざり合っていた。


 必死になって階段を駆け上がる。


 校舎には誰もいない。


 大きな歓声を浴びて興奮したままの心臓が呼吸を妨げる。


 たかが四階までの階段がキツい。


 息を切らしながら屋上に着いた。


 しかし、夕暮さんの姿はなかった。


「……はぁ」


 膝についていた手を離して顔を上げると、反対側の屋上扉から初恋の人が歩いて来ていた。


「っ……」


 夜空に流れ星を見つけたようだった。


 屋上では風がびゅうびゅうと吹いている。


 そのせいで息を整えようにもなかなかうまく空気を吸い込めない。


 俺も彼女のほうに歩を進める。


 ちょうど屋上のど真ん中で俺たち二人は出会った。


「夕暮さん……」


「漫才、すごくおもしろかった」


 夕暮さんはにっこりと微笑む。


「ありがとう」


「いつの間に練習してたの?」


「放課後にこそこそと練習してた」


「もう文化祭終わりだね」


「……そうだな」


 夕日の方向を向いた夕暮さんの横顔は良く見えない。


「楽しかった?」


「え?」


「土田君と漫才やって楽しかった?」


「うん…… すごく。すごく楽しかった」


「じゃあ、最高の文化祭だ」


「夕暮さんは?」


 俺が聞くと夕暮さんはこちらに向き直る。


 しかし、彼女は何も言わない。


 たぶん。ここだろう。


「夕暮さん!」


 俺の声に彼女は無言できょとんと首をかしげる。


「春に出会ってから好きでした! 俺と付き合ってください!!!」


 深く頭を下げて手を突き出す。


 すると突然、眩暈がした。


「あれ?」


 どんどん身体がかき混ぜられる。


 この感覚は……


 身体が細く伸びてゆき、つま先の方から回る水流に呑まれる。


 夕暮れの空はどんどん黒くなっていき、そしてぐるぐると目が回っていく。


「どんなタイミングだよ……」


 次第に俺の身体はボウルの中でかき混ぜられて、俺の意思も無くなっていった。


 次の瞬間、気づけば舞台の上に立っていた。


 客席を見渡すと見たことのないほどのお客さんの数。


 相方の方を見ると自然と口からセリフが漏れた。


「この間、タイムスリップしたんですよ~」


読んでいただきありがとうございました。

よろしければ感想など頂けると作者は喜びます。


現在、青春恋愛ものの長編小説二作を連載中なのでよろしければそちらの方もどうぞ。



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