怖くなんてない(3)
「あっそ、まぁ、あんたがハルス様を好きではないって言うならどっちでもいいわ!私の邪魔しないでよね!」
アルライナはそう吐き捨てて元の部屋に戻っていった。
俺、なんでみんなが好意を抱いてるって分かってて避けないんだろ。なんで……?
……………………………………
あーもー!!考えてもわかんねぇよ!
神様ならわかんじゃね?てか、もしかしたら神様のせいじゃねぇか!??
おーーい!!!もう用事は終わった頃じゃねぇーのーー?かーみーさーまーーーー!!
急に目の前が光り輝いた。
いつも2人の時は発光なんてしねぇのに……まぶしっ
「……は?」
リシャ目の前にいたのはいつもの美しい神様……ではなく、ものすごく……なんて言うんだろ………古風?な??感じのThe神って感じの発光する人だった。
「うるせぇわい。誰じゃ。お前。なぜわしを呼ぶ」
「え?俺は神様を呼んだ気が………???」
リシャが困惑すると
「何をほざいておる。わしがこの国の神じゃ」
「この国?国によって神様って違うの?」
「なんじゃ知らんかったのか。お前の呼んだ神はどこの国じゃ?」
「ベルナーレ皇国です」
「ベルナーレのか。呼んでやろう思うたがあいつとは気が合わん。諦めろ」
「はぁ、そうですか」
「それより、お前ベルナーレの聖女か。」
「はい。そうですが…」
「聖女なのになぜ魔のものとおるんじゃ?」
「魔のもの……?」(リナールのことかな?こっちに来てからは姿見てないけど……)
「お前、リナールとも繋がっておるのか…!?あ!まずい!まだ仕事が残っておるんじゃった!ベルナーレのは好かんがお前は気に入った。また呼べ!ナタカラの神と呼ぶんじゃぞ!」
そう言うとナタカラの神は消えていった。
「リシャ様?」
戻るのが遅かったのを心配したのかマミュウラ様がやってきた。
「あ、ごめんなさい。ぼーっとしていて……」
「やはりあの聖女様になにか…?」
マミュウラ様が怪訝な顔をする。
「え!いや!それは全く!!仲良くお話ししただけです!」
「仲良く?向こうの聖女様はそのような顔ではなかったのですが……」
「いいえ!仲良くです!」
「そ、そうですか…?」
何故ハルス様を振らないのか、なんて話をマミュウラ様にできるわけもなく無理やりごまかした。
「………部屋にお戻りになりますか?」
「…はい」
リシャがまたあの気まずい部屋に戻るのかと少し肩を落としていると、
「やはり、少しここにいませせんか?」
マミュウラ様の言葉に驚いた。
「え?いいんですか?」
「いいも何も私がお誘いしたんですよ?」
マミュウラ様が微笑む。
「じゃあ、少し2人でお話しましょ」
リシャはハルス様のことをすっかり忘れてマミュウラ様と話し込んだ。