魔法教育開始します(1)
最近さぁ、俺、なんか、不思議なことがあってさ…………
え?そんな事いいから早く続き??
いやいや、これもきっと関係あるからちょっとだけ聞いてくれよー。絶対関係あるとは言いきれないけど……
それがな、最近やたらプレゼントと手紙が届くんだよ。
プレゼントは全部高級な髪飾りやドレス。手紙の内容は………まぁ、普通だな。天気がいいねとか今日はこんなことがあったよとかだな。
ただ、差出人が書かれてないんだが毎回同じ押し花を添えてくるから全部同一人物だと思うんだよな………これもモテモテ効果のせいで釣れちゃったやつなんだろうがせめて名前くらい書いて欲しいよな。
侍女たち曰くプレゼントの中身は高級品ではあるが特に怪しい点はないんだと。
きっとリシャ様に一目惚れなされたお貴族様が送ってくださるのねーとか嬉しそうに話してたな。
まぁ、その他にもあって、最近は特になんだが、マミュウラ様がずっと俺に付きっきりでいる事だ。
何度尋ねても「護衛ですから」って返される。
いつもは部屋に入っては来ないけど、いつも廊下にいるし、ちょっと移動するのにもついてくる。魔法教育の時間になると魔法の誤作動防止のためって言って部屋に入ってくるし。
いくら聖女の護衛とは言っても護衛ってそんな付きっきりじゃないといけない仕事なのか???謎だ。
「リシャ殿?聞いてるか???」
ハルス様が不思議そうにリシャの顔をのぞき込む。
「え、あっごめんなさい」
「あのね。魔法についてはだいたい教えたから明後日からは実際に練習していこうとおもってるんだ」
「えっ!本当!?」
リシャは目を輝かせた。
「うん。だから明後日からは向こうの広間に来て?」
ハリスは窓の外を指さした。
「はい!楽しみです」
(やっと魔法が使えるのかー!早く明後日にならねーかな!)
ハルス様曰く、魔法には火、水、木、土、光、喑が主にあって、6つのどの分野が得意不得意というのが人によって別れているらしい。
その他にも鑑定魔法のように6つのうちに収まらない魔法もある。
土と木や火と光は相性がよく、魔力の多い人はその2種類の複合技も使えるそうだがハルス様を含め限られた人しか使えない。
いや、とか言ってもだぞ?
俺、聖女だし?楽勝だろ。
って、思ってたんだけどーーーー!!!!!
リシャの心の声が蒼空まで響いた気がした。