もうヤダ!帰る!(4)
リシャはあまりの雰囲気に痺れを切らし、
「れ、レナタ様も反省してらっしゃいます!少し……落ち着きましょう?」
肩に回されたマミュウラ様の手を握り見つめるとマミュウラ様は飼い慣らされたペットのようにしおらしくなり「リシャ様がそう仰るなら……」とリシャを見つめた。
リシャは慌てて視線を逸らし
「れ、レナタ様!先程のこともありますし、体調が優れないのでは?自室にお戻りになられてはいかがでしょうか?」
と話しかけるとレナタ様は少し驚いたような悲しいような表情をして「そうだな…失礼する」と肩を落として部屋から出ていった。
災難が去り、リシャがほっとしてソファに腰を下ろすと
「リシャ様はベルナーレ皇国の聖女様でいてくださいますよね…?」
と少し不安そうにマミュウラ様が尋ねてきた。
(ぐはぁっ!なんだその捨てられた子犬のようなしょぼん顔は!!くっ!これだからイケメンは!)
「リシャ様?」
マミュウラ様の声でふと我に戻ったリシャは慌てて
「っはい!もちろんです!!私はベルナーレ皇国も皆の事も大好きですから、出ていくつもりはありません!」
とはっきり答えるとマミュウラ様は嬉しそうに「そうですか」と微笑んでいた。
「あ!ていうか、マミュウラ様お一人ですか!?ハルス様はどちらに?」
唐突に思い出し、リシャが焦っていると
「はい。体調が優れないとのことで護衛の方々と共に自室にお戻りになられました。」
「そ、そうなんですね。少し安心しました。」
と答えると疲労感から眠気が来てしまい、ソファにうつらうつらしながら横になった。
「リシャ様はなぜ……皆に優しいのですか……私はリシャ様の特別にはなれませんか」
眠りにつく前に少し悲しげな声が聞こえた気がした。
息抜きで書いているので次の更新は分かりません。
課題などで常に忙しいので今後今回のように時間が取れるかどうかも分からないのでまたしばらく更新できないかもしれません。