(2)
「んん゛ぐぁあ、寝てた…」
リシャが目を覚ましたのは国境を越えたあたりだった。
「よく眠ってたな」
ハルス様の声でハッとした。
(やばい、めちゃめちゃもたれかかってた…)
「すみません!」
慌てて離れると肩を引き寄せられた。
「えっ」
びっくりしてハルス様を見ると
「あ、いや……寄りかかっていても問題ない」
と照れたように言われた。
しばらくの沈黙が続き、
「あ、あの、今回はすみませんでした。ハルス様は女性が苦手だとお聞きしたのに、無理にアルライナ様と会わせるようなことをしてしまって…」
リシャが恐る恐るハルス様を見ると、ハルス様は複雑そうではあったが怒ってはいないようだった。
「ハルス様…?」返事がなく顔を覗き込むと
「っ!あぁ、まぁ、ナタカラ国の聖女殿には少し…困惑したが、それはリシャ殿のせいではないさ…。」
と困ったように笑った。
何か違和感を感じ、
「アルライナ様から何か、言われたりしました…?」
と尋ねると
「っ!こういう時は鋭いんだな…」とハルス様は困ったように笑った。
(心配したのに失礼だな!)
とは思ったが、あまり深堀するのもなと思い黙ると、
「俺には踏み込んで来てはくれないのか…」
とハルス様が呟いたがリシャにはよく聞こえなかった。
「あ、そういえば!レナタ様からスノードームのような置物をいただいたんです!ナタカラ国の名産品だったりするんですかね?」
とハルス様に見せると、
「えっ!それ!映像通信機じゃないか!!」
と驚いていた。
「映像…通信機……」(やられた…)
リシャが頭を抱えると、
「何となく気づいているかもしれないが、それは国宝までとはいかないが、かなり貴重な代物だぞ…」
とハルス様も頭を抱えた。
「…ごめんなさい」
リシャは己の詰めの甘さにとことん嫌気がさした。
ご無沙汰しております!4ヶ月ぶりくらいですかね?
今年入ってから卒業間近なのに就活する暇もないくらい課題で忙しく、睡眠時間すら取れてなかったので心身共に異常をきたしており、卒業後は1ヶ月間十分に休み、完全に復活致しました!!
もはや待ってくれている方もいないと思いますが
マイペースに更新していきます!