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聖女ですが中身は男です(3)

いくら見た目は女でも、俺は男だ。

だが、あんなイケメンに迫られりゃ……いくら男でも…………いやいや!絶対ダメだ!俺は男だ!俺は可愛い女の子が好きなんだ!イケメンなんて!!



「リシャ様?そろそろお時間ですよ」

馴染みの侍女がリシャに笑顔で声をかける。

かわいい。

「あぁ、そうだな。」

「あ!リシャ様?いくら私しかいないからってそんな言葉遣いはダメですよ!」

侍女は口を尖らせる。

「ごめんごめん、ついね?」

「全くもう!今回だけですよ?」

「………次からは気をつけます」

「そうだ!リシャ様はリシャ様の魔法教育係が誰かご存じですか?」

侍女が目を輝かせて言った。

「い、いえ。誰なのかしら?」

(何だか嫌な予感がする。)

そんなリシャのこわばった顔に気づかず侍女は話し続けた。

「あの皇族1の魔力使いと謳われる第2王子様が直々に魔法をリシャ様に教えたいと申し出していらっしゃったのですよ!」

「えええええ!ちょっと待ってよ!どういうこと!?!?」

驚きのあまり素が出てしまったが侍女は気にせず続けた。

「リシャ様が驚かれるのも無理はありません。貴族にもお目にかかれる方は少ないですもの!」

リシャが驚いたのはそれだけではない。

「それになんといってもあの美貌ですもの!」

侍女はとても誇らしげに語った。

リシャも、肖像画で見たことはあるが、少し童顔ではあるがエメラルドグリーンの髪と瞳に真っ白の肌が宝石のように綺麗だった。

(こちらから関わらなくても向こうからくるとは……)

(ん?待てよ?)

「ねぇ?第2王子様はなんで私の魔法教育係なんて申し出されたの?」

第2王子様は女嫌いで有名だ。人前に出ないのもそのためだ。

にもかかわらず、いくら聖女とはいえ女であるリシャに自分から近づこうとするなんて考えられない。

「それが、私にもハッキリとはよく分からないのですが……噂…ですよ?噂では、リシャ様に一目惚れされたとか!!あぁ、ロマンチックですね!」

うっとりとした表情で話す侍女にリシャは

「え?でも、私まだ第2王子様とはお会いしていませんけど……」

「噂なんですけどね!第2王子様のお付の方が、リシャ様が王宮に来た時に第2王子が蕩けた顔でリシャ様を見つめていたと……噂ですが!」

侍女は噂という言葉を強調しそう告げた。

(あぁ、モテモテ効果は姿を見られた時点で発動してしまうんだな……)

リシャは心の中で神様を恨んだ。


ちょうどそのタイミングで

バサバサッと、扉の向こうから本を落としたような音が聞こえた。


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