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魔法教育開始します(2)

いや、マジどうなってんの?

俺、今聖女だよね??俗に言うチートキャラだよね??

やってみたらできちゃうのが普通じゃない???

だって聖女だよ???




「リシャ殿、大丈夫か?少し休まないか?」

ハルス様が心配そうに話しかけてくる。

「大丈夫ですよ。」

大抵どんなに遅くても、1時間もするとみんな魔法が使えるようになるらしい。

にもかかわらず、どの魔法も発動しないことにリシャは焦りを感じる。

「はじめてもう2時間は経ちましたよ?少し休みましょう?」

近くで見守っていたマミュウラ様にまで心配されてしまった。

「あと少しだけ……ダメですか?」

リシャは最大のぶりっ子顔で上目遣いをして2人を見る。

「えぇ……っと………」「うぅ……………」

休ませたい気持ちが強いがリシャの願いに2人が悩んでしまう。

(あと一押しだ!!)リシャが畳み掛けようとした時、

「いやいや、ダメだろ。許しちゃ。」

後ろから声がした直後、

『レイオス様(殿)!』

2人が声を揃えて男の名前を呼んだ。

振り返り、そこに居たのは

(オスカー!?!?!)

リシャが前世でやり込んでいたRPGゲームのオスカーというキャラクターにそっくりな男だった。

渋い面立ちに灰色の短髪、鋭く光る黄色の瞳。

少し輝く白髪が混じっているという点がそのオスカーとは違うが、見るからにイケオジと呼ばれる部類の人間だ。

驚き固まっているリシャに

「俺はレイオス・イラクート。魔法騎士団の指揮官をやってるよ。よろしくな。聖女ちゃん♪」

とにこやかに挨拶をされ、慌てて

「あ…私はリシャ・スティードルと申します。よろしくお願い致します。イラクート様。」

とお辞儀をすると

「あーあーいいよ畏まらなくて!イラクートじゃなくてレイオスって呼んでね〜」

と言われ、

「はい。レイオス様。」

とリシャは笑って答えた。

「それでだけどー、聖女ちゃん今日は魔法練習もう禁止ね」

(えっ!なんで!!)

どうやら驚いたのは私だけではないようだ。

マミュウラ様とハルス様も驚いて、声を上げていた。

「あの、それはどうしてなのでしょうか?」

どうしても気になり尋ねると、

「まだ勘だけど、魔法を使えない何かがあるのかもしれないから……だね。原因が分からないとこのまま続けても変わらないよ?」

勘だと言っていたがかなり神妙な面持ちにリシャは魔法練習を切り上げざるを得なかった。




ハルス様とレイオス様は2人で話があると言うのでリシャはマミュウラ様と共に部屋に戻ることになった。

道中、マミュウラ様にレイオス様の勘はとてもよく当たるのだと教えて貰った。

だとしたら、何が魔法を使えなくしているのだろうか?考えてもリシャには思いつかない。


部屋に戻ると、2時間も魔法練習に付き合わせてしまったのを思い出し、マミュウラ様に謝るとマミュウラ様は謝られることではないと笑顔で返された。


まさか聖女になったのに魔法が使えないなんて思わなかったとリシャは落胆した。

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