馬鹿にするなよ(2)
暇だ。絶望的に、暇だ。
一通りの魔法がつかえるようになって、魔法教育終わった途端。
他国との戦争が始まったらしい。
この国に聖女が現れたという情報はどうやら他国には秘密らしい。
きっと俺が魔法が使えなかったから他国に知られたくなかったんだろうな……はぁ。
この国では長年聖女が現れていないと聞き付けた隣国が勢力の拡大をしようと侵攻してきた可能性が高いんだと。あ、侍女いわく。
まぁ、言わなくても分かると思うけど、俺が暇な理由。
あの3人がいねぇからだな。
いや!寂しいとかじゃねえぞ!!
ただ、いつも居たのに急にいなくなるから……なんだろう。喪失感的な………?……うん。寂しいんじゃねぇよ?たぶん。
え?やっぱり説明いる?
そうだな。
まずはルシエラ様。ルシエラ様は第1魔法騎士団の団員だぞ。シンプルに強え。だから、戦争に駆り出された。
次はハルス様だな。ハルス様は第2王子でありながら皇族1の魔力使いだ。前線には参加しないものの後方支援が必要なんだそう。
最後にレイオス様。レイオス様は魔法騎士団の指揮官だ。まぁ、分かるよな。魔法騎士団のまとめ役が戦争に行かないわけがねぇ。
とまぁ、こんな感じで誰もいねぇ。
神様も神界のゴタゴタでしばらく来れないらしいし……。
「リーシャーーちゃーーーん」
リシャを呼ぶ声が聞こえる。
「なんだ?幻聴か……」
「リシャちゃーーーーーーん」
「あーはいはい。なんだよ。リナール」
「リシャちゃん、俺にだけ冷たくない?」
「確かにそうだな。みんなみたいにぶりっ子してやろうか?」
「いや、いい。なんか、勿体ない。」
「いいんかい。」
「だって俺だけ特別♡って感じするし?」
「え〜♪そんなことないですよ〜♪」
(私が暇だなんて考えてたから来てくれたのかな……)
「リシャちゃん可愛いーツンデレさんなんだね」
「きも」(きも)
「ちょっ!心の声と言葉が連動してるよ!」
みんなが会えなくなってからリナールとの親睦が深まったように感じる。
ただ、なんだろう。何か……忘れてる気がするんだよな……。