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馬鹿にするなよ(4)

3人のことを考えていると、しばらくして外で待機していた護衛とレイオス様が部屋に現れた。

しばらく会えていなかった分、嬉しさが募るがレイオス様の深刻な表情にリシャは何も言えなくなる。

「お久しぶりです。レイオス様。要件はだいたい分かっているつもりです。」

リシャは聖女として平静さをを保つ。

するとレイオス様が少し悲しそうな顔をした気がした。

「唐突で申し訳ありません。聖女様。概ねわかっていらっしゃるのは承知ですが手短に説明させていただきます。」

いつもでは考えられないほどの丁寧な言葉にリシャが驚いていると、レイオス様は悲しそうに微笑んだ。


レイオス様からの説明が終わった。

あらかた侍女の言っていたようだった。

隣国の聖女はどうやら自国が劣勢であることに我慢ができず戦争に参加すると言い出したそうだ。

どうやら隣国の聖女はお転婆なようだ。

基本、聖女が国同士のいざこざ、ましてや戦争に表立って関わるのは滅多にないことなのだそうだ。

しかし、聖女の力は絶大だ。聖女は生まれ持って聖なる力に守られており幸運の持ち主なのだ。

リシャが魔法を使えなかったため印象は薄いが、魔力は魔法騎士団の方々よりも遥かに多い。

そんな人物1人出てくれば戦争などではない。


「本当にごめんね」

レイオス様は二人きりになると私に何度も謝った。

謝られる度にリシャは「私は大丈夫ですから」と答えた。

すぐに私は50人の護衛とともに最前線へ送られることになった。

どうやらマミュウラ様、ハルス様、レイオス様が護衛に名乗り出てくれたらしいがハルス様とレイオス様は却下されたようだ。


レイオス様と作戦基地まで馬車で移動することになった。

馬車に乗り込もうとしたが思うように体が動かない。

「あぁ、何俺ビビってんじゃん」

リシャは誰にも聞こえないほど小声で呟いた。

するとレイオス様は優しく優しく手を握ってくれた。

(転生してたから忘れてた。俺、まだ15歳なんだ。怖いんだ。戦争が。)

自覚するとさらに怖さが増す。震えているのを悟られないように必死に微笑んでいたがきっと引きつっているんだろうな、レイオス様は作戦基地に着くまで黙って手を握ってくれた。

その温かさが妙に心地よかった。


▶レイオス様に対するリシャの好感度がアップした。

また変な吹き出しが出ていたがリシャは気づいていなかった。

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