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第64話 勇者処刑作戦2

「ミュー! ハスキー!」


その言葉に、ハスキーとミューは声の方向を見る。


「ゆ、勇者さまぁ……」

「へ。思い出したかボーズ」


シェイドは人質の縄に手に持つ大鎌をあてがい、言い放った。


「勇者よ。無駄な抵抗は止めよ。急ぎ至宝の装備を脱げ」

「な、なに?」


「聖王のマントはブレスや攻撃魔法を弾き、フェニックスの兜は傷を癒やす。物理攻撃は神々の加護で守られる。そうだろう」

「そ、そうだ」


「虹の鎧は魔物を近づけぬだったかな? それは今無いようだが、マントが無ければ攻撃魔法は効くと言うことだ」

「……くっ!」


ジエンガはフワリと勇者の前に降り立った。


「さぁ、脱ぎ脱ぎしましょうね~。人質を殺されたくなかったらね」

「く、クソ!」


勇者は首に結ばれているマントの紐を緩めると、マントは風に流されて地に落ちた。続いてフェニックスの兜に手をかけ上に上げると、やんちゃに跳ねた髪が現れ、この時点で勇者を守るものが無くなった。


「ボルガぁ!」

「ぐわ!」


ジエンガの指から輝く火球が現れたかと思うと、それが勇者の身を焼く。勇者は地面に転がり回った。


「ひゃはっ! シェイド! 効くよ! 魔法が効く!」

「ふはは。いいぞ! もっともっといたぶってやれ!」


「熱そうだから、今度は冷やしてやろう。カルスォ!」

「わぎゃあ!」


ジエンガの手から輝く吹雪が噴き出しが勇者を襲う。

彼はひと声悲鳴を上げると動けなくなった。


「おいおい。死んだふりかよ。立てよ。人質を殺されたいのか?」


勇者に起き上がる気力はない。だが、震わせながら腕を立て、焼け焦げた足を折り、もう一度大地に立ち上がった。


「元気がいいね。ボル!」


小さな火球の魔法だ。魔法の初級の初級。それが装備も何もない勇者の胸に当たると、彼はバランスを失い後ろに倒れ込んだ。



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