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(5)

コンコン


「朝早くにすみません。リシャ・スティードルです。ハルス様、いらっしゃいますか?」

扉越しに少し声を張ると、部屋の中からバタバタと慌てる音が聞こえる。


キィ……

扉からハルス様がひょっこりと顔を出した。

「中、どうぞ」

と少し気まづそうにしながらも部屋に入れてもらえた。


「ハルス様に貸していただいた上着を返しに来ました」

とリシャが恐る恐る上着を渡すと

「それだけ?」

とハルス様に訝しげに訊ねられた。

「昨日言っていたことも気になります。もう会えない理由とか……。」

と慌てて答えていると

「そんなに慌ててこなくても服くらい着替えてくればよかったのに……来る途中誰とも会わなかったか?」

と言いながらまた上着をかけられた。

(は?どういうこと?)と思いながら自分の格好を見ると寝巻きのままだった。

「うぁぁ……すみません。転移してきたもので、誰とも会ってないです。」

(やらかした!あろうことかハルス様の部屋に寝巻きで来るなんて!こんなの目撃されたら恋仲の噂どころか証拠になっちゃうじゃん!)

「昨日はいきなりでごめん。理由は後で話してあげるから服着替えて朝食とったあとにまたおいで?俺も今日一日暇だから。もう1回転移魔法使えそうか?」

とはにかみながら言われた。

「……はい。では、また。」

とお辞儀して自分の部屋に戻った。




部屋に戻ると侍女がかけてきて服を着替えさせられながら説教された。

「それで、結局上着は返せなかったのですね」

とハルス様の上着を畳まれた。

「まさか……その格好で第2王子様に会ったりされてませんよね?」

とものすごく圧をかけられたので「うん」としか言えなかった。


(あんなに急いで部屋を出たのに結局ハルス様の上着だとバレちゃうし……)

と肩を落としていると

「リシャ様!ずっと気になっていたのですが、結局は誰なのですか!」

と意を決した様な表情の侍女に問い詰められた。

(誰……?もしかして俺の正体が……?てか、今更?10年近く俺の侍女してたのに?)

と頭に?をいくつも増やしていると

「私、初めは護衛のルシエラ様だと思っていたのです。しかし最近は指揮官のイラクート様とも仲が良さそうで……もしかしてそちらの気もあるのでは……?でも、今回の上着といい第2王子様という線も……」

と侍女が1人で勝手に悩み始めた。

(何言ってんだ?てか、マミュウラ様とレイオス様は家名だと違和感あるな)

と考えていると

「結局!どなたなのですか!」

と言われたので「どういうこと?」と聞くと、誰と付き合うつもりなのかと言いたかったのだと。

「いや、誰とも付き合わないし」

と呆れていると

「そんな……私、ルシエラ様に賭けてたのに……」

とガックリしていた。

「おい、ちょっと待て、「賭けてた」って言った?賭けてんの?」

と驚いていると

「はい。ここの侍女の8割は賭けてます。1番人気は第2王子様で、2番人気は護衛のルシエラ様です!」

と言われた。

「人の恋路で遊ぶなよ……」

リシャは少し頭が痛くなった。

ブックマークの数が増えてました!

最後に見た時は200件くらいのイメージだったんですけど、今日見てみると260件!

見てくださっている方がいらっしゃることに驚きです!ありがとうございます!

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