第24話
「……なるほど、つまり空間固定の魔法を使う許可が下りたんで、俺に手伝って欲しいと」
「はいそうです」
康大は頷く。
ハイアサースは未だ少し言いたいことがありそうだったが、なけなしの敬老精神から黙っていた。
「まあしにが……ライゼル将軍の許可があるなら、そりゃ問題は無いぜ。ただどこでやる? 俺が記憶してるだけでもあの会場は結構な広だ。だからって大勢の人間が見てる前でやるわけにもいかんだろ」
「言われてみるとそうですね……」
康大は空間固定の魔法を、映画かビデオのように簡単に見られるものと勘違いしていたことに気付かされる。
魔法がその空間をそのまま記憶しているとしたら、投射するのにも同じスペースが必要なのは当たり前だ。確かにそう考えると、あまり使い勝手が良い魔法ではない。
どこがいいかと康大が悩んでいると、
「ならば同じ広間で使えばいい。あそこなら人払いも楽だし、現状との比較もできる」
意外にもライゼルが助け船を出してくれた。
康大とハイアサースだけでなく、クリスタでさえ信じられないような視線でライゼルを見る。
ライゼルは彼らの視線を真っ向から受け、平然と言った。
「私が殿下から受けた命令は、お前達の捜査の監視と協力だ。それぐらいのことなら私の裁量内でどうとでもなる」
相変わらずの仏頂面にキツい視線であったが、言っている内容は友好的だ。
この人ひょっとして見た目で誤解されるタイプなのかなと、康大は少し微笑ましく思った。
それから康大達は本城の広間に行き、早速クリスタに魔法を使ってもらう。
ライゼルはストーカーのように離れなかったが、ハイアサースは到着と同時にどこかへ行ってしまった。向かう途中で「腹の虫が……腹の虫が……」と譫言のように言っていたので、行き先は明らかである。
そしてクリスタは2人が見ている前で「時の現し身よ、我が視界に再びその残照を――」と詠唱を始める。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
その間、康大もライゼルも黙っていた。
(気まずい……)
2人だけになると、話すことも思い浮かばなかった。
多少評価は変わったとはいえ、恐怖心が完全に無くなったわけではない。殺人鬼から学校の鬼教師に変わった程度だ。出来るなら話したくない。
しかし、この間が持たない状況も苦痛だ。
だからといって、冗談を言っても愛想笑いを返してくれるような人間にも思えない。
今回の事件についてなら会話も出来ただろうが、緊張しているためか何一つ思いつかない。
悩んだ末に康大が出した答えは、
「いつも何してるんです?」
なんとも当たり障りの無い質問だった。
けれど今回は、それがあまりどうでもいい世間話ではなすまなかった。
「ほう、つまりお前は私も疑っているのか」
「え、あ、いや、そう言うわけじゃ――」
「ふん、不愉快だがその執拗な猜疑心は、調査には必要なのだろう。だが覚悟は出来ているのだろうな」
ライゼル鞘に収まった剣は敢えて抜かず、視線だけで威嚇する。
康大の頰に冷や汗が出る。
見えない背中にも、滝のような汗が流れた。
視線だけでも康大にとっては充分で、実際に首に剣をつきけられた気がした。
ライゼルが苦笑する。
康大は反射的に愛想笑いを返した。
「ひっ!?」
その刹那、ライゼルは康大の首筋に抜刀した剣を置く。
康大にはそれまでの動作が全く見えず、気付いたときには首筋に剣がかけられていた。
「どうやら終わったようだぞ」
そう言ってライゼルは剣を鞘にしまう。
振り返るとそこには、得意気な顔のクリスタとホログラムを投影したような景色が。
どうやら脅したのは視線だけで、その後の剣はただ後ろを示しただけらしい。
――いや。
(余計なことを言わない方が身のためだって言いたいのか)
それだけでわざわざこんなことをするはずがない。
行為の後ろに隠された意志を、康大ははっきりと感じ取った。
たとえ本人が、「指より剣で示した方が格好良いし分かりやすいだろう」と思った上での行為でも、康大がそう思うのだからそうなのだ。
「そら、よく見て見ろ」
「あ、はい」
クリスタに促され、康大はホログラムの映像をじっくりと見る。
ホログラムは現在の景色に薄く投影され、比較もしやすかった。さらにかなり正確で、花瓶に挿してある花の種類まで分析出来る。実際に使ってみると、ひどく有効な魔法だ。
事件の舞台となった広間は今は何も無いが、事件直後はどうやらいくつもテーブルがあり、そこに料理が乗せられていたようだ。
風景としておかしな点はない。
それなのに何か違和感がある。
(そうか、人間が誰もいないんだ)
すぐにそれに気付いた康大がクリスタに尋ねると、
「人間は除外するように指示されたんでな」
という答えが返ってきた。
どうやら記録するものもある程度自由に選べるらしい。
ここまで高性能な記録装置は、康大の知る限り現実セカイの地球にさえ存在しない。
妙なところで魔法のすごさを思い知らされる。
けれど、答えはもたらされたはずなのに、何故か違和感が完全に消えなかった。
(とはいえ、分からないことにいつまでもかかずらってる場合でもないか)
そう判断した康大は、話を先に進める。
「ところでアス卿はどこら辺で倒れたんですか?」
「俺はよく知らねえが、そのあたりじゃないか、床に染みがあるし」
クリスタの示した所には確かにホログラムだけ染みがあり、今のベージュの絨毯上には何も無い。
「おそらく魔法で染みを取ったんだろう。まあえらい人は染みを取ってから記録残して欲しかっただろうが、俺もそれを待ってるほど暇じゃないんでね」
そう言ってクリスタはがははと笑う。
何かやたら親近感を持つような魔法使いだなと思いながら、康大はそのあたりをよく観察した。
染みは赤黒く、それが模様ではなく何かを落としたことであることは明らかだ。
更によく見ると、近くに空になったワイングラスが転がっている。
そこにわずかに残った中身を見る限り、飲んでいたのは赤ワインのようだ。
「それじゃあアムゼン殿下は?」
「殿下はそこのテーブルだ」
さすが護衛の責任者だけあって、ライゼルはアムゼンの場所はしっかりと覚えていた。
康大はそのテーブルに移動し、同じように詳しく見る。
違いは明らかだった。
「……アムゼン殿下のワインはテーブルに置かれたままですね。減ってはいますけど」
「そうだな。確か殿下が倒られた時は、手に何も持っていなかった」
目を瞑り、当時を思い出しながらライゼルは答える。
(アムゼンに関してはもっと詳しい情報が聞けそうだな)
そう思った康大は更にライゼルに尋ねた。
「アムゼン殿下は途中で飲むのを止めていますが、やっぱり途中で気分が悪くなったんですか? それとも下戸とか?」
「殿下はうわばみというほどでも無いが、下戸でもない。ただその日は気分が乗らなかったのか、あまり飲まなかった気がする。少なくとも私から見て、具合が悪そうには見えなかったな。何の前触れもなく倒れられた」
「そうですか……」
康大は今の情報を頭にインプットし、今度は他の様子も見る。
そんな康大を監視……というより物珍しげに見ているライゼルに部下の1人が近づき、なにやら耳打ちした。
ライゼルはそれに対し簡潔な指示をすると、広間入り口の扉が開き、見知った顔が入ってくる。
「よう、捜査は順調か?」
「コータも食べるか?」
ザルマは普段と変わりなく、ハイアサースは両手にバケット持って現れた。
いままでライゼルの部下に足止めでも喰らっていたのだろう。
ハイアサースが放り投げたバケットを受け取り、康大はザルマに向かって言った。
「ぼちぼちって所だな。お前の方は?」
「残念ながら、未だアイナ様の無罪を証明出来る証言は引き出せていない」
そう言ってザルマはため息を吐いた。
「しかしアムゼン殿下がああ言った以上、もはやそこまで必要でない気もするのだがな……」
「まあそう言うなよ。アイナ様だって実際に証明されないと安心出来ないだろ」
今のアイナの無罪放免は、敵陣営であるアムゼンの思惑によって生じたもの。
アムゼンの気持ち次第では逆転冤罪もありえる。
インテライト家の立場を考えれば、アムゼンの思惑関係なく無罪である証拠を確保しておく必要がある。
――といった話はさすがにライゼルの前では出来なかった。
「しかし、噂には聞いたことがあるが、なかなか面白い魔法だな。それで、何か私に手伝えることはあるか?」
「・・・・・・」
「どうした?」
「いや、何でもない。確かお前自身も晩餐会に参加していたな、何か気付いたことがあるか調べてくれ」
「分かった」
康大の指示にザルマは頷く。
初めて会ったときから比べるとずいぶんな変わり様だなと、康大は皮肉交じりに思った。
もし、あの頃のままなら、協力を申し出るどころか、何を言ってもお前の命令など誰が聞くかと、意地を張って断られただろう。
人間命の危機を体験すると、変わるものなのだろうか。
今の自分も含めて、そう思わずにはいられなかった。
その一方で、全く変化が感じられない人間もいる。
「うわなんだこれ!? グラスが持てないぞ!」
2人の背後でハイアサースが驚きの声を上げる。
どうやらこの状況を彼女だけ把握出来ていないらしい。
今まで感じていた緊張がハイアサースの一言で、一気に軽くなった気がした。
ストレスに対する特効薬である婚約者に、康大は苦笑しながら説明してやった。
「これはホログラフ……というか、当時の景色の幻を見せる魔法だ。実際には触ることも出来ない。だからそのグラスに入ったワインは持てないぞ」
「そんな魔法があるのか……。ううむ、私の好きそうな白ワインばかりなのに残念だ……」
ハイアサースはがっくりと肩を落とす。
それは、何の意味も無い食い意地の張った修道女兼女騎士の他愛もない戯れ言だった。
しかし康大は、その一頃で重要なある事実に気付く。そして今まで抱いていた違和感の正体にも。
それを確かめるべく、康大はバケットを囓りながら広間の全てのテーブルを回った。
「なんだ、どうした?」
「お手柄だハイアサース、この広間の異常にようやく気付くことが出来たよ」
「異常?」
当事者であるまずライゼルが首をかしげた。
そんなライゼルに康大は頷く。
「この晩餐会で飲まれたワインがテーブルにいくつか残っているんですけど、それは全て白ワインなんです。つまり赤ワインを飲んだのは死んだアス卿とアムゼン殿下だけだったんです!」
「なるほど」
ライゼルの返事は素っ気なかった。
こんな重要な真実を軽く聞き流すとは。将軍としては有能でも、探偵としての才能は無いらしい。
そう上から目線で思いながら、康大はライゼルに説明する。
「俺は今まで漠然と、同じようなワインのうちのどれかに毒を入れたと思っていました。でも赤ワインは晩餐会では1本だけ。そこまではっきりしていたら、用意した人間も容易に分かるじゃないですか! ワインの現物がなくてもそこから調べれば――」
「言いたことは分かった。だがその線から調べるのは、まさに時間の無駄だ」
「どうしてですか!?」
「ワインを用意したのは他ならぬ殿下だからだ。おそらく他が白ワインなのは、給仕が殿下に気を使ったからだろう。同じワインで味が勝っていたら、殿下の面目を潰すことになるからな」
「そんなあ……」
どうやらマウントをとれると思っていたのは、早とちりだったらしい。
「うう、何かすごい重要なヒントだと思ったのに……」
「まあワインに関しては、さすがに私達も入念に調べたぞ。問題のワインは殿下が飲まれるまで、未だ封は切られていなかった。そしてあまりに慎重さに欠ける殿下の為に、購入したものは必ず私達が入念に毒があるか魔法で調べるようにしている。また保管場所は殿下以外利用出来ず、毒を混入するタイミングは存在しなかった断言して良いだろう。さらに魔法による調査で、ワインからしか毒は出なかった。となるとワイン瓶自体を殿下が封を切るまでの間に、何者かが巧妙にすり替えたとしか考えられん。さすがに私もワイン瓶まで注視していたわけではないしな」
「うう……」
康大はがっくりと肩を落とす。
せっかく重大な事実に気付いたと思ったのに。
けれど、神(女神を除く)はまだ康大を見捨ててはいなかった。
「……おい、ちょっとこれを見てくれ」
ハイアサースが康大を呼ぶ。
「どうした?」
「ここに落ちてるワインの破片なんだが……」
ハイアサースはそう言って床を指さした。
当時のロビーにはアス卿以外にも、驚いてグラスを落とした参加者が何人かいた。
そのため、ガラス片がそこかしこに落ちていたのだが――。
「これ、赤ワインを注いだグラスじゃないか?」
――そこに康大も見落としていた事実が隠されていた。
「マジかよ!?」
「少しだけしか染みがないが、これは明らかに赤ワインだろう。私もよく胸にこぼしたことがあるから分かる」
「そっちもマジかよ!? ……てそんなことより!」
康大は慌てて床を調べた。
ハイアサースの言う通り、確かに絨毯に出来た染みは赤黒い。
そして位置的に、アス卿のワイングラスが飛んででてきたとも考えづらい。何より破片を組み合わせたら、確実にワイングラスが二つ出来る。
「このワイングラスはいったい誰が!?」
「……アイナ様だ」
背後から様子を見ていたザルマが、厳かに言った。
「私は晩餐中、ずっとコアテル殿下とアイナ様を注視していたから、その場所にアイナ様がいて、赤ワインを飲んでいたのをよく覚えている。おそらくお2人が倒られたことに驚いて、その時落としてしまわれたのだろう」
「……つまり殿下とアス卿が飲んで倒れたワインを、アイナ内親王殿下も飲んでいたと?」
康大が聞く前に、ライゼルがザルマに尋ねる。
その視線は今までの表情が笑顔に思えるほど厳しく、問い詰めるようであった。
ザルマは一瞬その気迫飲まれるが、康大と違い目を逸らさずに答えた。
「間違いありません。ここにはアイナ様がおられました。アイナ様はその……しゅら……大変お酒が好きで、アムゼン殿下がわざわざ用意したワインなら、興味を持たれ密かに頼むのも不思議ではないかと……」
「ではなぜそれを捕まったときに言わなかった。あの方は捕まってから、ずっと自分は無実としか主張していなかったぞ」
「おそらく自分が無事である以上、まさか毒に使われたワインを飲んでいたとは思わなかったのでしょう」
「・・・・・・」
ライゼルは目を瞑り考え始める。
そのライゼルの代わりに、康大は結論を出した。
「つまりアイナ様も毒を飲んでいたわけだな。当然ワインの瓶に毒が入っていたとしたら」
現状それ以外考えられない。
「しかしアイナ様は軟禁された部屋で今でもぴんぴんしておられる。相変わらず酒も嗜まれておられた。これはいったいどういうことだコウタ?」
「俺は2つの可能性があると思う」
康大は言った。
全員の視線が一斉に康大に集まる。
「まず1つは、毒がそもそもワイン瓶に入っていなかった場合。たとえばグラス以外に、食器とかついてたり。もう1つは毒が特定の人物にしか効かないってこと。現実的に可能かどうかは分からないけど」
「前者に関しては先ほども言った通り、ワインからしか毒が検出されなかったのであり得ん。後者に関しては、優秀な医者か薬師なら、そういうものが作れるという話を聞いたことがある」
ライゼルは言った。
アナフィラキシーショックのように現実セカイでも利用出来るケースはあるが、異世界的にもどうようらしい。
しかしライゼルには別に気になることがあるようだった。
「だが、だからなんだというのだ? 方法が違ったからと言って、それでどうやって真犯人が分かるというのだ?」
「分かりません」
康大は断言した。
ますますライゼルの不審は強まる。
「貴様いったい何が言いたいのだ……」
「そもそも俺がアムゼン殿下に頼まれたのは、誰が真犯人かじゃなくてアイナ様の冤罪を晴らすことです」
「・・・・・・」
ライゼルはわずかに目を見開く。
どうやら今の説明で十分通じたらしい。
ハイアサースもうんうんと頷いているが、こちらは適当に反応しているだけだろう。隣の眉間に皺を寄せているザルマ同様、分かっているとは思えない。
だが、ライゼルも完全に納得したわけでは無かった。
「つまりお前は、こう言いたいのだな。アイナ様が犯人なら自分で用意した毒入りワインを飲むはずがない、と」
『なるほど!』
ようやく意味を理解したハイアサースとザルマが、2人揃って感心する。
未だ疑問が消えないライゼルを見ながら、この2人ぐらい単純だったらなあと、康大はつくづく思った。
「しかし、疑いを逸らすためにわざと飲んだ、とも考えられるぞ」
「いいえ、それは考えられません」
「……どういうことだ?」
「理由はいくつかあります。まずアイナ様は毒入りワインを飲んだことを主張しませんでした。これでは人に頼んでわざわざ飲んだ意味がありません。また、無事であることも理由の1つです。同じ被害者でありたいなら、自分もある程度の被害を見せなければなりません」
「解毒薬を飲んでいたという可能性も……いや、それではそもそも飲んだ意味すら無いのか」
ライゼルは質問を言う前に、自分でその答えを導き出した。
ハイアサースやザルマもこれぐらい飲み込みが良ければ良いなと、康大は思った。
「はい。そもそも即拘束されたアイナ様に、そんな余裕はありませんでした。以上のことから、アイナ様がワインを用意したという話は、完全な濡れ衣であると断言します」
「……確かにお前の話は一理ある。ではいったい誰が――」
「それ今重要ですか?」
康大はこともなげに言った。
現実のセカイでは重要なファクターだ。真犯人が分からないまま終わるサスペンスなど、誰も納得しない。
しかしこのセカイ――というよりこの事件では重要なことは1つだけだった。
「重要なのは、この事件の真相が、アイナ様がコアテル殿下を王位に就かせるための毒殺ではなかった、それだけでしょう。アムゼン殿下の御意もそうだったはず。それにも拘わらず、勝手に俺達で真犯人を捜す必要性がありますか?」
「・・・・・・」
ライゼルは黙った。
反論が無いあたり釈然としないまでも、納得はしてくれたらしい。
康大はほっと胸をなで下ろす。
かなり強引な理論だが、とりあえず目的を達成することは出来たようだ。
力尽くで「捜せ」と言われたら、康大も反対し続ける自信が無い。
もし継続捜査を強制されたら、最終的にはライゼルの前で真犯人の名前を言わなければならない。
康大としてはそれだけは避けたかった。
「……まあいいだろう。よくやった。それでは殿下の元に報告に行くぞ。そこまで理由があれば、アイナ内親王殿下の軟禁も、すぐに解かれるだろう」
「はい」
康大は頷く。
その背後で、ハイアサースとザルマの話声が聞こえた。
「それにしても結局真犯人は誰だったんだ?」
「いや、俺に分かるわけないだろ、コウタだってよく分かってないみたいだし」
「・・・・・・」
コウタは2人の話を背中に受け、黙って歩き出した……。




