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怖くなんてない(2)

「あっ、そういえば、マミュウラ様はベルナーレ皇国のご出身ではないんですよね?」

リシャが尋ねると

「…はい。そうですが」

マミュウラ様が少しだけ暗い顔をした気がした。

「あ、どちらのご出身かなど………聞いても?」

「それは……」

珍しく歯切れの悪いマミュウラ様に

「ごめんなさい。私の好奇心なので話したくなければ……」

「いえ、いいんです。リシャ様ですから。」

(ん?俺だからなんなんだ???)

リシャが少し困惑していると

「私は…キマス国の出身です。」

(……キマス国?そこって…)

「魔に近い国……」

「はい。そう呼ばれています。」

(だから言いたくなさそうだったんだな…これ以上この話を広げるのはダメだよな…どうしよう)

「あっ!ハルス様!!ご、ご無事でしょうか……?」

「あ、護衛が数名ついているとは思いますが……あの聖女様もご一緒となると………会いに行かれますか?」

「気になりますし…罪悪感もあるので………行きましょう」

リシャが、少し申し訳なさそうに告げると

「はい」

マミュウラ様はとても柔らかく笑った。



女官さんにハルス様の居場所を聞き、マミュウラ様と2人で会いに行くと、

「いや、ですから俺はリシャが……」

ハルス様の声が聞こえた。

リシャとマミュウラ様が部屋に入り

「えっと………呼びました?」

リシャがハルス様に尋ねると

「へっ?リシャ!?いっ、今の聞いて……!?」

ハルス様の顔がリンゴのように真っ赤になる。

(だいたい想像つくけどな)

「いえ、私の名が聞こえただけですが…」

「な、ならいいんだ。」

ハルス様は少しホッとしていた。

(なんだかアルライナに睨まれている気が…いや、確実睨まれてるな。ハルス様が俺に惚れてるって気づいたな。)

「ちょっとリシャ。2人でお話しましょ?」

言葉遣いは丁寧だがそこはかとなく危険を感じる。

見ずともハルス様が慌てて、マミュウラ様が警戒しているのが分かる。

「…………ええ、そうしましょうか」

恐る恐るそう答えると別室へ移動した。



「あんた、分かってて黙ってたの」

「な、なんのことかなー」

「とぼけるんじゃないわよ。あんたのその下手な演技に騙されるほど私は馬鹿じゃないわ」

「……ハイハイ分かったよ。そうです。わかってて黙ってた。」

「それで、あんたはその気がないんでしょ。そうよね?」

「まぁ、そうだね」

「じゃあさっさと断ればいいじゃないそしたらハルス様も私を見てくれるわ」

「え……でも、そういう問題じゃ……」

「あんた………ハルス様を振るのが嫌なの?」

アルライナがすごい剣幕で睨む。


「あ、俺……………………嫌……なのかも……しれない」




嫌なら初めから断れば良かったのに…なんで俺みんなに曖昧な態度とってるんだ……………?

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