もうヤダ!帰る!(2)
「ねーえーリシャちゃーん。おねがーい。あんな美味しそうなの10000年に1体くらいだヨ???僕あれ欲しいーー。ちょうだい?」
バルは玩具をねだる子供のようにレナタ様を指さしてリシャに懇願した。
「えっ、そんな事言われてもレナタ様はこの国の王子様だし……ってかそうじゃなくても……もう、なんか、ダメ!」
リシャがそう告げるとバルは拗ねた顔で
「んーむぅ!………わかったヨ。リシャちゃんがそういうなら我慢するネ」
と言い残して消えていった。
リシャがなんだったんだとぼけーっと天井を見上げているとレナタ様に腕を引っ張られレナタ様に両肩を捕まれ対面した。
いきなりでまたもや混乱するリシャに気づかないのかレナタ様は「リシャ……我は…………」と呟き、ふとリシャの胸元のペンダントを見て固まった。
「誰からの贈り物だ」
しばらくの沈黙のあと、レナタ様がペンダントを握りしめた。
「これ…は、レイオス様から…」
「そうか、我からの贈り物はつきかえすのにあんな意地の悪そうなじじいからの贈り物は受け取るのか」
とレナタ様は苦い顔をして呟いた。
リシャはレイオス様が馬鹿にされたことに無性に腹が立った。
「何それ、うざ」
気づけばつい声が出た。
レナタ様は首を傾げ「……う……ざ?」といった。
どうやら意味は伝わっていないらしい。
リシャは少しホッとして言い直した。
「これは私を守るためにと頂いたものです。レイオス様をそのように侮辱されてはさすがに私も腹が立ちます」
とリシャがレナタ様を睨みつけた。
「違う。何故だ。何故、昔からこうも上手くいかないんだ。我はただ……」
そう言うとレナタ様はリシャに覆い被さるように倒れた。
誤字報告沢山して下さっていて…もう、本当に自分自身の学習能力のなさを感じて呆れると共に、わざわざ手間をとってまで報告してくださっているということに感謝が尽きません。
ありがとうございます( ;∀;)