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現代童話集

欲張りな木こり

作者: 早崎富也

はじまりはじまり~




昔々、ある所に正直者の木こりがいました。


ある日、木こりが湖の近くで木を切っていると、手が滑って、斧を湖に落としてしまいました。


斧は湖に沈んでしまいましたが、その斧は木こりの唯一の仕事道具でした。

木こりが諦めきれず、湖を覗き込んで悩んでいると、湖の中から神様が現れました。


神様は木こりに訊ねました。


「木こりよ、どうしたのだ?」


「手が滑って、1本しかない斧を湖に落としてしまったのです」


木こりが答えると、神様はどこからか3本の斧を取り出して、訊ねました。


「お前が落としたのは、この金の斧か?」


「いいえ、違います」


「ではこの銀の斧か?」


「違います」


「ではこの木の柄がついた鉄の斧か?」


「はい、その斧です」


「お前は正直者だ。3本とも斧をやろう」


「ありがとうございます」


木こりは3本の斧を大事に持って帰りました。







数日後、その木こりの家に、1人の欲張りな木こりが訪ねてきました。

欲張りな木こりは、部屋にある金の斧と銀の斧を見て、訊ねました。


「この金の斧と銀の斧はどうしたんだ?」


「この間、神様から貰ったんだよ」


「そうか。いいな、おれも欲しいな…」







次の日、欲張りな木こりは湖の近くで木を切っていました。

そこは、金の斧と銀の斧をくれた神様がいる湖でした。


欲張りな木こりが木を切っていると、手が滑って斧を湖に落としてしまいました。


すると、また神様が現れました。


「木こりよ、どうしたのだ?」


「手が滑って、1本しかない斧を湖に落としてしまったのです」


欲張りな木こりが答えると、神様はまたどこからか3本の斧を取り出して、訊ねました。


「お前が落としたのは、この金の斧か?」


欲張りな木こりはしばらく悩んでから、答えました。


「神様。私が落としたのは、木の柄がついた鉄の斧です。でも、私はその金の斧が欲しいのです。どうか金の斧を貰えないでしょうか?」


神様は言いました。


「お前は欲張りだが、正直者だ。3本とも斧をやろう」


「ありがとうございます」


こうして、欲張りな木こりも金の斧と銀の斧を貰えましたとさ。




欲張りでも、悪いことをしなきゃいいんですよ。

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